第1話 つまらない世界
こんな作品があれば良いのにって思った物を投稿します。
孤独なコウモリと生きる気力のない様に見える少女との物語
発展のしない世界を観察し続けて何百年になるのだろうか、周りの同族は寿命や病気でアッサリ死んでるのに、自分はなぜが死なないで生きている。
死なないと判る前は、生物としての本能のままに子孫繁栄を試みたのだが、自分が特殊個体なのかメスが全く相手にしてくれないので諦めた。
何もしないで1日を過ごすのも辛いので、魔力を鍛えて孤独な時間を過ごしていた、超音波に魔力を乗せたりして己の魔力量を増やす地道な作業。
「キュイーキュイー」
意味もなく声を出しても、鳴き声であって言葉ではない。
そんなある日、他種族に全く興味が無かったのだが、街中で生活する人間の生活を観察するのが趣味となった。
小さかった子供が成長し、働いて結婚して家族と幸せそうな日々を過ごして死んでいく。
コウモリの生活に比べて、自由で表情がコロコロ変わり楽しそうに見えた。
その表情の相手が自分だったら、どのような会話をするのだろうと妄想するのも楽しかった。
興味を持った人間の一生を数十人観察した頃、突然変化が現れた。
「一定の魔力量を獲得した事で、特殊スキルを獲得しました」
頭の中に響いた声は、戸惑う物ではあったが、不思議と心地良いものであった。
誰に教わったわけでもないのに、体内の魔力源に意識を集中すると、真っ白で広い四角形の部屋が見えた。
その白い部屋の中に、2つの青色の石が浮いていた、それが自分が所有してるスキルって事は感覚でわかった。
スキル【不老不死】【種族統合】の2個を所有してた、スキルを頭にイメージするとスキルの説明がわかった【不老不死】一定の成長に達すると、成長が止まり死なない身体になる【種族統合】自分が所持してる特性に関連する種族を強弱関係なく、強制的に吸収して己の力にする、吸収した中から欲しい物を選んだ物のみ取得。
世界を滅ぼすレベルのスキルだと実感した。
使う事の無いスキルだと思いながらも、使ったらどんな事が出来るのだろうと妄想してたら、退屈だった日々が楽しくなっていた。
ある日、日々の人間観察をしてたら、1人の少女に目が止まり、その子を追いかける事になった。
今までなら、楽しそうな人を追いかけてたが、その少女は表情も暗く、明らかに生きる事が辛そうな雰囲気をしていた。
人間は自由で楽しんでる生き物だと思ってたコウモリからしたら、なぜ、そこまで辛そうな表情で生きてるのか気になった、普段なら観察対象に近づかないようにしていたが、その時は咄嗟に近くに飛んで行ってしまった。
「死にたい•••辛い•••もう嫌」
少女は活力の無い小さな声でそのように呟いてた。
無気力で歩く少女は、今にも崩れそうな小さな家に入って行った。
ガラスは割れ扉もしっかり閉まらないような、廃墟にしか見えない家だった。
夜なのに家に入った後も灯りが付く気配も無く、人が中に居るとは思えない。
コウモリは今まで観てきた人間との違いに興味深々で目を離す事ができなく、疑問だけが浮かび上がる。
なぜ、このような生活をしてるのか、どのような環境で生活してるのか、少女が家から出てくるのを楽しみに待っていた。
極力読みやすい様に努力して、投稿しようと思います。