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【完結】断罪された悪役令嬢は、世界を救うために「真の悪」になる ~何周目かの人生で、ようやく見つけた私の居場所~  作者: ましろゆきな
第三章:悪役の覚醒と真の戦い

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第四話:悪役と聖女、共闘の果てに

乙女ゲームの悪役令嬢に転生した私、エヴァンジェリン。


どの周回でも、私はヒロインを虐げ、最終的には断罪される運命だった。


しかし、この物語の「悪役」は、私だけではなかった。


真の敵を倒すためには、私が「悪役」として世界を救うしかない、と。




悪役令嬢エヴァンジェリンと聖女リリアの共闘。


戦いの行く末は――。




さあ、物語の続きは本文で。

 ルシアンの介入により、私は再びリリアの前に立つ。


 私の放った魔力の槍は、兄によって止められたのではなく、兄の身体に流し込まれた私の魔力によって、彼の判断を確かなものにするための布石だったのだ。


 兄が周囲の衛兵や騎士たちを説得している間に、私はリリアと向き合う。


「……愚かな兄妹め。もはや、手遅れだ」


 不気味な声が響き渡り、リリアの背後から、漆黒のローブをまとった影が、ゆっくりと実体化する。

 その顔はフードの奥に隠されているが、全身から発せられる悪意の魔力は、世界を滅ぼすほどの力を持っている。


「影の魔術師……!」


 私は、過去の周回で何度も私を絶望に突き落とした、憎むべき敵を前に、震えをこらえた。

 しかし、影の魔術師は、私には目もくれず、リリアを見つめている。


「リリア・エルトリア。お前の聖なる力は、この世界を浄化するに値する。

 だが、その弱さは、世界を滅ぼす。だからこそ、私はお前の力を導いてきたのだ」


 影の魔術師は、リリアの力の負の側面であることを自ら明かしたのだ。

 リリアは、その事実に絶望し、その場に崩れ落ちる。


「嘘……私の力が……世界を壊してるなんて……」


 その時、影の魔術師の視線が、私に向けられた。


「そして、お前だ、エヴァンジェリン。いや……ヴェラ、と呼ぶべきか。

 お前は、私が幾度もこの時を繰り返させ、『世界の鍵』として完成させた、私の最高傑作だ」


(私が……最高傑作……?)


 彼の言葉は、私の心を抉った。


 周回は、私の意思ではなかった。影の魔術師が、私という「悪役」を、世界を救う道具として完成させるために、用意した「育成プログラム」だったのだ。


 私の孤独も、絶望も、全てがこのための筋書きだった。


 怒りが、私の内側から湧き上がってくる。


「ふざけないで……! 私の人生を、お前の実験台にしないで!」


 私は、全身の魔力を解放し、影の魔術師に向かって解き放った。


 しかし、私の魔力は、影の魔術師に触れた瞬間、霧散してしまう。


「無駄だ。お前の魔力は、私の分身であるリリアの力なしでは、不完全なものだ」


 彼は、冷酷にそう言い放つ。


 私は、絶望に打ちひしがれた。


 過去の周回でも、この状況に陥り、力尽きてきた。

 影の魔術師を倒すには、リリアの聖なる力が必要なのだ。


「……私のせいだ……」


 リリアは、泣きながらそう呟き、自らの腕に魔力を集中させ、自害しようとする。


「私が消えれば、みんなが……」


 その時、私の脳裏に、リリアと築いてきた友情の記憶が鮮明に蘇った。


「エヴァ様は、私にとってお姉様のような存在です!」


 彼女が独りぼっちで泣いていた時、私が手を差し伸べた、あの温室での光景。


 私は、震える手で、リリアの手を掴んだ。


「消えないで、リリア! あなたは、私の『居場所』よ! あなたが消えたら、また私は独りぼっちになってしまうわ!」


 私の言葉に、リリアは目を見開いた。


「……エヴァ、様?」


 彼女の瞳に、再び光が戻り始める。


「あなたの力は、世界を壊す力じゃない! 私に……私に、その力を使わせてちょうだい!」


 私の言葉に、リリアは涙を流しながら頷いた。


「……はい。エヴァ様! 私の力……あなたに使ってください!」


 リリアは、私に手を差し伸べた。その手から、温かく、清らかな聖なる力が流れ込んでくる。


 その力は、私の「悪役の魔力」と混ざり合い、新たな魔力を生み出した。

 それは、「善」でも「悪」でもない、世界を救うためだけに存在する、唯一無二の力。


「これが……! これが、私の力……!」


 私は、リリアの聖なる力を借り、影の魔術師に向かって、巨大な魔力の波動を放つ。


「お前は、ただの『実験』だった。私の人生の、何周目かの、『実験台』に過ぎなかった!」


 影の魔術師は、私とリリアの共闘に驚愕し、私を「不完全な存在」と罵る。


 しかし、その魔力は、もはや影の魔術師の制御を離れていた。


 ヴェラの「悪」とリリアの「聖」、相反する二つの力が、奇跡を起こす。


「消えなさい……私の『居場所』を脅かす、偽りのヴィランよ!」


 私の魔力が、影の魔術師を完全に飲み込む。

 断末魔の叫び声と共に、影の魔術師は、光となって消滅した。


 私は、力を使い果たし、その場に倒れ込んだ。


 リリアは、力を失いながらも、私の元に駆け寄り、私を抱きしめる。

 その温かさが、私が求めていた「居場所」だった。


(これで……独りぼっちじゃない…)


 私は、リリアの腕の中で、静かに目を閉じた。


 遠くで、兄ルシアンと王子レオンハルトの、安堵したような声が聞こえた気がした。

これは、孤独な悪役令嬢が、抗うことのできない運命の中で、


かけがえのない仲間たちと「居場所」を見つける物語。




悪役令嬢は聖女の共闘の末、勝利を手にする。


それがどんな未来に続くのか――。




彼女たちの行く末を見守っていただけたら嬉しいです。


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