第26話:マ神、降臨
第26話になります!
よろしくお願い致しますm(_ _)m
謁見の間から出て直後の事。
情けない事に私はソレを感知する事が出来なかった。
ーーっ、しくった!!
ガブリエラだけは守らなくちゃ!
襲いかかるソレを視認した私は間合いに入れないよう、ガブリエラを背後に庇いつつ風魔法で空気の壁を発動させた。イメージはエアカーテンのエゲツない版。いや、スカイダイビングの室内練習機と言った方が正しい。
襲撃者は避ける事も出来ず、サイクロン並みに吹き上げる強風に巻き込まれ「ふぼっ!!」と間抜けた声と共に天井に張り付けになる。
バラエティ番組でよく使う巨大扇風機だと平行に風が吹くから調度品なんかに被害出そうじゃん?賠償金怖いし、だったらピンポイントで天井に飛ばした方がまだお財布に優しいわ。
ど~れ、何処の何方か存じませんが面を拝ましてもらいましょうか?
…ん?誰だ??
空を飛べる程の強風に吹き付けられて、顔の肉はあちこちに歪み、白目を剥き、口の中にも風が容赦無く吹き付けるせいで歯茎まで丸見え。
顔の原型がわからんwww
マジでよく見る強風リアクション芸!!
何だよ、世界超えてもリアクションは一緒なのかよw
頭の中に「?」を浮かべていると、エル兄やルーカス様が「嘘だろ?…何してんだアイツ…」とがっくり床に膝と手をついた。
ん?んん〜?!
アイツか!ド変態野郎!!あのロイヤルマリンブルー色のマント?っぽいの、あれ、そうだろう!
うっわ…何しに来やがったんや(汗)
ってか、その面よw
その表情、今すぐお前に恋焦がれている国中のご令嬢方に晒してやりてぇぇぇぇ!
百年の恋も秒速で粉々に砕け散るであろうよ。うんうん。
心底嫌そうな顔しながらも、こみ上げる笑いに抗えず口元をニヨニヨさせている私に姐さんから投げられた扇子がスコーン!とクリーンヒットする。
痛いよ、姐さ〜ん!とカ○オ君みたいな事を言ってみたが、「貴族令嬢らしく!」と逆に窘められた。サーセン。
それよりもド変態、どうすんの?
何か「wあtあshいtおk○*$%…!!」とか叫んでるけど…あのままじゃダメかな?
「星、アレは降ろせるのかな?出来れば降ろして欲しいのだが。」
おや、公爵様は降ろして欲しいのか。でもなぁぁぁぁ!個人的にはごっつ嫌ですねん。
「…降ろせますが、制御出来ませんのでそのまま叩きつけられるかと。」
「それでも構わないよ。」
「では、そのように。」
よっしゃ、言質取ったからね!
魔法を解除した瞬間、重力に従ってド変態が落下してきた。間髪入れずにエル兄とルーカス様がド変態をがっちりと拘束。腕を捻り上げ、背中で極めている。
…出来るなら、肩口を膝で体重かけながら押さえておくと起き上がれなくなるんで安心なんだけど、これは後日教えておこうか。
拘束されたド変態は顔を上げると私を見てにっこりと笑うと「アルラ嬢、またお会いしましたね」などと抜かしているが…お前さぁ…
髪の毛ボッサボサで、鼻血だくだく流しながら言われても、全く響いてこねぇよ!?
ご令嬢が見惚れるキラキラしい男前?が台無しじゃん(笑)
そこまで笑かしたいのか。いや、こんなんじゃ笑えないわー。さっきの顔面リアクション芸のほうが笑えたわー。残念。
スン、と表情が抜けた顔になる私を見てド変態は「あぁ、私に再会出来て言葉も出ないのですね?可愛らしい方だ」と的外れも甚だしい事を抜かしやがった。
わお!ポジティブシンキーン!!
そんなクソみたいなポジティブなんぞ捨てちまえ!はた迷惑じゃ!!
「この方…これが素なんですか?!もう怖さしか感じないんですけど!」
公爵様も多少引きながら「残念ながら、ね。ただ…これはいつもより酷いと言うか突き抜けたと言うか…」と言葉を濁す。
ちょっと?!そんなん野放しにすんな!
「個人的にはお近付きにも、顔見知りにも、何よりも少しの接点も持ちたくないタイプなんですが。」
「すまない。これでも魔法師団副長だからね。…少しだけ付き合ってもらえるかい?」
ふええぇぇ…逃げてぇぇよぉぉ…。
「さて、クラウス魔法師団副長、君は魔法師団に戻っていたはずだが、何故ここにいるのか伺っても?」
公爵様の問いにド変態はドヤ顔で「え?アルラ嬢と是非お話を、と思いまして。先程はご挨拶しか出来ませんでしたから」と抜かしやがった。
貴族社会の常識、どこ行ったんや。お前、仮にも嫡男やろがい。
「でも、アルラ嬢にまともな挨拶も名乗りもなく受け入れられると思ったのかい?彼女は君を警戒しているようだけど」
「彼女は引っ込み思案だと聞いておりますから、恥ずかしかったのでしょう。私はそこを乗り越えて受け入れて欲しかっただけですよ?」
「それこそありがた迷惑なのではないかな?君が昔、アンブロジア伯爵家で起こした騒動を忘れた訳でもあるまいに。反省と言う言葉は無いのかね?」
「未知の魔法、魔術の探求が私の道ですよ?求めて何が悪いのですか?」
悪びれる様子も無く、ニヤリと笑ったド変態に気持ち悪さが止まらない。
これ、完全にマッドサイエンティストの思考じゃん!うわぁ、捻り潰してぇぇ!
「ふんっ!」とド変態が気合いと共に身体強化を発動させ、拘束を解くと同時にこちらに飛び出してきた!
身体強化は騎士や闘士をはじめ、取得しようと思えば誰でも出来る。このド変態が取得していても不思議ではないが…威力が私並みにある。
ヤベェ!対処が遅れ…っ!!
ド変態はそのまま低姿勢のままこちらへ突っ込んでくると…
「アルラ嬢!是非私と結婚しましょう!!」
と言いながら私の腰に抱き着いてきた!!止めろおぉぉぉぉ!汚ぇ鼻血がつくだろうが!
「ぎぃやぁぁぁぁぁ!嫌や言うとるやろがっ!このド変態がぁぁぁぁ!!」
負けずに身体強化を発動させ、高速でエルボーを連打連打連打っ!!更には左右からドン・フラ○のように拳を連打で叩き込み続けるもホールドが外れず、焦り始める。
コイツ…魔法使いなのにタフ過ぎひん?!こんだけ脳揺さぶってんのに倒れないとかマジ変態だろおっ!
雷魔法を使うしかない!と決意したその時、意外な伏兵が立ち上がった。
「この馬鹿が…っ!」と言うやいなや、ド変態の両腕を掴むとミシミシと音を立てながら強引に剥がし、後ろに転がすと両足首を掴みそのまま「はあっ!」と振りかぶり、ビターン!と床に叩きつけた!
叩きつけられた床はピシピシと音を立て、蜘蛛の巣状のひび割れが出来ている。
おぉおぉぉぉ…!!
伯爵ぅぅぅぅぅぅ!
そのゴリマッチョが、遂に真価を発揮した。
マッスルの神、マ神が降臨した瞬間、私は歓喜のコールを上げた。
昨日から歯痛に加え、頬まで腫れてきて頭もぼんやりしてきたので投稿出来ませんでした(T_T)
本日、歯医者に言ったらレントゲン見て「5年タイマーだな」って笑ってましたけど、笑い事じゃないよ?!
しかも神経2本あるとか珍しいパターンだった様子。
そしてポイントとブックマークが寝込んでる間に増えてました!Σ(゜∀゜ノ)ノキャー
ありがとうございますっ!貴方のお陰で治療に耐えられましたっ!!
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今回もお読みくださいましてありがとうございました!
 




