第1話 「役立たず鑑定士は追放された――世界が壊れているとも知らずに」
はじめまして、作者です。
この作品を読んでいただきありがとうございます。
本作は
「鑑定=弱スキルと思われがちだけど、実は世界そのものがバグっていたら?」
という発想から書き始めました。
・追放スタート
・じわじわ評価が覆る展開
・バトルは主人公が“殴らない”タイプ
を意識しています。
まずは1話、
できれば最後まで読んでいただけると嬉しいです。
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「お前、今日でパーティを抜けろ」
酒場の喧騒の中、その一言だけが不自然に大きく響いた。
Sランク冒険者パーティ《紅蓮の牙》。
その末席で鑑定士を務めていた俺――アインは、手にしていた木杯をゆっくりと置いた。
予想はしていた。
むしろ、今日までよく持った方だろう。
「理由は分かっているな?」
リーダーの剣士が、ため息混じりに言う。
「鑑定スキルが低すぎる。今どき【鑑定】レベル1なんて、ギルドの見習い以下だ」
周囲から、失笑が漏れる。
「この前もそうだ。その剣は“ガラクタ”だって言ったな?」 「ああ。結果は名剣だった」 「恥かいたんだぞ、俺たちは」
責める声。嘲る視線。
だが俺は、何も言い返さなかった。
――言い返せなかった。
なぜなら俺の鑑定結果は、いつも他の鑑定士と食い違っていたからだ。
錆びた剣は「価値なし」。
弱い魔物は「異常個体」。
呪われた装備は「本来は正常」。
それが原因で、俺の鑑定は「外れる」と判断された。
「荷物はもうまとめてある。報酬は今日まで分を渡す」 「……分かりました」
そう答え、席を立つ。
誰も引き止めない。
これで終わりだ。
酒場を出た夜道は、やけに静かだった。
――でも。
路地裏で、偶然足に引っかかった“ボロ剣”を拾い上げた、その瞬間。
無意識に、俺は鑑定を使っていた。
次の瞬間、視界が歪む。
世界の色が一瞬だけ反転し、
今まで見たことのない文字列が、宙に浮かび上がった。
【鑑定結果】
名称:聖剣・アルティメア
状態:封印中
封印理由:世界の誤認識
「……は?」
思考が止まる。
聖剣?
この、錆びだらけの鉄塊が?
さらに、文字は続いた。
【警告】
本来あるべき情報と、世界の認識にズレが発生しています
修正権限:確認
心臓が、嫌な音を立てて跳ねた。
修正?
権限?
俺が今まで使っていた【鑑定】とは、まるで別物だ。
恐る恐る、俺は“確認”を選んだ。
次の瞬間。
剣から、淡い光が溢れ出す。
錆は剥がれ、刃は澄み切った銀へと変わり、
空気そのものが、震えた。
「……嘘だろ」
確信した。
俺の鑑定は、間違っていなかった。
世界の方が、間違っていたんだ。
もしこれが本当なら――
今まで俺を無能だと切り捨てた連中は、
何一つ、正しいものを見ていなかったことになる。
俺は剣を握りしめ、夜空を見上げた。
追放された鑑定士の人生は、
どうやら――ここから始まるらしい。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
第1話は
「追放」
「鑑定覚醒」
「世界が間違っている」
という軸だけに絞って書いています。
次話からは
・ヒロイン登場
・鑑定スキルの具体的な使い方
・主人公が“評価されなかった理由”
が少しずつ明らかになっていきます。
テンポ重視で更新していく予定なので、
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