第23話:星、カウントのピンチ
第23話になります!
昨日の落雷で仕事にならないので振り休扱いに。
ラッキー♪
今日は2話投稿出来そうかな。
それではよろしくお願い致しますm(_ _)m
私に対する聴取が始まった。
「では、アルラ嬢よ、そなたがあの時に行った事について話すが良い。」
…と言われましても、こちとら擦り合わせ済なんで、余計な事は喋んないよ~。
「畏まりてございます、国王陛下。」
略式礼をし、そう述べてからガブリエラ救出の顛末を話し始める。
学園での第一王子の様子、ガブリエラに対する邪険で憎悪すら感じる態度と仕事の押し付け、立派な婚約者がありながらも性女と人目を憚らずのいかがわしい行為とその側近達とは人目に隠れてのいかがわしい行為、また性女のガブリエラの立場を著しく貶める為に、教会と聖女と言う己の立場を利用した虚言と悪意ある噂のばら撒きに学生を味方につける為の演技。
男ってこんなん好きなんでしょ?と言う風に、アルラの庇護欲をそそる雰囲気と可憐で儚げな姿を最大限に発揮しながら私は緩急をつけつつ語る。
あざとさは見せずに両手を胸の前でギュッと握りしめ、震え、声を詰まらせ、涙すらはらはらと流しながら。
ここらへんは演劇部や会社の某動画チャンネルでアテレコや天の声やってたり、仕事でキャバ嬢と接していた経験が役立ってるわ。ホステスはまた違うからアルラの姿では使えないんだけどね。
性女よ、お前のクソみたいなテクニックはこう昇華させて使うのだよ。
リアルの星は超ドライアイでなかなか涙も出なかったけど、アルラはよう出るみたいで助かる。
そして肝心の救出の場面。
以前から諌めても全く話を聞かなかった第一王子が晴れのデビュタントボールでわざわざやる必要の無かった
婚約破棄と性女の筋書きによる断罪とガブリエラの処刑。
あまりの無体と理不尽に王侯貴族として、その側近としての矜持は何処へ行ったのか!今まで抑えた怒りが頂点に達し、プツリと何かが切れた事、引き際を得ない第一王子達を他国の目がある以上下手を打つ訳にはいかなかった為に更なるインパクトで以て収める必要があったが故の行動であった事まで語り、「私からは、以上でございます…。」と静かに締める。
嘘は言ってない。
全部言ってないだけで、ね。
んで教会よ。手前等は性女の監督責任取ってもらうぞ?
仮にも聖女候補として後見に立ってんだ。責任は取りやがれよ?逃げたとしても、ぜってー逃がさねぇかんな。
でないと…おっかないのが出てくるぞ。
「アルラ嬢、着席を。」陛下はそう言うとふーっ、と深く息を吐き出し眉間を揉む。
そうなるよねー。
ムチュコたん達がやらかした事を強制的にとは言え、私が収めた。
しかもムチュコたん達の悪行を薄めたのだ。こちらが責められたり罰される謂れは無いわいな。
あるなら、陛下が引っ込んでないでとっとと出てきて収めりゃ良かった話なんだ。
それがどうよ?
私があらかた側近達をブチのめし、他国の重鎮を巻き込む所だった死者被害確実な火球を打ち消した所にノコノコ出てきたってさぁ。
『役 立 た ず』って烙印押されて求心力落ちても仕方無いヨネー。プークスクス。
送りこんで来た影は返り討ちに遭ってるし、もうざまぁないったらないわ〜。
指さして「ねぇwねぇw今、どんな気持ちw?」ってニヨニヨしながら聞きたい気持ちを抑えて、思い詰めているような感じに見える様に目を半眼にし、少し下を見ながら太腿の上で手を握り込むポーズをとる。
姐さんにバレていても、他にバレなきゃいーのよ(笑)
「騒動の現状と事情は判った。責任の所在はこちらと側近達の家々、聖女候補と男爵家、そして教会にある。
必ず納得いく罰を課す事を約束しよう。
特に他国の目を幾許かでも逸らせた事と多数の命を救ってくれたアルラ嬢には感謝を述べねばなるまい。下手をすれば我が国は滅んでいた。
アルラ嬢、その身を呈した行動と思慮に深く感謝する。
またガブリエラ嬢…長きに渡り、愚息の為に貴重な時間を捧げてくれた事、感謝する。…そしてこのような結果になり…済まなかったな。」
陛下と王妃殿下が揃って立ち上がり、深々と頭を下げる。
この空間のあちこちから、ヒュッと息を飲む音がする。それ程の事なのだ。
この世界、この国の王族教育がどんなもんかは知らんけど、国のツートップが揃って頭を下げるのは異例で衝撃だろう。
だからって納得はしねぇけどな!
肝心の罰がまだ決まってないし、張本人から「ごめんなさい」を聞いてない。
子供がした事は親が責任を取らねばならないが、デビュタントしたって事は子供だった立場が「大人」になったって事だからな。
その証拠にカンバネリス公爵家、アンブロジア伯爵家、レオーネさん、誰一人立ってないし止めてもいない。
だって、やらかした犬軍団が反省してる訳ないじゃん?
反省してるなら、ここにいて謝罪してるっつーの。信用無いよねぇ。
最初からこの謁見も茶番かよwって思うのも当たり前だし、随分とナメた真似してくれるじゃねぇの。
呆れっちゃうね☆
その証拠にホレ、馬鹿がいらっしゃったぞ?
ほぅら、ご覧?陛下。
公爵家、伯爵家共に威圧と怒気をこれでもかと放っているぞ?
知らない、分からないなんて言わせるか。
アンタと王妃の脂汗と震えが証明してんぞ?どうしたよ、帝王学と王妃教育の履修は完璧なんだろ?
アンタが拵えたブックに乗ってやろうと思ったが、こちらが何もしなくても破れてきてるよね。ブックメーカーとしちゃ三流だ。
エクサルファ国の最大戦力二家の圧は、そんなヤワいもんじゃねぇよ。
扉の外の騒ぎが徐々に大きくなり、そして―――――――
蹴破るようになだれ込んで来たのは
予想を裏切らない犬軍団共。
先頭切ってきたのはかつての優等生、第一王子。
「父上っ!ロレッタを牢へ閉じ込めたと聞きました!彼女は聖女ですよ?その価値を知らぬ訳ではないでしょう。即刻解放して下さいっ!!」
ほれ見た事か。
他の駄犬共もキャンキャン喚いてうるせぇったらないわー。
しかし…第一王子、何か縮尺おかしくね?
ソレに気付いた瞬間、私は
「バフンっ!!!!」
盛大に噴き出した。
星、マジやべぇピンチに陥りました…。
人間、長く生きてりゃやれる事も増えるよね。
星は巻き込まれ体質なので、何だかんだで色々やらかし&経験があります。
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