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プロローグあるいは第1話 ヒストリア・ヒストグラファ

これからよろしくお願いします!行間が気になる方は設定で狭めてください。

この話以降は本章から読むことも可能です。

静寂が支配するこの空間。


貴方はネットの海を流れるうちにここに漂着した。


パチン!

フィンガースナップ、一つ響き渡った後に


「おや、はじめまして。あるいはお久しぶりです。ここに人が来るのは、珍しいですね。

いつかは、日に二桁は当たり前になってほしいものですが……」


あなたの前には、


本を一冊抱えた片眼鏡(モノクル)をかけた男がいる。



貴方も挨拶をした。

そうすると、



「ご丁寧にどうも」



眼鏡をかけた男は礼をし、貴方はここがどこなのか尋ねる。


「ここは図書館。そう言えるでしょう」


貴方は、疑問を抱く。


「己の軌跡を記す者、歴史の紡ぎ手。

彼らの紡いだ歴史を編纂(へんさん)し、それらを展示しております」


貴方は、謎が深まる。


「そうですね。実際に見てみるのが手っ取り早いでしょう」


貴方は、訳もわからず頷く。


「こちらなんかは、よろしいかもしれませんね。これは、作りたてホヤホヤ。

貴方は見た限り、自分が流れの中心に居るのがよさそうだ」


自分が連載開始から見ている漫画が売れることに誇りを持つようなタイプの貴方は、頷く。


自分が初版から推しているラノベが売れることに喜びと、自分だけの物であった気分がなくなる事に複雑な思いを抱くような貴方も頷く。


「ああ。私の名前は、鯉滝龍成。龍生ではないのでお間違えないよう。

役職は、歴史編編纂者。

ヒストリア・ヒストグラファなんと言うこっぱずかしい名前でも呼ばれている役職です」



貴方の厨二心はくすぐられる。


「まあ、会う事はあまり無いかと思いますので。頭の片隅にでも置いておいて下さい」



そう言うと、龍成は、一冊の本を開く。


「これらの物語は、我々にとっては過去であり、未来。

あなた方には今であり、未来。奴にとっては過去であり今であるのです」


意味が分からない。



「タイトルは、天獄史記。


一人の愚者の物語。


どうぞ、お楽しみに」



そう告げられると、風が巻き起こり、ページがバラバラとめくられる。


明らかにページ数よりも多くのページがめくられる。


そして、貴方は、本のなかに吸い込まれた。




《天獄史記》


一人の愚者は、少年であった。


彼は、運命に翻弄されるだけではなかった。


現在

少年は

不幸にも

正義に憧れ

友情は結ばれ

恋をしたことも

親の愛はいずこに

恋はやぶれ暗闇へと

正義を見失い何を求む

嗚呼少年は、今、不幸へ

誘われて、そのまま旅立つ




文字が流れ、頭に入る。






歴史の紡ぎ手。


それは選ばれしものである。


神、世界、あるいはそれに準ずるものにより、(おの)が軌跡によって歴史を紡ぐことを任されたのだから。


されど、選ばれた彼または彼女は幸せかはわからない。

選ばれしもの波瀾万丈が待ち受けるのだから。


刺激を求めるものには得難いものでも、平穏を求めるものにはどう見えるだろうか?


我々は羨ましく思えるだろうか?


彼らは、物語の主人公とは決まっていない。


あくまで紡ぐだけなのだ。


されど主人公と呼ばれるものは多い。


呼ばれるようになる機会が多いからだ。


故に、主人公と同一視される事も少なくない。


神々とも面会したものがいるからだ。


しかし、力及ばずひっそりと死ぬもの、あたかも、いや。そのまま物語の様な悲惨な最期を迎えるものの方が多い。


……ーーーーーーーー……ーーーーーーーー


彼に、我々は知らないが一つの目的に全てを捧げ、世界の中心にいようとしている目立ちがり屋で、何時迄も何処か子供っぽい彼に思い馳せる度に、幸あらん事をと思ってしまう事はおかしいのだろうか?

手助けをしたいと思うことは可笑しなことだろうか?


商売の神と謳われし男の走り書きより抜粋



……ーーーーーーーー……ーーーーーーーー


あの日、何故父は笑っていたのだろう。


あの日、父は何故死を、命をも賭して私達を守ったのだろう。

私を愛せたのだろう。


嗚呼、死んだという事を理解して尚、納得出来ません……

私にとって日常で、家に帰ればいる存在で。


少し喧嘩をしてしまったけれども、いつか帰れば仲直りが出来ると思っていたのに……


居なくならない人だと思っていたのに。


あの日、あの時の選択を悔やみます。


そして、



刀華の手記最初のページ



ーーーーーーーーーーーー


ページが、視界に写るものが、次々と変わっていく。


「この先に進むからには、苦しみがあるでしょう。その覚悟を、常に持ち続け……」



声はもう、聞こえない

話全部を読まれるという方はこのまま次へを押してお読みください。


導入のみでチュートリアルは飛ばしたいという方は、どの話からであっても56話

https://ncode.syosetu.com/n8104dz/56/

に飛んでいただければ普通に読むことが可能です。

リンク先は、第56話になっています。


まゆみ。さんから、龍成のFA(ファンアート)をいただきました!

ありがとうございました。


挿絵(By みてみん)


まゆみ。さんのホーム→https://mypage.syosetu.com/1604858/



2023年2月12日追伸:これから読まれる方、更新がなくても読み返して下さっている熱心な方へ

本作は現時点で更新が止まっていますが、更新の予定はあります。

また、話の大幅な変更はありませんが口調などの変更、訂正を行っているので現在の状況を保管したい方はお早めにどうぞ


活動報告、あるいは最新話での告知でない理由は変更すると言われておきながら長々待たされるのは苦痛だと思われるからです。

知らぬうちに更新されていた方が、気分は楽だと思います。切り時にもなりますし

しかし、この作品を更新が止まっていると知っていても1話から読んで下さっている方ならば受け入れてくれるかな?という思いと、ちょっとした読み直して良かったと思えるようなお知らせにしたかったからです

これから読まれる方は、こんな作者ですがよろしくお願いします。

また、ブックマークが剥がれ、評価が剥がれるのではなく低評価にされていることも多いですが、そんな中でも一話を読んでくださる今までお待たせしている方々には申し訳なく思うのと同時に感謝を。


変更点などをお楽しみください

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― 新着の感想 ―
[良い点] 独特の雰囲気の作品は好きです。こんなミステリアスな始まりはそそりますねぇ。 [気になる点] 最初に出てくる「貴方」と「龍成」ですが、自己紹介まで誰が話しているのか少々分かりにくかったです。…
[良い点] 独特な世界観の雰囲気が楽しいです! 固定された思考の進行、生きた人々の手記、見ていて一話目で複数人の歴史を表せているなーと思いました! [一言] 僭越ながら、少し気になった点を(気になった…
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