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第64話:アヴァロン到着

第64話になります!




今回もよろしくお願い致しますm(_ _)m

 艦内に戻り、私達を待っていたガブリエラは姿を確認すると泣きそうな顔をして駆け寄り、抱擁してきた。

 「どうっ!!」と私から変な声が漏れるもぎゅうぎゅうと強く抱きついてくる。


「しっ、心配したんだからね?!あんな大きくて強そうな竜にっ、武器も持たずにっ…(せい)は勝つって言っ、言ったけど……」


 私の頬にポタポタと温かい雫が伝わり落ちてくる。


 あー……何かごめんね?


 不安で仕方無かったよね。泣かせちゃってゴメン、ガブリエラ。ましてや初めて見る、遭遇するモンスターだ。蝶よ花よと大事に育てられた令嬢にはさぞや死を連想させる程に怖かっただろう。

 私はガブリエラの背中をさすりながら謝罪する。


「ごめんね、ガブリエラ。心配だったよね。でも私は約束を守ったよ?ガブリエラを守り切るまで死なない。私は強いから死なない。


ガブリエラとの約束は――――――私とアルラの約束だから。私達は違えない。」


「そうだぞ、ガブリエラ。これはコイツが食欲と素材に目が眩んだ結果だからな。それにコイツがあっさりやられる所が想像出来ん」


 レオーネもガブリエラの頭を優しく撫でながらビミョーに私を褒めて貶すフォローを入れる。


「やらかしは私の標準仕様です♪」


「褒めて無いからな?!ちょっとは懲りろ、お前ぇぇぇ!」


 いやどす☆

 やりたい事やるのが私の主義なのに、それ曲げたら楽しめないじゃん?リアルモンスター討伐も面白いしさぁ。

 しっかし…人相手ならともかく、モンスター相手に素手喧嘩(ステゴロ)は厳しいわな。竹の槍と布の服で魔王に挑むあの国民的ゲームよりヤベェじゃねぇの。もしくはヤ○ザのカチコミの現場に運悪く居合わせちゃった一般人の状態だったし。流石のリアルブロディだってナイフでお亡くなりになってもうてるし、鎖であのトカゲは仕留められんわなぁ。

 ただ、オーバーテクノロジーではあるが、このアリエルに搭載されている大口径ビーム砲と超電磁砲の存在があるって言はさ…銃が作れるんじゃね?ちょびっとミリオタ&サバゲーやってたから構造はわかるし。RPGとは言わん。某マグナムや砂漠の鷲レベルのは作れるんじゃないかとね。


 ようやくガブリエラの涙もおさまり、宥めるのも終わった所で、私達は再びラウンジへと移動すると私は「ちょっとお花摘んでくるね♪」と断りを入れ、ひとりトイレへと移動し、鍵をかけるとポーチからポーションを三本取り出し二本をグイッと煽ってからもう一本を手袋を脱いで両手に掛けた。


「……()っつぅ~!やっぱ神様の呪符はちゃんとレベル上げないとダメだなぁ…とりあえず命があって良かったけど」


 虎の子の雷撃呪符は上位の神の力と命令を載せているので、それを扱う自分のレベルが低いとバックラッシュで自分がダメージを喰らう。それこそ最悪は死ぬレベル。竜の肉焼く前に、私の手がこんがり焼けてしまうダメージと筋肉、内臓にちょっと影響するダメージを喰らった。あの『剛雷』の神は「雷公」なのでさもありなん。実際ぶっつけでやってこの威力とバックラッシュダメージはマジ怖ぇ。HPゲージがあって可視化出来るなら、確実に8割持ってかれてるもの。


「まぁ、『剛雷』のおかげで雷魔法にひとつ追加されたと思えば、アルラの武器にもなるしいっか」


 私がアルラとして行った事は正しくアルラ本人にフィードバックされる謎仕様も、今となっては有り難い。

 本当に虎の子の手段なので、今回みたいな事になるのはマジ勘弁願いたい。


 自分のレベル上げるのもアヴァロンならば何かしらヒントがあるのでは?と思っているけれど。次元上げるよりもムズいわコレ。


 洗面所の鏡でおかしな所や焦げている場所は無いか確認し、そのままトイレから出ると何故かルドルフさんが待っていた。


「ルドルフさん、何故こちらに?」


 私が疑問に思って質問すると、何でか痛ましそうな表情でルドルフさんは「失礼致します、アルラ様」と私の手袋を脱がし、裏を確認した。


「アルラ様…この怪我は先程の雷撃によるものですね?高位存在の気配を感じましたから相当の痛みだったのではないですか?」


 ジト目で見られるも、私はすいーっと視線を逸らしながら"何でバレたよ?!"と内心焦りまくる。


 またも盛大にため息を吐かれつつ「…ご友人方に心配させたくない気持ちは理解出来ますが、こんな無茶をするとは私共にも責任があります」と言われたが、私は瞬時に「それは違います!」と真っ向否定した。


「あのトカ…飛竜はルドルフさんも想定外の招かれざる客だったのでしょう?私は自分が持てる知識と手段で対応したに過ぎませんし、ルドルフさん達に何かあっても私はアヴァロンの国王陛下に顔向け出来ません」


 そして、と続けて私はルドルフさんに語り続ける。


「あれは食材にも素材にもなるのでしょう?であれば、狩らない理由は無いのですよ。アヴァロンならば良い武器防具が作れますでしょうし」


 うふふ、と姐さんによく似た笑みをルドルフさんに向けるとルドルフさんはやれやれ、と言う風に「そこもブリジット様やグウィネス様によく似ておられる…血筋でしょうか。わかりました。あの飛竜はアヴァロンにて上質な薬や武器防具に加工いたしましょう」何か少し諦めというか呆れの滲んた様子で言われた。

 そうかそうか。姐さんも祖母さんも似たような事をしていたのか。じゃじゃ馬気質は血統なのかい。姐さんは未だに優雅に微笑みながら敵をビッシバッシとシバき回すからナー(棒)激しく同意するわ。


「すみませんがよろしくお願いしますね♪


あ、あと…この(ケガ)は内密に願います」


 上目遣いで口元に人差し指を当て『しーっ』とあざとさ満開ポーズを取るとルドルフさんは苦笑し、「そんな所までそっくりとは…我が王の血筋は侮れませんね」と気になる事をのたまった。


 同じ血筋、それもかなり近いと思われるから……Oh……姐さん以上に油断出来ん人物と思われる。なんてこった。

 まぁ、姐さんから報告も行ってるだろうし今更か。ならば全て向こうは知っている前提でブチ当たったほうが良いだろうなぁ。下手に隠し立てしても精霊からチクられたら、ねぇ?


「では私はラウンジに戻っておりますね」


 ルドルフさんに断りを入れ、私は元来た道を戻りラウンジに入る。


 アヴァロン産の紅茶を楽しみながらガブリエラやレオーネから「飛竜の初期動作が何故咆哮だと知っていたのか」や「あの音楽は何で聞こえたの?!」やら質問攻めに遭い、懇切丁寧に回答しながら時間は過ぎ『魔導国アヴァロン、王都上空に到着しました。これから着陸態勢に入ります』とのアナウンスでラウンジの窓から外を見る。


 ―これ、が…魔導国アヴァロンっ…!!


 精霊達が至る所に存在し、キラキラと傾き始めた太陽に反射するように煌めきながらあるモノはあちらこちらとふわふわ漂い、またあるモノは飛行船アリエルに集まり一緒に並走しながら楽しげに飛びかい、木々や大地そのものも生命力に溢れ、枝葉を伸ばし青々と草花や果実を茂らせ、実らせている。

 更に眼前に迫る王城らしき建物は限りなく透明に近い物質で外壁を覆った、大小様々な塔を備えた優美で壮麗としか例えられない己の語彙力をぶん殴りたくなる程の美しさを誇っている。


 私達は無言でその光景に魅入っていた。


 涙がひとしずく、ぽろりと零れ落ちる。


 言葉が、無い。いや、今は無くても良い。体感で感じた事そのままを心に染み込ませ、刻む。

 地球でもこんなに美しく、心を打つような景色があるだろうか。まさしくこの国、この地は精霊や高位存在によって祝福され、護られた地なのだ。


 ドンと軽い振動が起き、それを合図にエルフのお姉さんが「無事に到着しました。それでは先程の搭乗エリアまでご移動をお願い致します」と案内を務め、私達は涙を拭いてからそのままタラップを降りると目の前には―――――――――


「おかえりなさいませ。


そしてようこそおいで下さいました、アルラ様、ガブリエラ様、レオーネ様。我々魔導国アヴァロンは貴女様方を歓迎いたします」


 そう告げ、深く腰を折るルドルフさんとエルフ達、それにドワーフや獣人族、ハーフフットやオーガ、吸血鬼族等、様々な人種や種族、妖精族が頭を垂れていた。


星に負けず劣らずのトラブル呼び込み体質なのか、うっかりなのか…作業用に流しているつべの心霊系、ホラーゲーム実況で呼び込んでしまったらしく、家族でも守りが弱い祖母が大変な事になりました(滝汗)

家中自分で祓いまくって何とか良くなりましたが、お気をつけ下さいませ~!!



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今回もお読みくださいましてありがとうございましたm(_ _)m

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