終わり
その記憶を見終わるといつも疲れたような元気をもらったような矛盾した感情で満たされる。
今日も私はふーっと息を吐いてそれを元あった場所に収める。
きっと私もいつかはこうなるんじゃないかなんて考える。
「あ、いたいた」
そんな声が聞こえて私の方へ職員が一人近づいてきた。
「班長が読んでましたよ!大切な話があるだとか…」
もしかして、地上に行けとかそういう話かもしれない。
そうだったらいいけど大抵はくだらない愚痴なので期待しないで行くしかない。
「わかった。ありがとう」
そう言って私はその場を後にした。
「というわけでね、さっそくね。地上へ行く準備をしてもらっていいかなあ?」
「…え?」
まさか本当に地上なんてものがあったなんて言うのも驚きだけどまさかさっき思っていたことが現実になるなんてと私はびっくりしてしまい、ぼーっとアホのように突っ立っていることしかできなかった。
「さあさあ行った行った!ちなみに今から君の名前はソラだから!じゃ、後は任せたよ!!」
ここではみんな名前がないので、名前を付けられたことにやっと現実なんだと思い知る。
急いで、身辺整理を済ませて、それでも1日はかかったのかもしれないけど私なりに急いで班長に身の回りのことはやったことを伝えた。
すると別の場所を案内されて、後はそこの人に聞いてと言われ、あれよあれよという間に私は大きな扉の前にいた。
「それでは。お気をつけて」
案内してくれた男の人が優しく言ってくれた。
「はい!行ってきます!」
私は元気に第一歩を踏み出した。
「…行っちゃった。大丈夫かな。向うの世界は厳しいっていうからな。どうせまたいい例の記憶を見て幻想を抱いてるんだろうな。知ってる人は地獄へ向かうような顔だもんな。…あの子だけじゃないけど幸せそうな子が苦しむのは辛いな」




