朝の光
昨日何か話そうと思っていたら眠ってた。
目覚まし時計に起こされる。
寝ぼけて天井を見つめているとひょこっと顔があらわれてその顔が言った。
「朝だよー起きてー」
ちょっとしてその顔が鈴音だとわかる。
「あー……昨日はごめん……」
「え!?急に謝られても困るよーどうしたー?」
「寝ちゃって悪かったなって……」
「なんも悪いことないよー相当疲れてたんだね。すぐ寝ちゃったみたいだったよ」
「そうなんだ……」
「そんなことより起きて!遅刻しちゃうよ?」
「遅刻しないくらいの時間にセットしてあるから大丈夫……」
「えー起きてよー早く学校行こうよー」
鈴音が自分を激しく揺するしぐさをする。
「分かった分かった。起きるから……」
「よーし!じゃあ起きて!」
じーっとこっちを見ていて、起きないと怒るのだろうと思い起きる。
制服に着替えてさっさと朝食を済ませるといつもより若干早めだったが、鞄を持って家を出る。
鈴音にとっては初めての学校なのでいつもより、嬉しそうだ。
学校に着く。
「おおー思ったより人いないかも」
「これから来る人が多いからね……」
「そっかー。そうだよね。机沢山空いてるもんねー自由席なのかと思ってたけど違うの?」
「違うよ。席は決まってる。私は窓際の一番後ろ」
「そうなんだー」
鈴音が見えているのは自分だけなのでぼそぼそと自分だけが話してるようにまわりには見えてるんだよなーと思うと凄く変な人みたいな気がして、恥ずかしくなる。でも無視をすると感じが悪いし……
そうだ筆談をしよう。そう思ってノートにそのことを書く。
「あの……これ見て」
「ん?……あーわかった。あんま話しかけない方がいい?」
その方がいいかもと思ったが、なんかかわいそうだなと思って、そうじゃないよと書く。
「そう?あーでも授業とか始まったら黒板写さなきゃっしょ?だから授業中は邪魔にならないように学校探検したり街見に行ったりしたいと思うんだけど……いいかな?」
自分と話しているよりその方が鈴音も楽しいだろうと思い、いいよと書く。
「やった。ありがと。じゃあもう行こうかな。筆談だと未来大変そうだし。じゃあねー」
いつ帰ってくるんだ。そう思って呼び止めようとするが、ふわっと消えていなくなってしまった。
一体どこへ行ったのだろう……まあ学校の中か街中に行くと言ってたけど。
ふと心配になった。でもきっと戻ってくると思う事にした。