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第71話:流れ弾と大ヤケドは芸人じゃなくてもキツイ

第71話になります!




今回もよろしくお願いしますm(_ _)m


 明けて次の日。


 幾分ひんやりしながらもカラリとした朝の空気を吸い込み、伯爵家にいた時と変わらず私は朝の走り込みをするために侍女さんやメイドさんに場所を聞きながら修練場へ向かうと先客がいるのに気付く。


「おはよう、レオーネ!早くね?」


(せい)、おはよう。体は鍛えておかないと調子が出ないからな」


「ルーティンになっちゃってるよねぇ。筋肉は一度追い込んで鍛えたら休ませるのが正解だけど、柔軟は毎日やらんと保てないってのは聞いた事あるわ」


「そうなのか?」


 ストレッチで身体を解しながら筋肉トークをし、走り込みをする。


 いやぁ、五キロ走るくらい慣れたもんだ。今はガブリエラに教えたウォーキングと同じように緩急つけながら走っている。

 その後は五〇メートルダッシュを二十本。


 ウォーミングアップも終わり、呼吸を整えてからレオーネと組み手をこなすあたりになると、ちらほらと騎士達が修練場に出てきて私達の組み手を見学している。

 見たことの無い体術に興味津々の様子。


 ちらりと視線を巡らすと、皆別々な得物を持っていたり腰に佩いたりしているので、随分と騎士の概念が違うもんだなーと思ってみたり。伯爵家と公爵家の騎士達も同じようにしてみたけど、正解だったな。

 あのガントレット着けている騎士は何かウズウズしてるけど、とりあえず黙っとけ。


「キエェェェェイッ!!」


 気合一閃でフェイクで振り上げたカカト落としからの三連撃の蹴りで、ガードが上がったレオーネのガラ空きになった腹に食らわせて手合わせ終了。


 互いに向き合って「「ありがとうございました」」と頭を下げて礼をすると、何でか周りを囲まれていた。


 その時。


「アッ、アルラ様っ!レオーネ様!まさかもう起きていらしたとは…!」


 バタバタと慌てて走ってきたのは…ルドルフさんだった。


「あ、えーっと、お、おはようございます?すみません、勝手に修練場をお借りしてしまいました」


 私はレオーネと一緒に頭を下げる。

 うっかり伯爵家の感覚で行動しちゃったわ。イカンイカン。


「いえ…それよりも映像で見た体術とはまた異なる動きでしたね。アルラ様、本来はこちらの体術の方が得意なのではないですか?」


 ふぁ?!

 え?あの、ちょっと!?


「もしかして…ルドルフさん、アレ…見ちゃったんです、か…??」


 思わずカタカタと震えながら言う私に、ルドルフさんは「それが何か?」と言わんばかりに至極アッサリと答えた。


「勿論ですよ?陛下と未来視(さきよみ)様と一緒に拝見いたしましたが」


 アレが原因かよぉぉぉぉぉぉぉ!!


「丁度良いので、今いる騎士達にも見てもらいましょうか。訓練のヒントが見つかるかも知れませんし」


 クッソ…超イイ笑顔でにこやかに返され、早速騎士達に「今から流す映像はアルラ様がアヴァロンへいらっしゃった理由のひとつです。皆に提案、改善点を求めたい」と言うやいなや映像を流し出す。

 おい、個人情報の扱いわい!!


 伯爵家や公爵家で見てもらったのは理由ありきだったからあれは良いけど…今回のは違うと思うの、ワタシ。

 羞恥で恥ずか死にそうな私の耳に、騎士達のコメントがバンバン聞こえてくる。脳内では○コ動みたいにコメントが文字化されて凄い勢いで流れてるイメージよ。


 何、この地獄の時間。

 私…今何させられてんの?


 何年振りかの体育座りをし、羞恥で膝に顔を埋める私にレオーネがそっと手を置くも、何の慰めにもなりゃしねぇってぇぇぇぇ!


「驚いた、お前でもそんな恥じらう事があるんだな」


 うっわ、そのコメントがクッソ腹立つ!


 とりあえず魔力弾を玉転がしの玉サイズでぶつけてレオーネをブッ飛ばしておく。


 ようやく映像が終わり、騎士達が沈黙と共にこちらをゆっくりと振り向く。


 そして


「嬢ちゃ…姪御様、アンタすげぇな!カッコイイじゃねぇか!」


「何だあの技!?見たこと無いぞ!俺等にも教えてくれ」


「こんなちっこいのに身体強化を使いこなした上で不利を覆すなんて、グウィネス様の血だな!」


「魔法陣まで使いこなしてあの火球を生身で消すとは…グウィネス様とブリジット様の血脈はどうなってんだ?!」


「あんなアホ共をよく殺ってくれた!スッキリしたぜ!」


 いや、殺ってはいないんだけど…あの時点で身分差あったからね。勝手に殺れないっての。


 あちこちバンバン叩かれたり頭を撫でくられたりガックンガックン揺さぶられたりしていると「お前等、そこまでだ!令嬢にみだりに触れるもんじゃない」とストップを掛けたのは…誰?


「「「「「団長っ!!」」」」」


 ん?団長??


 無精ヒゲを生やし、サーコートを着た強面ダンディメンが止めてくれたけど…初対面やんな?


「確かに面白い技であった。が、先程あの黒髪の友人とやっていた体術とは異なる。


ルドルフの言う通り、先程手合わせしていた方が元から身に染み付いている体術だろう。…あれは仕留める為の体術だな?」


 悲しいかな、身長差があるせいで見下されるというよりも睨まれてると言うのがピッタリな視線だが、本気のメンチ切りとかでは無いので怖くはない。

 私は団長に向き合い、カーテシーの代わりにボウアンドスクレープで礼をする。


「騎士団長とお見受けいたします。私、エクサルファ国より参りましたアンブロジア伯爵家が一女、アルラ・エールー・アンブロジアと申します。


確かに先程友人と手合わせしていた体術は我が家に伝わる徒手空拳でございます。祖父より伝授されました」


「…顔を上げてくれ、アルラ殿。そうか、貴女がグウィネス様やブリジットの子か。


 体術が得意なのであれば…強さを求めるのならば、其方の祖母にあたるグウィネス様に稽古をつけてもらうのはどうだろうか?」


 その言葉にルドルフさんは「その手がありましたね!」と声を上げる。


「グウィネス様は稀代の魔術と武術の使い手です。あぁ、すっかり失念しておりました!早速陛下にお知らせせねば!!」


 そう言うとルドルフさんは忙しなく走り去って行く。

 え、ちょっと、アナタ何しに来てん?!ただただ私が大ヤケドしただけじゃん!


 んで、グウィネス祖母様、そんな情報聞いてねぇんだけどもよぉぉぉぉぉ!!姐さぁぁぁぁぁぁぁん!?

 一石二鳥っちゃそうだけど、絶対生傷だけじゃ済まないよね?!


 思わず魂が飛びかけた私は頭を優しく撫でる温かで、無骨な手で意識を引き戻される。


「あ〜…まぁ、何だ、俺にも責任があるよな…すまん。


 俺はアヴァロン右翼騎士団団長、アルバ・イッツェル・エイダスだ。何かあれば相談に乗ろう。せめてもの詫びがわりだ」


「…ありがとうございます、団長様。何か私、情報量過多で頭の中がとっ散らかってますが、それでも五体満足でいられないような気がしておりますので…早速頼る事になるかと」


「う、む……すまん」


 私の言葉で団長さんがカチンと固まった気がするが、この人もグウィネス祖母様に可愛がられたクチだろうなー。


 ひと筋縄では行かない予感、いや確信でテンションがダダ下がりしていると


「もう、君達だけで朝から何を楽しそうな事をしているんだい?僕もガブリエラ嬢も置いていかれて寂しいじゃないか」


 上から声がして―――――――――


 朝日を受けて更に神々(キラキラ)しさを増し、淡く光る蝶の羽を生やした魔導王と魔導王に抱えられたガブリエラがゆっくりと、気絶したあの少女みたいに舞い降りてきた。


あれ、コレ、親方呼びにいくやつ?



久々の名古屋出張で、某手羽先を山程堪能してきました(^_^;)

やはり名古屋めし美味い♪


戻ってきたら冷え込みがヤバくてビックリ。

皆様も暖かくして下さいね。



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今回もお読みくださいましてありがとうございましたm(_ _)m



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