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異世界はバラ色に  作者: 里中 圭
第6章 三つの水晶編
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第5話 洞窟前の戦い

 教皇騎士団はトゥラスノ伯爵の城を徹底的に探索した。そして1冊のノートを見つけた。

「神の門に関する記録です。龍の祠の壁書きも写されています。それに北の山岳地帯の詳しい地図もあります」

「古代語を訳しているのか」

「ごく僅かですが」

「神の門への行き方というメモがあり、三角、登る、左、右、右、闇、水、風、闇とあります」

「地図を貸してみろ。調べたところはきちんと記録してあるな。問題は三角か。三角が起点のようだな」

「三角の何なのですか」

「わからん。山賊どもの手下を集めろ。三角を徹底調査する」


 謁見室に、地図を拡大したものを壁に貼り付けて、山賊どもを招集した。

「三角を探す。それぞれの部族ごとに調査地域を割り振った、10日間与える三角なものを全て調べてこい」

「山も谷もありますが」

「質問は許さない。今日中に出発せよ」


 ルナは指示を出したあと王に会いに行った。

「SSランクの依頼を達成したのだから『水神の杖』を名乗る。いいな」

「いいだろう、名乗りたいなら名乗れ、でも何のためだ」

「龍よりも神が強いということを分からせるためだ」

とルナは薄笑いを浮かべる。

「子供みたいだな。それよりも教国で異変が起きた。教国の王とメルカーディアの王女の顔合わせの場に魔物の群れが現れたそうだ。男は殺され女は拉致された、妹のトゥシアナも連れ去られたらしい」

「教国の魔法師隊やユージンたちもいたんだろう」

「詳しいことは分からん。いま情報を集めている」

「そうか、分かったら知らせてくれ」


 ◇ ◇ ◇


「セシリア、シェリル、炎のブレスがきたら水と風で温度を下げてくれ。リトルフェンリルの皮は魔法は通さないが温度は下げられないと思う」

「分かったわ」

「アルトは眷属をナナは支援魔法を、リーナと僕で攻撃する」

リーナが、

「来たわよ」


 ものすごく大きな赤い竜が現れた。体長は約50mほど、砂漠で倒したやつよりもはるかに大きい。

「ナナ、加速と身体強化をお願い」

「はい」

シェリルがリトルサラマンダーの左目をめがけて矢を放つ。矢は左目に吸い込まれたが視力を奪うほどではないようだ。リトルサラマンダーは頭を僅かに振り、シェリルを睨む。そして息を大きく吸い込み始めた。そこにセシリアが口をめがけてウォーターボールを放つ。炎のブレスを放つ前に大きく口を開けたところにウォーターボールが入って行く。違和感をおぼえたのか1発目の炎のブレスは不発に終わった。


 リトルサラマンダーは怒りを増してセシリアの方に突進していく。シェリルとセシリアは横に走り突進をかわす。リトルサラマンダーはそのまま真っ直ぐ進み長い尻尾でセシリアを狙う。尻尾がセシリアを襲おうとした瞬間、リトルサラマンダーは崖から滑り体勢を崩す。尻尾が大きく跳ね上がりセシリアに当たることはなかった。


 リトルサラマンダーは坂道で体勢を立て直し、上ってくる。そこにリーナが雷槍をたたき込む。僕は震地をかけてもう一度体勢を崩す。リトルサラマンダーは地面をしっかり掴み耐えている。そして息を吸い込もうと口を開け始める。セシリアがウォーターボールを放つ。リトルサラマンダーは首を横に曲げてウォーターボールが口に入らないようにする。そしてブレスを吐きながら顔を正面に向ける。


 炎のブレスを見たシェリルがトルネイドを放ち炎の方向を変える。炎は方向を変えたがブレスはそのまま僕たちに襲いかかる。リトルフェンリルの皮のおかげで魔法は効かない。炎のブレスを吐き終えたその瞬間に僕は闇のブレスを放つ。セシリアはウォーターカッターを、ナナは石つぶてを、そしてシェリルはトルネイドを放つ。リトルサラマンダーの頭がみるみると潰れていく。闇のブレスでダメージを与えたところにトルネイドと石つぶての合わせ技で傷を付けていった。そしてその傷を目掛けてリーナが雷槍を放つ。


 リトルサラマンダーはずるずると坂を滑り落ちていく。セシリアが索敵で確認する。

「まだ生きています」

リーナが、

「とどめを刺すわよ」

と坂を下っていく。みんなもそれに続く。

「ナナ、消気をかけて」

と僕は消気をかけてもらいリトルサラマンダーの右から突っ込んでいく。セシリアが左側にウォーターカッターを放つ。リトルサラマンダーは頭を潰されて目が見えないようだ。誰もいない右に向けて炎のブレスを吐く。


 アルトが左に向けてヘルファイアーを放つ。レッドウルフが悲鳴を上げ倒れる。僕は左前足に触れ『魔食い』と念じる。その瞬間、リトルサラマンダーは左前足を振り上げ僕は真上に飛ばされた。空中でビッグネイルに擬態してリトルサラマンダーの背中に舞い降りる。もう一度魔食いをかけようとすると背中を大きく振られ3秒間体勢を維持できない。仕方がないので前回の討伐で確認した3つの心臓にフリーズをMPの続く限り放つ。ようやくリトルサラマンダーは動きを止めた。「ピロン♪」と音が聞こえた。


「レベルアップしました」

「私も」

「私も」

と全員がレベルアップしたようだ。

「眷属はいませんでした。崖を下りてからレッドウルフが2匹現れただけです」

とアルトが言った。

「崖を滑り落ちてくれたから助かったね。まともに物理攻撃を受けていたら勝てたかどうか」

「あれだけ痛めつけても魔食いができなかった。最初から噛みつきと尻尾の攻撃で来られたら耐えられなかったかもしれない」

「そうね、ブレスを警戒しながら物理攻撃に耐えるなんてできなかったでしょうね」


 それからアルトがラフィーの所へ行き、僕たちはみんなでリトルサラマンダーの解体に取りかかった。牙、爪、形のきれいな鱗を剥ぎ取り、肉を切り分けていく。50mの大物だ。凄い量だ。3時間くらい夢中で剥ぎ取っていると、魔物たちが集まってきた。レッドウルフや火トカゲに、空からはファイアーバザード、ビッグネイル、ビーファルコンもいる、名前を知らない魔物もいろいろいる。山ハイエナもいた。凄い数だ。

「洞窟に逃げよう」

そう言って坂道を上る。洞窟前の広場には魔物は近づかないようだ。死んだとはいえリトルサラマンダーの巣に踏み込む勇気は無いようだ。念のため結界石を入り口に置き洞窟に入った。


出張が入りました。ipadは持って行きますが更新できるかどうか分かりません。画面キーボードでの入力ですので更新しても誤字が増えそうです。


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