第22話:まさかの優良物件と事情聴取の始まり
第22話になります!
今回もよろしくお願い致しますm(_ _)m
ってか、ド変態はそもそも何しに来てん?
「エルネスト兄、このド変態は何処の誰で、ここに何しに来てんすか?ってか、うわぁぁぁぁマジキメェェェ!!」
嫌悪感を隠さず、両腕をさすりながらエル兄に説明を求める私。訳わかんねぇんすけど。あぁあ!握られ続けた手袋も交換したいぃ!!
「はぁ…コイツはクラウス・イェーガーと言ってな。私の同期であり、イェーガー侯爵家の継嗣であり、この国の魔法師団の副長でもあるのだ。
まさか、こんな形で星に会いに来るとは思わなかったが。」
ド変態、まさかのエリート&優良物件だった!!
世の令嬢達はこんなんが良いのか?!同類でなければまず間違いなく婚約解消間違いなしの瑕疵物件なんだけど?
ギャン!と、もの凄い形相でエル兄を見る私に、何を考えていたのか察したエル兄が「言いたい事はわかるけどな」と前置きしてから続ける。
「こんな難アリな性格だが、魔法の腕は確かなんだ。私達が使う魔法のいくつかはクラウスによって改良されているし、実績があるからこその副長に任命されている。
母上の魔術にも興味を示していてな?学園在学中は随分粘着されたものだ。」
「あれはしつこかったわねぇ。エルに同性愛疑惑が出てしまう位だったもの。
まぁ、許可が下りなかったから私も教えなかったけれど、ド変態と言われれば納得してしまうわねぇ。
それにしても…求婚してくるとはね。あの頃より更に極まってるのではなくて?」
コロコロと笑いながら姐さんが情報を追加してきたけど…え、それって大問題じゃねぇの?
貴族家の継嗣が婚約も出来ん事態になる噂とか訴訟モンよ?そしてド変態呼びは認めちゃうんだ(笑)
同性愛は個人的なアレもあるから、関与しないけどさ。
ってゆーか、ぜってー結婚なんてしねぇかんな?!
んで、許可って何だ?
魔術はほぼほぼアヴァロンでしか使われてないから…アヴァロンからの許可が下りなかったって事??
そりゃあド変態の魔法馬鹿が魔術まで学んだら軍事転用されかねんわな。
戦術から一気に変わるし、パワーバランスが崩れる。
この国限定でブック破りしてる私なんて話にならん位に世界がヤベェ事になる。
現実世界でも、玩具の技術が軍事転用されてたりするからなー。どんな些細な事でもやらかしそうなあたり、全く以て笑えねぇわ。
「その考えで合ってるわよ?星。」
おおぅ、正解ですか。
っつか、考えを読まれたわ。
ほんでもよくド変態の突撃を止めさせられたなぁ。
「あの時は父上が実力行使して、侯爵家にクラウスの首根っこ掴みながら引き摺って抗議したから漸く止んだのだ。」
おぉ、マジか!
伯爵、そのゴリマッチョを遺憾無く発揮したっすか。
寧ろその肉体でパワーボムとか武藤○司ばりのムーンサルトボディプレスとかカマして欲しい!
是非習得して下さい!
ふんすふんす!と伯爵を期待の目で見るも、すいっと逸らされた。
何故。
やれば出来る!諦めんなよ、なぁ!
貴方ならザン○エフになれる!!
「…やらないぞ?」
「えぇ〜、カッコ良いのにぃ…伯爵だからこそ映える技なのに。」
断られちゃった。残念。
まぁ、このド変態が限りなくヤベェ奴だって事は把握した。
キモさ全開、恍惚とした表情で気を失っているド変態をどうしようかエル兄と話し合っていると、またもやドアがノックされる。
「どうぞ。」
と姐さんが応えると、カンバネリス公爵家ご一行様とレオーネさん、息を切らした文官らしき人が。
ド変態を見てギョッとしていらっしゃるけど、うん、わかるよ。説明が必要かな?
斯々然々と説明したら先ずエル兄と同期で友人のルーカス様が「コイツは…っ、前より酷くなってるじゃないか…」と呟きガックリと崩れ落ちた。
同期で友人だからこそ瞬時に理解出来た様子。性格の矯正は無理っしょ。っつか友人だった事にもビックリだよ。
ガブリエラは「何て破廉恥な!」とぷんすこ怒ってるし、レオーネさんは「ド変態…え、そこまで?」と困惑している。
いや、アナタも膝スライディングからの一連の所業を味わってみ?サブイボがどエライ事になるから。
公爵様や奥方様、ジェイク様は「あぁ、うん…そうなるか」とこれまたご存知なのか微っ妙〜な表情を。
そうか、割と知られた変態行動なのか。
それでも咎められない副長の肩書がすげぇな。
文官らしき人は「もうイヤだ…」と泣きそうになりながらド変態を引き摺って帰っていった。…強く生きろよ。
うわ、正気の沙汰じゃねぇと思い出したら薄ら寒くなったので両腕を擦っているとガブリエラが「星、ダメよ!汚れてしまうわ。」とまたもや私の手袋を外し、自分の予備の手袋を出そうとしたらレオーネさんが「ガブリエラ様、こちらをお使い下さい」と自分のを出してきた。
「騎士の手袋は少々無骨ですが、生地が丈夫ですので、星の手も守られるかと。」
「まぁ!そうなのですね?ではレオーネ様、ありがたくお借りします。代わりにこちらを。」
と、自分の予備をレオーネさんに渡し、レオーネさんから騎士の手袋を受け取ると私の手に嵌めた。
レオーネさん、何故か御機嫌だな?
ガブリエラも何でかニコニコしながら私の手を握ってるし。
あ、ド変態の上書きか?もしかして。
尊みがしゅごい。語彙力溶けるわ。
3人がウフフオホホなまったり令嬢オーラを出している所にようやく。ようやく!謁見の使者が訪れた。
遅ぇよ。いや、これはいいか。
「す、すみませんカンバネリス公爵、アンブロジア伯爵。手違いがあった様で…」
しどろもどろ状態だが、わかるよ。あのド変態のせいですよネー。
「いや、こちらも事情は把握した。魔法師団副長がやらかしたのだろう?そちらに非は無いと理解する。」
悪いのはド変態ですやん。貴方と違います。
使者さん、めっちゃホッとしとるな。
ではさっさと要件済ませちゃいましょ。
本来であれば謁見の間控室にてワンクッション置いてからの謁見となるのだが、要件が要件なだけにそれはカット&ド変態参戦と言うイレギュラーにより巻きで行なわれる事になった。
謁見の間へと入室し、玉座の前で向かって左側にカンバネリス公爵家とレオーネさん、右にアンブロジア伯爵家という位置取りで陛下の入場を待つ。
「国王陛下ならびに王妃殿下、御入来っ!」と言う知らせと共に私達はデビュタントボールでも行った最敬礼の姿勢を取り、陛下の着席を待つ。
シュッシュッと衣擦れの音が耳に聞こえる。そして「皆の者、面を上げよ。」と言う陛下の言葉で皆が頭を上げた。
「今回カンバネリス公爵家、アンブロジア伯爵家、学園騎士科貴族科生レオーネ・コルネイユ伯爵令嬢を招集したのは一昨日行われたデビュタントボールでの婚約破棄騒動の事だ。
事情が事情であるだけに、時間がかかろう。椅子を用意してあるので、掛けながら話を聞きたい。
何時もの謁見とは違い、礼儀は必要最低限で構わぬ。皆もそのつもりで。」
私達の後ろには、いつセットしたのかと驚く程人数分の椅子…この大きさはシングルソファーで良いと思う。それがセットされ、ふかふか柔らかなクッションと硬さが丁度良いクッションの2つまでついていた。
其々が着席すると、サイドテーブルまで配置され、紅茶とプティフールまでつくオマケ付き。
会議に甘味は必要だし、配慮が出来てるのは流石王宮という所か。
ひと口紅茶を口に含んでから陛下が若干重々しい声で「では、あの時に起こった事を説明してくれるか、カンバネリス公爵。」と説明を求めた。
「畏まりてございます、陛下。」一礼し、公爵様が説明を始める。
今更説明を求めるのもおかしな話なんだよなぁ。あの時はこの国の7割超の貴族が参加していたし、城の騎士達や配膳に回っていた侍女やメイドの目撃証言だってあるだろうし、最後は自分の目でも見てんじゃん?影まで仕込んでんのやし。
ってことはアレか。説明受けるフリする事で犬軍団と性女の罪の炙り出しとガブリエラに瑕疵は無い事を周知させる事が目的か。
回りくどいが、効果的っちゃ効果的やんな。
あっはっは!教会関係者達が可哀想になる位ブルブル震えて、冷汗脂汗で法衣がヤベェ状態になってんぞ?
ホント性女は何してんだ?
この謁見自体は陛下のアングルで順調に進んでいるし、他の貴族からの横槍も無い。
あるとすれば、当事者の犬軍団と性女の処遇くらいかな~。
そういや、性女で思い出したけど“魔王”っていんのかね?
紙とペンは無いが、扇子に魔力をレーザー加工のように文字を焼き付けてメモを書き、エル兄に見せる。
目線だけを動かしてメモを読んだエル兄は少しだけピクリと反応して「否」の目線を送ってきた。
魔王は居ないが、それ以外で聖女が必要な場面があるって事か。
教会には現職の聖女がいるし、別に性女いる意味なくね?馬鹿過ぎんのと「乙女ゲーム」っていうアングルを更に上のワークにしようとしてんじゃん。
そんなにイケメン達と同時にウフンアハンしたいのか。
イケメン達と同時にウフンアハンしても様になるのは、ダイナマイトなワガママボディの某ファビュラスな姉妹の姉だけやと思うよ?
チンチクリンには死んでも無理ゲー。
つらつらとそんな事を考えていると、公爵様の説明が終わり、椅子に着席される。
そして「アンブロジア伯爵令嬢、アルラ・エールー・アンブロジアよ、起立を。」と指名がかかる。
えっ、あたす?いや、私??
あ、そっか、ブッ飛ばした張本人だしな。
「御意に。」
そう言って私は立ち上がる。
さぁて、始めましょうか。
アメ○ーク見てたら、久々に長州小力が出ていて何か懐かしくなりました。
ビリヤードもバイト先のボウリング場でどハマリしてました。懐かしい…。まさかラシャまで張り替えさせるとか思わず。
ボウリングもハマってましたよ、もちろん!
そしてド変態の素性がざっくり出て来ました。
まさかの優良物件ですが、だいぶ怪しい後先考えないタイプ(汗)
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