表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あなたの側で人となる  作者: 野鳩
9/21

第9話 神と異世界と

 コウが床に横になって、吸血鬼の身体を取得した余韻に浸りながら本日取得した能力を確認を試みる。

 一度に数多の事が変わってしまって、どれから手をつけていいか判断が付かなかったので、取り敢えずスキル部屋である真っ白な部屋に意識を向ける。


 【種族統合】を発動する前は、広い空間に2つの青い石しか浮いていただけの殺風景な部屋だったが、現在は間違えるほどの変化があった。


 部屋の真ん中には、奥の真ん中に向かって赤い絨毯が敷かれていた、絨毯の先には黒く大きな玉座があった、絨毯の敷かれて居ない所には青い石が沢山並んで、確認するのも疲れそうなほどの数が浮いていた。

 

「魔力量が増えて取得したのだろうか?吸収で得たスキルよりも多いな」


 部屋の変貌に思わず声が出てしまうほどだった、そこでもう一つの変化に気がつく、コウモリの姿の時は、動く事はできなく眺める事しか出来なかったが、今は自分の意思で白い部屋の歩く事ができる様になっていた。

 動ける事がわかったコウは、他のスキルを確認する事なく真っ直ぐに玉座の方に歩み寄る。

 玉座の上には、他の青い石とは全く別の黄金に輝く大きな石が浮いていた、その黄金に輝く石に近付く事が現在の変化を知る手掛かりになるのだろうと直感で分かった。


 黄金の石を確認すると【 】スキル名が空白だったが、それは吸収した者たちの記憶や知識の情報が詰まっている石だった、スキルの詳細には(【種族統合】を使用した事で【種族統合】スキルが破損し、取得した全てを【 】に統合しました、【取得閲覧】と念じる事で一冊の本として出現させる)表示されていた。


 【 】に意識を向けると、手元に分厚い本が一冊出現した。


 裏にも表にも文字は無く真っ白いだけの本を眺めていると、表紙に目次の様な項目が浮かび上がる。

 【称号】【人物】【スキル】3つの項目が、黒い文字で浮かび上がり【称号】に意識を向けると、称号以外の文字が消えて表紙には【称号】の文字だけが残った。

 本を開くとそこには【神の代理人】【神の友人】【創世者】【魔王】4個の称号が記載されていた、称号が記載されてる下には、称号についての説明も記載されていた。

 【称号とは、神が古得ふるえ ゆうを差別化する為だけに、遊びで与えた飾りである】

 

 「古得 優が神の代理人で友人って事か•••」


 人物で古得の情報を確認する為に、一度本を閉じると、また表紙には3項目が浮かび上がる。

 【人物】を意識すると、先ほどと同じ手順で文字が消え本を開く、そこには1番上に古得の名前が記載されていた、古得のページを開いて閲覧をする。

 人物のページには、【詳細】【経歴】【知識】【スキル】の順番で記載られていた。


 【詳細】神によって転生させられた者、神の代わりに異世界の知識を使って構成をした、世界の創世者。神が古得 優の身体を作る際、吸血鬼で不老不死と要求した。

 【経歴】神が管理する世界を作る際、他の神が管理する【地球】から神力の半分を地球の神に譲渡する事で、古得 優の魂を得た。

 古得 優を得た代償に、神は管理する世界を鑑賞する事しか出来なくなったので、古得 優は神から全てを任されることとなる。

 古得 優は、地球の漫画を基準に魔力の概念を取り入れる様に神に提案をした、神が管理する世界の根本は神にしか出来ない為、古得 優の理想通りに作って貰いスキル【無からの作成】を授かる。

 100年後に、人類を1000人創ると告げると古得 優が名付けた世界【セカンド】に転生した。


 古得の経歴を読んだコウはそれ以上読む事が出来なかった、今の世界を一から築いた神に等しい存在を吸収してしまったのだから、冷静で居れる者など居ないだろう。


 コウは、本を閉じスキル部屋を後にした。


 リタの家の床に意識が戻ると、暗い部屋の天井を見つめ真っ赤な瞳から一筋の涙が頬から床に流れてた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ