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あなたは、誰?  作者: とらまる
第一章
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不思議な力 後半


 目の前の魔獣の危険度はそこまで高くない、保険もある。しっかり深呼吸して目を瞑り、集中することに努めた。


 数秒して私は、剣を構えて身体強化をした。準備ができて、目を開けてまっすぐににらむ。

 すると、思ってもいなかったことが起こった。


「ッ! クゥン……」

「えっ、わ!?」

「「ユリア!?」」


 急に、甘えた声を出してすり寄ってきたのだ。まるで私のペットのように。

 これにはお父様とお姉様も驚いて、すぐさま私の方へと近づいてきた。だが、その瞬間魔獣は二人に威嚇し歯をむき出しにする。

 何が起こったのかと混乱するも、とりあえず魔獣のほうを向く。


「ガウッガウ!」

「えっと……お、落ち着いてください」


 飛びついてくるのを手で制し、通じるかはわからないがお願いしてみる。

 すると、どうやら分かってくれたようでバッとおすわりをし、ジーッと私のほうを見つめてきた。どうしようか、と思うも頭がショートしそうな勢いだ。


「す、すごい!!」

「こんな才能が……あったとはな!」


 お父様たちはお父様たちで手の付けようがない。目をキラキラさせてこっちを見てる。逆に怖いくらいだ。

 ……にしても、どうしてだろう。


「とりあえず、お父様お姉様。

いったん家に帰りましょう?」

「えー……」

「まだ見たいんだが……」


 どうして渋る。

 これの原因が分からない以上どうすることもできないんだけど……まあ、放って帰ればいいだけの話か。


「そうですか。では、私は戻りますのでどうぞ、ごゆっくり。」

「ガウッ!」


 身をひるがえして帰ろうとすると、いかにも当然といった様子でついてくる魔獣。私が止まればあっちも止まり、歩けばついてくる。後ろを振り返って確認すれば、「クゥゥン?」と首を傾げ不思議そうにしている。

 ……意味が分からない。


「お父様! この子飼いません?」

「マリア、俺もちょうど思ったところだ。」


「「交渉成立」」


 がっちりと握手し、にんまりと笑みを浮かべてこちらを見る二人。おのずと後ずさりをしてしまう迫力だ。……もしかしなくても、


「よし、ユリア! その子は責任もって飼おうじゃないか!

異議は認めん!」

「お、お父様、お母様が驚かれるのでは?」

「大丈夫だよユリア。この子ウルフみたいで可愛いし!」


 そういう問題なのだろうか……?

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