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あなたの側で人となる  作者: 野鳩
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第17話 作られた者

 無知を知ったコウは古得の経歴を調べ事にした、どの様な苦労をして世界を作ったのか知る必要があったからだ。

 100年後に神から人類を送り込まれる事を知り、街づくりに取り組む古得を本で辿る。


 古得は神から貰った能力【無からの作成】を使い、異世界での知識で街を創り上げた、それは矛盾を魔法で補う物だった、古得も専門的な知識は無い為原理がわからない事が多いからだ、枯渇しない魔力とスキルでイメージした通りの街を無理矢理にでも作り続ける。

 壮大で生き物が自分しかいない世界で、何個かの国を作り観光などを楽しめるようにしたいと思い、知識の街ウィズダム・武力の街フォース・予知の街フューチャーと三つの大きな国を作った。

 知識・武力・予知と分けられた国には、住めば住むほどその国の特徴である能力が身につく恩恵を授かる事ができるシステムを作った、恩恵が無いと一定以上の能力が得られない様にする事で、留学や移住で国と国を繋ごうとしたからだ。

 10年程で理想の世界を作った古得は、動物を大量に召喚して世界に放っつ、そして人類が来るまで実際に街に住んでもらう為に魔族を大量に召喚して、街に住んでもらう事にした。


 3つの国に魔族を配置して街が廃れない様にしてもらう為だ、そして住んでみて改善点が無いかを知る為だ。

 数多くの魔族は古得の好みで、怖い者から可愛い者幅広く作った。


 衣食住を整えて魔族達の生活を見て問題がない事を確認したら、人類が作られるまで平和に過ごす事にする、海に魚を放ち空には鳥を飛ばし異世界で読んだ漫画の様な世界を創り上げた。


 100年が経った時、神からの声が聞こえた。

 「立派な世界ができた様だな」

 声の返事は念じるだけで可能な様だった、久々に聞く神の声は親の様に感じる安心感があった。

 「理想の世界を作りました」

 「では、人類を作るがどの様に配分するかね?」

 「三等分にしてもらえたら大丈夫です、そして余りの1人は私の奥さんとして頂ければ幸いです」

 「分かった、その様にしよう」

 神がそう言うと3つの国が黄金に輝き、大人から子供が作り出された、すぐに街に順応する為に知識を植え付けられた人々は、ずっとその土地で暮らしていたかの様に暮らし出す。

 「神様ありがとうございます、人類の世界は完成して少し観察したら、今ある魔族を全て別の土地に移し、魔族だけの世界も作ろうと思います」

 「古得は魔族として生きるのか?」

 「不老不死は目立ちますから、自分の子供をこの国で育てて大きくなったら移動しようと思います」

 「考えがあるならそうすると良い」

 「あと神様にお願いがあるのですが良いですか」

 「どうした」

 「人同士が魔法での争いを減らす為に、魔法に制限を付けたいのです」

 「考えはあるのか?」

 「人類には殺傷力がある魔法を使う場合、術式を経由しないと出ない様にして欲しいのです」

 「その様にしよう、魔族はどうする」

 「魔族は私が作り出した家族の様な者です、私が面倒見ますし大丈夫です」

 そして魔法の制限を付け、数十年後に独り立ちした子供を残して古得は魔族の世界を作りに、一から作り上げた国を離れる。


 人間住む世界を離れた古得だったが、数年に一度探索に訪れ治安の確認をする、もし争いが起きても手を出す気は無かった、争いをして発展する事もあるだろうと考えてるからだ。

 そして時は流れ、古得の奥さんが亡くなり神と会話する機会が増えた、雑談程度の会話をして友達の様に過ごしていた。

 そんな時間はいつまでも続かなかった。

 「古得よ、神の仕事が終わったのだ」

 「どうゆう事ですか?」

 「古得をこの世界に呼ぶ為に神力を失い、そこから世界の基盤を作る為に力を使ってきた私には、もう力が残ってないのだ」

 「消えてしまうのですか?」

 「消えはしない•••が、また数千年後には会える様にする、それまで待っていてくれ」

 「わかりました、より良い世界を作って待ってますね」

 その言葉を最後に神からの連絡は途絶えた。


 神の連絡を待ちながらも生活を続けていた古得だったが、神と会う事は無かった。

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