表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界はバラ色に  作者: 里中 圭
第2章 プエルモント教国編
33/142

第9話 カーラの休日

たくさんの「お気に入り登録」、「評価」ありがとうございます。これほど多くの人に読まれるとは思ってもいませんでした。これからも頑張りますのでよろしくお願いいたします。

 そして、犬の15日、カーラの休みの日だ。アルトは朝から昼食の仕込みに大忙しだった。

「ただいま~っ」

カーラだ。

「「おかえり」」

とみんなで出迎える。カーラは逞しく日焼けしている。きりっとして引き締まった感じだ。かなり鍛えられているようだ。

カーラはリーナを見て、誰だろうという顔をしている。

「初めまして、リーナです。サトシさんのパーティーに入れてもらいました」

僕のほうを見て、また美少女かって顔をしている。だが、さすがに詮索せずに、

「新しい仲間ですね。よろしく」

と言ってくれた。


 セシリアが聞いた。

「どう、きつくない?」

「きつくはないけど、そうとう鍛えられてるよ、双剣の扱いも巧くなったよ。双剣だけなら、部隊でも上位グループに入ってるんだよ。魔法を組み合わせるとまだまだだけど、相当強くなったからね。セシリア手合わせして」

「いいよ」


 カーラとセシリアは木剣を持って庭に出た。セシリアは木剣と盾、カーラはもちろん木の双剣。2人は、離れて構えた。

「いくよ」

カーラが声をかけ猛然と仕掛けた。セシリアも真剣に受ける。素人目にもカーラの剣捌きが早くなっているのが分かる。これまで余裕をもって相手していたセシリアも表情が真剣になっている。


 双剣の扱いが理にかなったものになっている。セシリアも盾と剣の両方を使って受けている。カーラが大きく振りかぶった。セシリアがフェイントをかける。カーラが踏み込む。そこをセシリアが盾で思いっきりカーラを押し倒した。

「まいった」

カーラが悔しそうに言った。セシリアは、

「相当強くなったね。でも誘いの隙が見え見えだったよ。仕掛けが自然でなけりゃ私を引っかけるのは無理よ」

「そうよね。まだ攻めも余裕を持って受けられていたし、こちらから仕掛けたらだめだよね」

「加速をかけて攻めてこられたらと思うとぞっとするよ、まだ負ける気はしないけど」


「僕の相手もしてよ」

とよせばいいのに言ってしまった。2人の剣戟を見てたら相手してもらいたくなった。どこまで受けられるか試してもみたいし。セシリアから木剣と盾を受け取る。

「いいですよ、でもサトシ様、剣と盾でいいんですか」

「今は、これなんだ」

と構える。

「始め」

とセシリアが叫ぶ。僕はカーラににじり寄る。カーラは攻めが信条だ。まさに風のように攻めてくる。セシリアよりも1つ1つの攻めは軽いが早い。攻撃する気は一切ないので受けに徹する。カーラもそれを見越して攻めてくる。双剣を受けるのは初めてだ。上から下から、右から左と多彩な攻撃が飛んでくる、それをセシリアをまねて盾と剣両方を使って受ける。3分くらい耐えたところで打ち込まれた。

「ご主人様すごい。よくあれだけ耐えられましたね」

とセシリア。カーラも、

「強くなったんですね。受けが様になっていました」

と言ってくれた。女の子に一方的に攻められて、それも受けばっかりで3分も持たないんじゃまだまだなのは分かる。分かるが誉められると嬉しいもんだ。


 時間がもったいないのでクリーンをかけて、豪華な昼食へとむかう。食べながら、今までのことをいろいろ話す。鉱山でのことを話すと僕の失敗談ばかりになる。正直つらい。


「休みが終わったら演習目的で魔物退治に行くんだって、南の砂漠へ」

「へー、近衛隊でも魔物退治なんかするんだ」

「そうそう、やはりレベル上げはしないといけないし、スカーレット様は女性だけのお飾りの部隊と言われるのが大嫌いだから」

リーナが、

「噂では魔物の活動が活発になっているらしいね。教国でも魔法剣士を集めてるよ」

セシリアの顔が緊張したのがわかる。カーラはそれには気付かず、

「そうらしい、それもあって討伐に行くんだって。それにルグアイ王国の方も何やら動きがあるらしいって、山の魔物も活発化しているみたい」

といった。アルトが心配そうに、

「南も北も魔物が活発になっているのね。何かあるのかしら」

とつぶやく。


 カーラは近衛隊の話をいろいろしていたが、ひときわ目を輝かせて、

「スカーレット様の剣捌きは凄いよ。炎の大剣という凄い剣を軽々とものすごい早さで振るわれるの、思わず見とれてしまうほどなのよ。ユージン様とどっちが強いんだろうなんて言われているのよ」

「その炎の大剣、イバダンさんの作った剣だよ」

と僕が言うと、カーラはそれを知っていたらしく、

「ときどき剣の調整にいらっしゃってますよイバダンさん」

「父とパーティーを組んでいたアイリーンさんの剣ですよね」

とセシリア、カーラは驚いた様子で、

「セシリアのお父様って『紅ばらの剣』のメンバーだったの」

「母もです」

「だからセシリアは剣の才能に恵まれてるんだね。そのお父様にも鍛えられたっていうし、私がちょっとくらい頑張っても勝てないはずよね」

「でもカーラのお父様も兵士だったんでしょ」

「でも、私が物心ついたときは足を悪くしていたし、女の子に剣を教える気もなかったみたいだし」


 リーナのことは、リーナが利用される要素は極力漏らしたくないという希望で、プエルモント教国の出身であり、政変で危ないところを逃げてきたことは話したが、教皇の娘であることは話さなかった。セシリアがたまらず聞いた。

「リーナ、クラウディオとカタリナってエルフの噂、聞いたことない? 最近、教国に帰ったはずなんだけど」

「軍の情報はあまり漏れませんから、私は軍とは関わりたくなかったし」

「そう、ごめんね。変なこと聞いて」


 それから、近衛隊のメンバーのうわさ話や食事の話、ファッションのことなど、いろいろな話をして楽しく過ごした。


 午後もまた、アルトやリーナも加えて剣の稽古をみんなでやり、セシリアとカーラの強さを再確認させられた。僕もこれだけ強いセシリアやカーラに鍛えられているんだから強くなるよなと密かに期待した。


 楽しい1日はあっという間に過ぎ、カーラは帰って行った。


とうとうリアルの方の生活が限界です。

投稿スピードが落ちると思いますが、続けていきますのでよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ