004女冒険者たち
004女冒険者
だめだ!
これでは埒が開かん!
俺は3日間薬草拾いをして、自分のダメさに耐えられなくなった。
薬草拾いも周りが女子供ばかり。
たまに冒険者もいるのだが、彼らは自分達用の薬草を補充しているだけだ。
お金を持っているだけに、まるで他人の稼ぎを奪ってる様な気がしてしまって、うわあああああ! ってなった。
とりあえず娼館に帰って3Pして落ち着いた。
□
この世界はレベルアップ制だ。
モンスターを倒せばレベルアップする。
どんな技術かわからんが、首からかけたドッグタグ、もとい、冒険者章に表示されている。
俺は現在レベル3
大人の男が平均レベル5らしいので、俺は弱い。
レベルアップは基本的に大きい魔物を倒せばそれだけ上がりやすい。
質量比がまず1つの要素。
次に、デカイ魔石を持っているモンスターの方がレベルアップしやすい。
これが第2の要素だ。
これが絡み合って、経験値になり、レベルアップする。
そして第3、というか、一般人はだいたいコレだが、普通に体を鍛えてもレベルアップする。
これは効率が悪いが、大人になる頃にはレベル5になるし、それだけあれば生活をするには十分だ。
葉っぱを千切り続けてもレベルアップは無理だな。
俺はモンスター駆除を受けると決めた。
もちろんお金の力で。
□
「どうもよろしくお願いします」
俺は綺麗なお辞儀をキメた。
「あ、おう……」
相手もタジタジである。
俺は依頼を出していた。
『レベルアップのお手伝い』の依頼だ。
受けてくれたのはこちらの3人パーティ。
3人とも女冒険者だった。
「ま、とりあえずレベル5になりたいんだろ。たしかに大人でレベル3は…… 大人か? もう少し若いか?」
「一応成人してます」
この街では成人年齢は16歳だった。その時点で普通はレベル5になってる。
「そうか。随分若く見えるな。ともかく、たまにある依頼なんだよ。そんなに気にすんな」
「へへー」
俺はさらに頭を下げた。
実際恥ずかしいものである。
大人レベルに足りないから力を貸して下さいというのは。
お金があるからまだお願いできるが、依頼料を一生懸命稼いでいたらもう少し精神的にクるものがあるかもしれん。
□
女冒険者達は、女戦士、女弓士、女魔法士 という組み合わせだった。
女魔法士が優秀で、回復役も遠距離攻撃もこなす。
基本的に大盾を持った女戦士が敵を食い止め、女弓士と魔法使いが遠距離攻撃で仕留める。
ゴブリンがボロボロ吹き飛んでいく。
モンスターが生き絶える時近くにいると、生ぬるい風の様なものを感じた。
これが経験値らしい。
モンスター殺す近くにいればいいだけというのは助かる。
トドメを刺すのもグロくて俺には無理かもしれんし。
そんなわけで、あっさりレベル5に上がった。
だが、
「あー、でもアタシらまだ殺し足りないし、もう少し付き合うかい?」
との事で、荷物持ちしながら付いていった。
殺し足りないというのは猟奇的な意味ではない。
彼女達は魔石を集めて金に換える。それが足りないと言っているのだ。
もっと奥の方なら他の素材もプラスで取れるモンスターがいるのだが、この辺りはゴブリンとかイッカクラビットとかそんなもんだ。
個人的にはイッカクラビットの方が怖かったんだけど、経験値はたいした事ないらしい。
ゴブリンは死体がすぐアンモニア臭に変わる。エイとかサメとかそんな感じだよね。尿素が身体中を巡っているんだろうか。
俺の提示した額では足りなかったんだろうかと不思議に思いながら、魔石袋を持って彼女達の後を追った。
◯