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異世界はバラ色に  作者: 里中 圭
第6章 三つの水晶編
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第6話 炎の洞窟

 洞窟に入るとすぐに広い部屋があった。中に向けてナナが土の結界を張る。これでひとまず安全だ。

「この洞窟は広そうですね」

とナナが言う。セシリアが索敵を使う。

「この階にも魔物がいるようです」

「何がいるの」

「コボルトとスネークです」

「あ~、蛇は嫌い」

RPGで言えばダンジョンみたいな感じなのかな。

「ひょっとしてダンジョン?」

「そのようですね。階層になっていそうです」

とナナが答えた。ラフィーが、

「昔、強い冒険者が入ったと物語にあります。5階まで行ったそうです」

「5階で行き止まりだったの」

「いいえ、5階に真っ赤な水晶があり、それを炎獅子が守っていて戦いを挑み、敗れて命からがら逃げ帰ったんです」

「真っ赤な水晶か、炎の水晶で間違いなさそうだな」


 アルトが、

「夕食ができました」

と声をかけてくれた。リトルサラマンダーの肉をみんなで食べた。何度食べても絶品だ。

「美味しい肉ですね。たくさん取れたから安心して食べて。ギルドやアラスティア様やスウェードルさんにも分けてあげられるくらいありますから」

夕食を食べると疲れがどっと出た。見張りの順番を最後にしてもらい寝ることにした。その日は何事もなく夜が明けた。


 次の朝、

「ラフィー、これからダンジョンに入って行くんだけど君はどうする?」

ラフィーは急に心配顔になり言った。

「連れて行ってはくれないのですか」

「町に帰った方がいいんじゃない」

とリーナ。ラフィーは俯いて黙ってしまった。しばらくして、

「生贄は1週間は帰れません、たとえ何があっても。それが掟です。そして1週間が過ぎて帰っても奴隷になるか死ぬかしかありません」

セシリアが、

「ギルド職員は、奴隷か死かじゃなくて、奴隷か冒険者って言ってましたよ」

「生贄が冒険者になるには1人で火トカゲを殺さなければなりません。火トカゲはDランクの魔物ですよ。とても無理です」

「Dといえばゴブリンロードと同じよね。サトシなら冒険者になる前に倒したけどね」

「私には無理です」

そうだろうな、僕もあのときは運が良かっただけだしね。

「じゃあ、僕たちに付いてくるしかないんだね」

「はい、奴隷にしてください。危ういときは見捨ててもらってもけっこうですから。連れて行って下さい」

「奴隷になる必要は無いよ。西の山の兎人族の集落に連れて行ってみよう。あの長老なら何とかしてくれるだろう」

「そうね、それがいいわ」

「よろしくお願いします。奴隷じゃないと国を通れません。奴隷で登録してください」

「登録だけならいいけど」


 みんなでフォーメーションを検討する。リーナが提案する。

「前衛がサトシとセシリア、中衛が私とシェリル、その後ろにラフィー、後衛がアルトとナナ、それでいい?」

アルトが、

「それで良いです。後ろは任せてください。魔物によってシェリルと交代します」

シェリルも頷いている。どうやら決まったようだ。

「とりあえず、それでいこう」

そう言って結界石はそのままにして、洞窟の中に入っていった。コボルトとスネークくらいは剣だけで瞬殺できる。僕たちも強くなったなと思う。


 中は意外と広かった。シェリルが、

「ちょっと待って。進むのが早すぎる」

そう言うので何かなと思って振り返ると、リーナが、

「ダンジョンはマッピングに時間がかかるのよ。目印が少ないからね」

と説明してくれた。水晶を手に入れて出口が見つからないなんてことになったら泣くに泣けないもんね。ゆっくり進み出した。シェリルはノートに地図を書きながら、リーナは地面や壁に何やら印を付けながら進んでいる。


 しばらく進むと階段があった。上りだ。山の頂上に向かって行くようだ。

「良かった、上りだね」

と僕が言うとセシリアが、

「どうしてですか、ご主人様」

と言う。

「上りなら最高でも山の頂上までだからね。下りならどこまで続くか分からない」

「そうですよね。でも5階までしか行かないから」

「それに、逃げるときは下りのほうがいいよ。階段を昇りながら逃げるのは辛いと思うよ」

リーナがあきれ顔で、

「どっちでもいいよ、そのときそのときで一長一短よ。逃げる必要が無いように準備することが大切なのよ」

ラフィーが聞いてきた。

「ご主人様って、セシリアさんも奴隷なんですか」

「違います。元は隷属の首輪の奴隷だったけど」

とセシリア。

「元ですか・・・」


 階段を昇り順調に進んでいく。2階層から火属性の魔物が出だした。まずは火トカゲだ。火トカゲを倒しながら進む。レッドバッドや火モグラなどが襲ってくる。3階層にはレッドウルフがいた。レッドウルフを倒し、4階層に向かう階段に結界を張り野営の準備をする。

「安心して野営できるのはここらまでかもしれないね」

と僕が言うとセシリアが、

「4階にはアンデッドがいるようです。リーナの出番ね」

「じゃあ、明日は私が先頭に行くわ。ナナ、マッピングお願いね」

「はいにゃ」

と言ってナナはシェリルと打合せを始めた。

「アンデッドはリーナ、レッドウルフはセシリアと僕で何とかする。アルトはラフィーを頼む。シェリルとナナはマッピングお願い」


 3階層までは光苔のおかげで松明が無くても進めたのだが、4階層は真っ暗な闇だった。僕たち7人はそれぞれ松明を持ち進んでいった。松明でゆらゆらと薄暗く照らされた洞窟内は不気味だった。

「ゾンビとスケルトンが1匹ずついます」

とセシリア。しばらく進むとゾンビが見えてきた。リーナがライトボールでゾンビを倒す。その後ろから僕はマインドボールをスケルトンに放つ。マインドボールは当たったが効かなかった。セシリアが氷の刃でスケルトンを倒した。


「階段前の広場に魔物の集団です。レッドウルフが4匹。ゴーストが3匹います。ゾンビとスケルトンは数十匹います」

とセシリアが言うとリーナが、

「任せて」

と言って前に進む。僕とセシリアが両側に立ち、シェリルが弓を構える。

「シャイニングバースト」

とリーナが叫ぶ。まぶしい光が広場の中央に飛んでいき激しい爆発を起こす。アンデッド系には効果は抜群でほとんどの魔物は砕け散った。レッドウルフは2匹が爆発に巻き込まれ傷つき、爆発を避けた2匹が同時に襲ってきた。シェリルが矢を放ち、僕は闇の魔剣、セシリアが氷の刃でレッドウルフを倒す。そのまま僕たちは傷ついたレッドウルフに止めを刺して階段にたどり着く。結界を張りMPが回復するのを待った。


ipadでの投稿です。

次はいつ投稿できるか・・。


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