第25話:収束と襲撃
第25話になります!
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カンバネリス公爵家、アンブロジア伯爵家、レオーネさん、そして貴族達は台座におわす陛下を何も言わずにじっと見つめる。
失望させるなよ?
犬軍団は無視だ、無視。陛下直属の、実力で選抜された近衛騎士がこの場にいてるから何命令されようが聞かないし、やらかしたら制止するだろう。
やんなかったら給料泥棒だよ。オマワリサーン!!
既に顔色真っ白の陛下だが、為政者としてちゃんとケジメをつけないとならない事は理解しているだろう。
製造元責任は取らなくちゃね。
静かに、そして薄い刃で刺されるような雰囲気と視線の中、ようやく沈黙を解いた口が言葉を放った。
「第一王子ナサニエルよ…余はそなたに自室での謹慎を言い渡していた筈。何故側近共と一緒にここへ来た?
更にはガブリエラ嬢に対する越権命令とは…たかが第一王子の身分でよくこんな真似をしたものだ。」
「父上っ…それは、不当に扱われた聖女ロレッタへの「黙れ。」…ぐっ!」
「公式の場では陛下と呼べ、と言っている。
王族は何をしても許される存在ではない。間違った事をすれば謝罪もするし罰も受ける。立場に見合った責任と能力を求められ、それを実行するからこその権威である」
「私は公務も学園でもきちんと己が職務を遂行しておりました!」
「ほう…影からの報告にはお前の公務も学園の自治会も、ガブリエラ嬢が肩代わりしているとあるぞ?
ガブリエラ嬢に押し付けておいて、お前は聖女候補の男爵令嬢と遊び歩き、あまつさえ王宮にしょっちゅう招き入れて享楽に耽っていたようだな。ガブリエラ嬢に充てられた費用の使い込みも発覚しておる。
それで職務を醸していたなどと、どの口が言うのだ!」
「何でバレた!?」みたいな面してるけど、腐ってもまだ王族だぞ?お前。影付くに決まってんじゃん。
書類仕事だって筆跡が違うんだから、即バレ当たり前、文官は優秀なのが前提だから直ぐわかるやろ。公式文書だから証拠としても残るしな。
真性の大馬鹿野郎だな。
「王族に、馬鹿は要らぬ。現に未だ反省もせず愚行を重ねる貴様が王族として相応しい訳が無かろう。
見よ、周りにいる貴族達の目を」
己を、そして側近達を見る貴族達の目は冷たく、もはや値踏みするようなものも感じない。“蔑み”や“失望”、“嘲笑”を含む視線が物言うように雄弁に、思惑を乗せて突き刺さる。
「くっ、何だ貴様等!王族に対してたかが貴族でしかない貴様等のその態度は!不敬であるぞ?!今すぐ止めよ!」
第一王子はその視線に狼狽えながら言うも、無駄吠えと一緒である。
何ぼイキってそんな事言っても、誰も聞きやしないしガブリエラを通して貴族達をも侮辱する発言や行動をしたからな。
誰もお前達を庇いやしねぇよ。諦めろ。
「これが、貴族達の総意である。反省の無いお前に矯正は期待出来ぬ。
故に…お前は、王族から除籍する。然るべき処置をした後で、件の男爵令嬢と婚姻するなり何なりするがよい」
厳しくも、当然の処分が下された。
それに追従するように犬軍団の家々も処分、降爵となった。
「グラント侯爵家、承知致しました。
私は宰相職を辞し、息子アイザックは廃嫡とし、法に則り処罰を」
「キャンベル公爵家、承知致しました。私は長男へ家督を譲り隠居致します。息子ザカリーは廃嫡の上、法に則り処罰を」
「クラム伯爵家、承知致しました。私は騎士団総長を辞し、家督は長男へ、息子ジェイデンは廃嫡の上、去勢しカランコム城塞へ送ります。」
「バンクス家、承知致しました。息子ハーレイは商業ギルドから永久除籍、放逐致します」
ちみっこの家は平民で国とは関係無い商業ギルドだから、処分は国外追放で済むみたい。親はギルド長だから、後々会議にかけられて処分が決まるらしい。
とりあえず貴族相手の商売、商談があるのにケンカ売って処分下された危ねぇ商人を何処も雇わないし、商人ネットワークで通知されるからフリーで商人やっても国を渡り歩く行商人くらいかね?坊っちゃんに出来るかな。
「さて。聖女候補の後見たる教会よ。そちらはロレッタ・マリラ男爵令嬢を如何する?大司教、意見を聞こうか」
ずっと震えっぱなしの、上等な法衣を着た大司教が立ち上がり恐る恐る手を上げ、答える。
「あ、あの…本国からの通達が、まだ…ございませんで…聖女候補、の身柄は本国、の…大聖女様の管理下にある、ものですから…」
距離あるから仕方無いとは言え、トラブル対応マニュアルも無ぇのか。
呪いの神具とは言っても神から神託やらアイテムを授かってるし、扱いに困るんだろうな。
まぁ、性女のやらかしは平民も知る所であるから、擁護の声は無いっしょ。アイツ、マジ何してんだよ。
「ならば、処分が決まるまでこのまま牢へ入れておく。近衛よ、牢の警備を増やせ。何人たりとも入れてはならんし逃してはならん。
そうそう、マリラ男爵よ。そなたの処分だが奪爵する。疾く明け渡すがいい」
謁見の間の隅にいた、脂ギッシュでビール腹した貧素な髭のオッサン、あれがマリラ男爵か。
物申したくても、両側に近衛騎士がいるから無理やろな。製造元かつ監督不行き届きだから役満でアウトは当然じゃん。教会預かりになっていたとしても奪爵って事はさ、この男爵は無能か有害判定なんじゃなかろうか。
脂ギッシュが更に脂汗で、ハイライト入れるの失敗したテラッテラ状態に光ってんぞ?
いやぁ、やらかした結果が結果だけにかな〜り厳しい処罰食らったね。
この決罰は割と妥当かな〜って思うんだけどもさ。
「そんな…っ、父、陛下!除籍などと!」
「は?宰相を辞す、る…?侯爵家が降爵?そんな…」
「何で親父が総長辞めんだよ?!おかしいじゃねぇか、どう考えても!しかも何で俺がカランコム城塞に行かなきゃなんねぇんだよ!」
「黙れっ!!」
キャンキャンと吠える犬軍団に陛下の一喝が飛ぶ。
「己が罪、何が悪かったのかを自覚・反省しておらぬからの決罰だ。
ゲームや試合にもルールは存在している事は知っているな?お前等はな、そのルールを破ったからこそ罰を受けるのだ。
お前等の家はルール破りをしたお前等の責任を取る形で罰を受けるのだ。…勿論、王である余も、だ」
「僕達はルールなんて破ってはいない!ただ幸せになろうと、この国を良き方へ導こうとしただけですっ!」
「その幸せとやらの為に、何故ガブリエラ嬢やお前等の婚約者だった者達が一方的に責められ、負わなくてもよい咎を負わねばならんのだ?
正規の手順も踏まず、罰も受けず、己の為に相手を踏み躙っても良いと考える、その姿勢が愚かで浅ましいと、何故思わん?教育を受け、成人した人間のする事ではないな」
「それ…はっ…!」
馬鹿にもようやく理解出来たのか図星を突かれたか、口ごもる第一王子。
言われなきゃわからんとか子供かよ、お前。
「最後の慈悲だ。お前を自由にしてやる。
ただな、あの男爵令嬢は自分でも言っていた通りお前達全員と肉体関係を持っているし、お前達を踏み台にしてこちらに留学する帝国の皇子を狙っているそうだぞ?
そんな阿婆擦れが聖女候補?真実の愛?例えそうだとしても幸せなぞ手に入るものかな」
そう言って陛下は台座から犬軍団を見下ろしてから命じる。
「近衛よ、ナサニエルを自室に連れて行け!そして荷物を纏めさせ次第、魔封じの腕輪を着けて王都から追放せよ。各所への通達も決して忘れるな。
元側近達は二度と王宮に入る事は許さぬ。各々の家が連れ帰るように。」
「「「「「御意に」」」」」
近衛が元第一王子の両脇を抱え、謁見の間から連れ出す。
「貴様ぁ!離せっ!父上っ、父上ぇぇぇ、何故ですかあぁぁ!!」
静けさを取り戻すと続いて大司教に対しても「此度の問題を引き起こした聖女候補の処遇を本国へと疾く問い合わせよ。こちらからも書簡は既に送ってある故、知らぬ存ぜぬは通用せぬぞ?」と脅…念を押していた。
…いや、ビックリするわ。
人間、あそこまで阿呆になれるモンかね?サッパリわかっちゃいない感じだったよ?
っつか、デパートのおもちゃ売り場やスーパーによくいる駄々っ子かイヤイヤ期の子供かよ。
そして教会よ。本国はどうか知らんけど、大司教の対応は正直悪手じゃねぇの?チンタラしてるとズンドコ寄付が減るぞ?不信感は逆に右肩上がりになるけどな。
何にせよ、これでまたひとつ厄介事が片付いたと言える。
期せずあの犬軍団共が乱入したお陰だが、概ね処罰の内容も納得出来るものであったし早めに決罰出来たのは良かったと思うわ。
恙無く謁見を終え、陛下が退場するのを礼をしながら見送ってからガブリエラと抱擁し、喜びを分かち合う。 勿論、羨ましそうに見ていたレオーネさんも入れたよ?
喜び合う私達に、公爵様からガブリエラを守ったお礼を言われたけど、ガブリエラを守る事は絶対条件なのであまり気にしないで欲しい。
まさか椅子をぶん投げるとは思わなかったようで、公爵家の皆さんは笑っておられたが、マジであれが最良の手だったのよ。
後日また公爵家で会う事を話しながら、ガブリエラと連れ立って謁見の間を出たその瞬間
裾を翻し、ものすごい早さで迫ってきた黒い影が私を襲った。
歯が痛い…。
鈍痛が襲ってくるので歯を冷やしながら、つべで歯痛に効く音楽聞いていたら…痛くなくなった!マジか!?
と言う経緯で、25話も無事に書けました。
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