表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/23

日本崩壊後 その12

「いや、はっはっはっはっは! もう、人数もだいぶ減ったし、これで管理しやすくなったぞ! あははははははは!」


 ゲームマスターは、愉快で堪らないといった感じで、軽快に笑い続けた。

 私は、さすがに腹も立ち。

 何か一言いおうとした。


 だが、ゲームマスターは、ここで意外なことを言いだした。


「ふう。……合格だ。それじゃあ、木ノ神くんと長谷則くん? だったね? 君たちには、仕事をしてもらうことにする」

「し、仕事ですって?! ふ、ふざけないで!」

「ふふふ。ふざけてなんかいない。さあ、そこから、外へ出て。そう。喫茶店から小道にまた戻って、大通りにでてくれればいいんだ。あ、今度はちゃんと歩かなくてもいいんだよ。じゃ、一旦。電話を切るよ」


 私は、長谷則に電話でのやり取りを知らせ、慎重な歩きで小道へと向かった。


「今の電話が、ゲームマスターから?」

「そうよ」


 規則的な野良犬の吠え声のする小道を進んでいると、またスマホの着信メロディーが鳴り出した。


「やあ、そこから少し先にあるビル。君たちには、目の前にある。あの大きなビルが見えるだろう。そこは、幸多田インダストリー社の支社だ。そこで、働いてもらうんだ。仕事内容は、OUTLINEというゲーム内の総合管理だ。清掃。人事。システム開発など。OUTLINEという君たちが今いるその世界そのもののゲーム内で、そこで、自分たちで自分たちの世界を運営してもらうのさ。どうだい? とても興味深いだろう。給料ははずむよ」

 

 そういえば、ここへ来てから夜中だったのだが。この世界。OUTLINEの世界には、朝も昼もないようだ。まだ、それほど時間は経っていないのだろうが、腕時計を見てみると、もう朝の5時になっているからだ。なのに、東の空はちっとも明るくはならない。


「ゲームマスターは、一体どこから電話を掛けてるのかな?」

「さあ、多分。とても散らかっている机からよ」 

 

 長谷則の問いに、私は皮肉を返した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ