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異世界はバラ色に  作者: 里中 圭
第5章 迷走編
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第11話 東の草原

 今回はトレーヴ山脈の南を回るコースだ。ルグアイ王国からの依頼ということで、沼地の多い草原の道を案内する人を付けてくれた。馬車で3日で着く予定だ。ルートの途中に目立たないが強固な関所があった。ルグアイ人だけしか通れないルートだそうだ。もちろん依頼が成功すれば帰りも通してくれることになっている。


 3日後、アジメールに着き、『トレーヴの麓』に泊まる。以前に冒険者から聞いたカングスから東に向かう予定だ。1泊して朝早く出発しカングスに着いた。東に入る地図を確認して草原に入っていく。しばらくすると沼地が点々とある場所に出た。ここで馬車を降りてロチャたちをアジメールに返す。ここからは歩きだ。


 セシリアの索敵に魔物がかかる。

「魔物がいます。あちらこちらに、襲ってはこない気配です。どうしますか」

「戦おう。この草原の魔物は水竜の眷属とみるのが正解だろう。少しでも魔物の生態が分かればもうけものだ」

と僕が言うと、アルトが、

「火属性の攻撃が効くか試してみます。水竜には効かないらしいので私は眷属を受け持つことになるから」

セシリアも、

「おそらく、サト・・、サトシって言いにくいのよね。じゃあ前みたいにご主人様、うん、これがいい。ご主人様とリーナがメインで水竜。アルトとナナが眷属。私とシェリルが状況に応じてと言うことになるね」

ご主人様、それはないだろう。前にもサトシって言いにくいって言ってたような記憶があるけど、またクラウディオさんに睨まれるな。

「ご主人様はないだろう。もう奴隷じゃないんだから」

「言いやすいから良いでしょう、だめですか」

と上目づかい。これをやられると弱い。

「ご両親の前ではだめだよ」

「分かってます。ときどき間違うかもしれないけど」


 戦闘隊形をとり、セシリアが正面の沼地にウォーターボールを放つ。魔物が飛び出してくる。

「グリーンクロコダイルとブルークロコダイルです。およそ10匹、ブルークロコダイルはウォーターボールを撃ってきます」

リトルフェンリルの装備だから魔法技は効かないけどね。と思いながら剣を抜く。剣を抜いたところで戦いは終わっていた。鰐ごときでは相手にならないらしい。リーナも手を出していなかったようだ。

「特に火属性が効かないわけではないのね、眷属は」

「風の魔法も効いたわ」

アルトとシェリルが言うと、セシリアとナナが、

「私の氷の刃も大丈夫、ねっご主人様」

「みんなすごいにゃん」

と言う。ご主人様とかにゃんってわざとなんだろう、その言葉が出るたびにみんなが僕の顔を確認してにっこりする。やはりからかわれていると思ったがいいようだ。


 鰐の魔物の次は、アナコンダが出てきた。アナコンダは集団では襲ってこない。それで、

「ちょっと僕の剣を試させて」

といって闇の魔剣に魔力を込める。闇の魔剣とは僕が付けた名前でイバダンさんは単に、闇の剣と言っていた。そのうちに何かいい名前を付けたいものだ。

「えいっ」

と剣を縦に一閃すると、アナコンダを縦に裂いた。セシリアが言う。

「切ったんじゃなくて身体の中央部、背骨のラインが無くなったって感じですね、ご主人様」

「えっ、そうなの」

と言ってアナコンダを調べる。


 頭は縦に中央から切れている。そこから胴が真っ二つに避けている。身体をくねらせていたので3m程先で途切れていた、切れた骨と骨を合わせるとほぼ重なり合う、ピッタリではないようだ。しかし、左右の硬いものに何ら影響を与えていない、ものすごく柔らかいものを薄い刃で切った感じだ。3m先まで1m足らずの刃が届くわけがない。魔力で切ったということなのだろう。MPが相当減った気がする、今は確かめようもないけど、今のと同じくらい魔力を込めれば、恐らく2回しか使えないんだろう、他の魔法を使うなら1回だけしか使えない。魔力をコントロールして使えれば良いのだが。この遠征から帰ったら、ギルドでステータスを見ながら使ってみよう。


 それから先は、ピラニアのような魔物が襲ってきたり、海老や蟹の魔物が襲ってきたりした。これらの魔物は火に弱かった。ついでにいうと美味そうだ。


 そして、湖が遠くに見える位置まで来ると大型の魔物が多くなってきた。

「魔物です。水大蜥蜴がいます。その後ろにブルークロコダイルです」

とセシリア。

「私に任せて」

とアルトが言う。セシリアが叫ぶ、

「後ろから巨大な蟹の魔物です。10mはあります」

青い巨大な蟹、青大蟹が沼から上がってくる。3階建てのビルくらいの大きさだ。


 アルトが水大蜥蜴とブルークロコダイルにファイアーストームをかける。2つの魔物はウォーターボールを放ち火を消す。その隙にアルトが水大蜥蜴をシェリルがブルークロコダイルを切る。青大蟹がウォーターストームを放つ。僕たちには効かない。リトルフェンリルの皮のおかげだ。


 青大蟹がこちらに向かって走り出す。震地をかけ転ばす。そこにアルトがファイアーラプチャーを放つ。青大蟹は甲羅を青色に光らせ防ぐ。シェリルのウインドストームも効かなかった。セシリアが走り身体の横の部分に氷の刃で傷を付ける。そこに僕がファイアースピアを放った。青大蟹は痛みで脚を伸展しジャンプする。そのまま水竜の湖に逃げ込んだ。


 僕たちも少し後退し野営の場所を探す。結界石を置き夕食の準備に入った。もちろん蟹鍋だ、美味しかった。

「青大蟹でこれだけ手こずったら水竜が出てきたら無理だよ」

というと、リーナが、

「眷属だけでも余裕で倒せるようにならないとね」

「あのレベルじゃマインドボールは効かないだろうしね」

シェリルが思いついたように言った。

「傷が付いたらそこに魔法を打てるよね」

「少しの傷でも魔法は通るわ、ご主人様のファイアーアローが効いたから」

「魔法をはじくのは甲羅だけかもしれにゃいにゃん」

「じゃあ、私が風の弓で矢を打ち込むからそこを狙えば倒せなくても混乱させれるわ。あの痛がりようだもの、きっとガードが堅いだけに痛みには弱いのよ」

「それがいいわ。サトシの闇の魔剣と私の雷槍は水竜にとっておきたいものね」

とリーナが締めた。


忙しくて・・・。毎日更新は限界かも・・・です。


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