表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界はバラ色に  作者: 里中 圭
第1章 メルカーディア王国編
18/142

第17話 カーラ1

 朝、セシリアとアルト姉さんに起こされる。顔を洗い部屋に帰ると、ベッドに座らせられた。

「カーラ、冒険者になるうえで約束して欲しいことがあります」

2人は真剣な顔で話している。


「いい、カーラ、ご主人様は特別なんだから、あのスピードでレベル上げをしようなんて思わないこと」

「そう、命は1つなんだから、無理をしてはいけません」

「ゆっくり上げていっても、すぐに私たちとパーティーを組めるようになります。あせってケガをするとそれだけ遅れることを良く覚えておいて」

「分かってるよ、そんなこと」とカーラ。

「分かっていません。食事もせずに依頼を受けに行こうとしたくせに」

「守って欲しいことは、いくつかあります。まず、依頼は1度に1つしか受けないこと。同じ場所だからとか簡単だからとかで2つ受けると、疲れたり、気が抜けたりして失敗する確率が増えます」

「失敗するだけなら、まだ良いんだけど。命を落とすことになるのよ」

「そう、めんどくさくても1つずつ受けること。次に、武器や防具はしっかり手入れすること、これを怠るようなら冒険者にはならないほうがいい」

「命を預ける道具ですから、自分で手入れするのよ」

「依頼とは別に剣の鍛錬は毎日すること。準備と情報の収集は怠らないこと。それに頑張りすぎないこと」

「分かった」


「私たちが帰ってくるまでに、Gランクの依頼を3つ。Fランクの依頼を2つ。これ以上は受けないこと。約束できる?」

「約束する」

「破ったら、ご主人様のパーティーに入れないからね」

「はーい」

アルトがにらむと、

「はい」と元気よく言い直した。

「風の特性はスピードだからね。逃げ足にも『加速』が使えるようにMPを残して戦うほうがいいからね」


「おはよう、みんなで集まって何の相談?」

とサトシ様が入ってきたので、ここでお開きとなった、よかった。ガビー村に行くサトシ様とセシリアを見送って、ギルドへ向かう。今日はGランクの依頼を受けよう。「はぐれゴブリン3匹の討伐」これにしよう。ギルドのお姉さんに、詳しい場所を聞き出発する。街から、歩いて30分ぐらいの離れたところに森がある。ここにゴブリンが出たそうだ。はぐれゴブリンを放っておくと、だんだん増えて群れを作り、巣を作る。そうなるとやっかいなことになるらしい。


 森へ入ると、すぐに1匹のゴブリンがいた。双剣を抜き襲いかかる。ゴブリンが反応する前に倒すことができた。憎いゴブリンを倒したはずなのに嘔吐した。剣の稽古と実際に殺すのではこんなにも違いがあるのか。それから2時間くらい歩き回ったがゴブリンはいなかった。お昼になったので帰ろうか、もう少し探そうか考えていると、ゴブリンに前後を挟まれた。あわてて、双剣を抜き1匹のゴブリンに斬りかかる。棍棒ではじかれよろけると、後ろのナイフを持ったゴブリンが走ってくる。しかし足はあまり速くない。棍棒をもったゴブリンに右で上からフェイントをかけ、左で胴を切り裂く。倒した。後ろから来たゴブリンの正面を向く。ゴブリンはビックリして立ち止まる。落ち着いて倒し、左耳を切り取る。依頼は終わった。


 ギルドへ終了報告をして、家に帰りアルト姉さんにも報告する。午後は剣の手入れと、鍛錬をして過ごそう。レベルアップしたけど、ウインドカッターは5Pいるのでまだ取れない。


 次の日は、「一角兔を狩り、肉を肉屋に持って行く」依頼。加速を使って、すれ違いざまに切り裂いた。レベルアップして4になった。ポイントは4Pになったけど、まだ使わない。さらに次の日、薬になる「スネークの討伐」を選んだ。気持ち悪かったが割りと簡単に倒すことができた。レベルは上がらなかったが、ギルドランクがFになった。見習い卒業だ。


 次の日は、いよいよFランクの依頼だ。「ブートドッグの討伐」、Fランクでは簡単なものらしいが、難易度が急に上がった気がする。アルト姉さんからも

「少し急ぎすぎてるんじゃない、休みも取らないと思わぬ失敗するわよ」

と言われたが、今までの依頼は全て午前中で終わっている。大丈夫だ、やれる。セシリアからあれだけ鍛えられたんだもの。それに装備もDランク以上の人が使うレベルの物だし。


 タンガラーダのすぐ東にある小高い山、オスマニエ山というらしい、その麓にブートドッグが1匹住みついたそうだ。ブートドッグは加速を使う野犬でFランクの魔獣だ。経験値は8入る。成功すればレベルアップできる。ウインドカッターを修得できるはずだ。


 オスマニエ山の麓に着き、情報を集める。登山口にある小さな洞穴をねぐらにしているらしい。登山口に向かう。奥から、威嚇するうなり声が聞こえる。サトシ様もおっしゃっていたけど魔獣は威嚇するのが好きなようだ。


 いた。1mくらいの青い犬だ、顔は怖い。ゆっくり歩いて近づいてくる。加速があるはずなので油断はできない。まだ加速を使わない、ならばこちらが先に仕掛けよう。加速を使い左から剣を振るう、右に避けようとしたので右手の剣を一振り、右足を切り裂いた。ブートドッグは右足を引きずり逃げようとする。再び加速を使い、背中から切り裂いた。さわやかな風を感じた、レベルアップだ。待望のウインドカッターを取得した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ