つり橋効果
若い男女が夕暮れのつり橋の上を歩いていた。好きな人と渡ると、相手が落ちるといううわさのつり橋だ。女は男の腕にしがみつき、自分の鼓動が速くなるのを感じた。
風が強まり、つり橋は大きく揺れた。男は女を安心させようと微笑んで、両手で女の頬を包んだ。「下を見ないで、僕だけを見て。そしたら怖くないから。」女は両頬が温かくなるのを感じながら、更に強く男の腕にしがみついた。
女はふと何かに気づいてしまった。心臓が早鐘を打つ。その時、しがみついていた方の腕に引っ張られた。
男の目を見つめながら、女は自分が落ちたことを確信した。