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第29話:社畜は進むよ、強制的に

第29話になります!




今回もよろしくお願い致しますm(_ _)m

 私達が同盟を組み、キャッキャウフフ☆と戯れていた横で大人組の話は大詰めを迎えていた。


 「…では、そういう流れで進めましょう」


 「私は陛下に報告もしておかなければならないね。上位貴族は勝手に国外には出られないから面倒なものだよ」


 「仕方ありませんわ。カンバネリス公爵家もアンブロジア伯爵家も特殊ですから、動向の把握をしないと王家も安心出来ないでしょうし」


 「少々やり過ぎかも知れませんが、アヴァロンの叔父様にお任せすれば、(せい)やガブリエラ様ももっと羽を伸ばせて成長するかも知れませんわね。何せ、許可無き者は入れませんので、影も侵入は不可能ですわ」


 「ガブリエラの成績は上位5人内に入っているが、アルラ嬢の成績はどうなんだ?」


 「アルラは3位以内から落ちた事は無いぞ?魔法学や薬学系は講師の手伝いもしているから免除されている」


 「(せい)が試験を受けるんだが…(せい)の学力はどうなんだ?」


 「「「「あ。」」」」


 「あ。」ジャネーヨ。

 それ、一番肝心なトコだからな?!


 一応、Fラン大学卒業だが旧帝大大学院に編入出来る資格はあるんだぞぉ?

 数学系は壊滅的で必須科目落とした事あるけどな!これについては小学校の時に理不尽暴力教師に、ありえ無ぇ教え方を3年もされたせいだ。思い出したらムカついてきたわ。教師運はゼロか100の極端だったなー。


 苦虫を噛み潰したような顔で大人組を見る私の隣でガブリエラがフォローを入れる。


 「アルラの記憶も引き出せるようですから、学力については問題無いかと思いますわ?(せい)も向こうでは学校に通っていたのでしょう?」


 「そうですね。学園より更に上の教育機関に進学しておりましたし、専門資格も取得しております」


 大人組が驚いているが、日本て昔から教育レベル高いのよ?

 江戸時代なんて寺子屋があったから、農村部以外の識字率は高かったし、奉公に出てきた田舎の子も読み書き算盤は習わされたし。吉原の花魁なんかは芸道まで追加されてたから更に高かった。「大名道具」と呼ばれる位に。


 「私の国の言語は“ひらがな”、“カタカナ”、“漢字”の3つの要素を以て成り立っております。世界の中でも難解と言われる言語を普段使いしていますね」


 紙とつけペンで自分の名前とお仕事ネームをひらがな、カタカナ、漢字でサラサラと書き、皆に見せると驚かれた。

 縦書き、横書きも出来る言語なんざビックリだよね。


 外国人に「悪魔の言語」と言わしめ、表現力は抜群に図抜けている日本語だぞ?これに喋るとなると、方言まで追加されて更にカオスなんだぜぇ?


 「(せい)、お前…そんな事ひと言も言ってなかったじゃないか」


 ガックリした様子でエル兄が言う。


 「すみません、言う機会がございませんでした。

 異世界と言えど、国や個人によって習熟度も違いがありますし説明が難しいもので」


 ちなみに性女(べんじょ)も同国人ですよ?と言うと、「そう言えばそうだった…」と更にガックリされた。

 デスヨネー。私も恥ずかしくてしょうがないよ。

 ああいうタイプって他人に責任転嫁するから、面倒臭いのが多くて厄介なのよ。解決方法は至ってシンプルなんだけどもさ。


 「では、こうしようか。


 3ヶ月。3ヶ月でガブリエラと(せい)は飛び級で学園を卒業しなさい。卒業だけでなく、これは準備も含むからね?」


 にっこりと笑いながら、公爵様は指を三本立ててこちらを見る。

 …殺す気ですか(汗)頭の中でフローチャートと優先順位、それに伴うタイムテーブルが忙しなく書き換えられていくのは社畜の悲しい性質か。


 ガブリエラを見ると、こちらもにっこりと「頑張りましょうね、(せい)!」と微笑まれながら言われたよ。


 み、味方がいねぇ…。


 そんな私の肩をポンポンと叩くレオーネは「やれば出来ますよ?3ヶ月もありますから」と言うが、そのセリフ、今聞くとひたすらムカつくなぁ?!

 コメカミに青筋がビキキッ!と浮かんだ私は悪くない、うん。


 あ、忘れてたわ。


 「姐さ…奥様、よろしいでしょうか?」


 私はそう言って姐さんに許可を求める。


 「何かしら?」


 「アヴァロン行きについてですが、レオーネさんも同行させたいと思いまして。

 度胸もありますし、騎士科貴族科同時履修されていて成績も良いですし、何より強い。私のフォローにも入れますから3人なら連携が取れると考えました。如何でしょうか?」


 そうそう、レオーネはアヴァロン行きの許可が出てなかったって言うか、聞いてなかったのよね。

 これは是非ともねじ込みたい。


 主に私の為に!


 「そうねぇ…帰ったら叔父様に連絡しておくわね。多分大丈夫だと思うわ?こちらのレオーネ様も…ふむ、事情がおありのようですし」


 そう言うと姐さんはレオーネに向かい、にっこりと微笑む。

 よっし、これでレオーネもアヴァロン行きがほぼ確定したな。試験で一緒に苦労しようぜぇ?


 「すまない伯爵夫人、少し良いだろうか?」


 あっ!と思い出したように公爵様が姐さんに声を掛けた。


 「何でしょう、公爵様?」


 「実は…あの騒動の映像を我が公爵家の使用人や騎士達にも見せてはいただけないだろうか。間違った噂を聞いている者もいるし、真実を見せて理解してほしいと思ってね」


 あー、なるほど。

 この国にはカメラ的なものが無いから噂が頼りなんだっけ。そら間違った噂聞いたりしたら真実がネジ曲がるし、忠誠心にも関わるわな。


 「大丈夫ですわ。いつお見せしたらよろしいかしら?」


 「出来れば直ぐでも可能だろうか?30分もあれば全員集めよう」


 「承知致しました。では、伯爵家に使いをやって魔道具を持ってこさせますわ」


 公爵家の家令と伯爵家の従僕が其々に動き出し、姿を消す。

 30分もしないうちに魔道具は公爵家へと届き、セッティングしている間に使用人一同と騎士達が公爵家の広い玄関ポーチへと集結する。


 うん、規模は違うけどデジャヴだな。


 伯爵家(うち)とは構造が違うが、公爵家と伯爵家が大階段の踊り場に移動し、使用人達を体ひとつ分上から見下ろす位置に立ち、姿勢を正すと公爵様が持っていたステッキを床に打ち鳴らす。


 それは思っていたよりも甲高く、キィーンと澄んだ音で響き、耳を打った。


 「皆、忙しい中済まない。今日はアンブロジア伯爵夫人の協力の元、ガブリエラに起きたデビュタントボールの事実を皆に見てもらいたいと思い、招集した。

 まだ2日しか経っていないが噂は既に出回り、真実ではない話も散見される。なのでこれを見て、聞いて、真実を知って欲しい。


 …アンブロジア伯爵夫人、頼む」


 「畏まりてございます、公爵様」


 姐さんは以前同様、前へと歩み出、精霊を呼び出して魔道具へと封入し、音声用魔道具と一緒に起動させると半透過スクリーンが空中に出現し、あの婚約破棄が映し出される。


 伯爵家(うち)ん時ほどざわめきは無かったが、その代わり…怒気がヤバい。

 チビるかと思ったよ、マジで。前にいてる乳母っぽいお婆ちゃんまでがス○ラおばさんから山姥になるんじゃないかって気迫垂れ流してるわ。

 それっぽく偽装してはいるが、公爵家の影の皆さんも怒気と殺気で気配が隠せてない。ちょ、コントロールしよっか?


 知らん人がいきなり入ってこようもんなら、まず間違いなく泣いて漏らすか失神すんなぁコレ。


 レオーネ、上手い事怒気を中和してガブリエラに影響無くしてくれてる。良い仕事すんなぁ。やっぱ連れてく!


 後は目線だけであちこち観察していると、場面は私の乱入シーンになり、途端に怒気が霧散した。


 …ですよねー!

 わかってるから何も言うな…。


 そこからの一方的な大立ち回りに、教育が行き届いた筈の使用人達も目を見開きながらスクリーンを食い入るように見、時折拳や足がピクッと動く。

 わかるわかる!プロレス技とか見てると思わず動くよね!大いに同意するわ。


 最後、元第一王子(ナサニエル)を沈めたシーン(ウ○コ漏らしもバッチリ!)と性女(べんじょ)成敗シーンからの退場シーンでは伯爵家(うち)と同じように拍手喝采と大歓声、アルラコールが巻き起こった。


 ご近所迷惑になるから止めてぇぇぇぇ!!


 ちょいちょい「あのご令嬢が『断罪の天使』…」「白い戦乙女だ…」とか言うなぁぁぁ!手前(テメェ)等、ヤンキーか厨二病かよぉぉぉぉぉ!!夜露死苦ぅ!


 羞恥に耐えられず、耳まで真っ赤になり顔を覆う。


 そりゃそーだよ!何の拷問だ!!ものっそい恥ずかしいわ!

 ダッシュで逃げ帰りたいぃぃぃぃ!!


 真っ赤になり、恥ずか死ぬ寸前の私に気付いたガブリエラとレオーネがススッと移動して来ると、ガブリエラはそっと私を抱き寄せ、レオーネは「さっきのお返しだ」と頭をワシャワシャと撫でる。


 その気遣いがありがたくて、心地良くて、少し擽ったいけれど「ひぇ、止めっ、髪の毛がぁぁ!」と、ちょっとだけ照れ隠しを。


 今はこれで堪忍してな?




久々にイベントで棒パン焼いて食べましたが、美味進化してますね~!



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今回もお読みくださいましてありがとうございましたm(_ _)m

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