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恋は野の鳥

 1年生の夏休み明けにルルディが前世の記憶を思い出してから、だんだん冬休みが近付いてきた。

 シュウがヒロインに倒されるチュートリアル発生は、冬休み明けの学年の終わり頃になる。

 未だにシュウからヒロインを襲撃する理由は聞き出せておらず、ルルディは焦っていた。


『僕の愛しい人魚のために、あなたには死んでもらいます。』


 乙女ゲーム中のシュウのセリフだ。

 未だにセリフの意味は分からない。

 ルルディの乙女ゲームの記憶は完璧ではなく、後から時々思い出すこともあった。


 ルルディの今後の進路を左右する、王立学園が主催する歌唱コンクールがあり、その練習に忙しくてなかなか保健室に行く時間がとれなかったのだ。

 将来はオペラ歌手を目指しているルルディは、コンクールのアリアを「恋は野の鳥」にすることにした。


 たとえ想われていなくても、私はあなたに恋している

 でも私に想われたのなら、どうか気をつけてね

 たとえ好きになってもらえなくても、どんなに想われなくても、

 私はあなたに恋している

 だから気をつけてね

 私に想われたのなら、もし私が恋したら、どうか気をつけてね


 それが恋!恋なの!


 鳥肌が立つような華やかな声、情感たっぷりに恋を叫ぶ迫力が評価され、ルルディは優勝した。

 


 表彰式の翌日には、学園の大ホールでガラ・コンサートが開催され、その後に学生とその関係者が参加するパーティーがある。

 ルルディは、シュウにエスコートを依頼した。

 シュウはルルディが優勝したことを自分のことのように喜んで引き受けてくれて、ルルディは夢を見ているような幸せを感じていた。

 


 ぼさぼさだった髪をオールバックに整えて。

 更に分厚いメガネを外し、涼やかな目元を出したシュウのビジュアルは、まさに乙女ゲーム内でルルディが 一目惚れしたそれであった。


「シュウ先生どうしたんですか、 それ……」

「仮にも歌唱コンクールで優勝したお嬢様をエスコートするんだから、僕だってきちんとするよ。

ん?どうしたの、見惚れた?」


 冗談めかしてなら口説くようなことを言うのだ。

 普段はのらりくらりと、ルルディのアピールをかわすくせに。

 優しく微笑んでくれるのに、心をつかませてくれない。

 

 頭の中に、散々練習したアリアが反響する。



 それが恋!恋なの!

よろしければ★を頂けると嬉しいです。


本作は短編「雨の日には君を想う。」「視線の行方」と登場人物が繋がっているので、気が向いたらぜひご覧ください。

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