お別れの予兆
学校を休んで、病院へ行った。
教えてもらった病院だ。
診察まで少し待たされたけどスムーズに事が進んだ。
「拒食症でしょうね」
そう言われたけどぴんと来なかった。
拒食症は食べたくても食べれない人のことを言うと思っていた。
私は食事は普通にしているし、かといって運動のしすぎという訳でもない。
拒食症と呼ばれる体重というだけで拒食症と病名をつけられてしまうのは少し不服だった。
なにかチェックシートのようなものもやらされて、いろいろやったけど、結局薬は出されなかったので良しとする。
「ちゃんと食べてくださいね」
そう言われたけどしっかり食べている。とは言えなかった。
言っても結局信じてもらえないから。
家に帰ると後ろから鈴音がお帰りと言った。
ただいまと言って振り返る。
「っ!!!!鈴音!足どうしたの!?」
鈴音の足が消えていた。
まるで幽霊のようだ。
「これ?昔の人間が想像する幽霊みたいでしょ?ひゅーどろろー」
そう言って手を前にかざす。
「幽霊かそうで無いかなんてどうだっていい!!!どうしたの???」
「これねー気づいたら消えてたの。もう少しでお別れだしねーあと2週間だよ?結構早いよねー」
「そんなこと聞いてないよ…嫌だよ、お別れなんて」
「だーかーらー!お別れじゃないって。心の中にいるっていつでもね。思い出してくれさえすればいつでもどこでもお手軽なんだよ!忘れられたら消えちゃうんだけどね。でも未来は忘れないって信じてるから!」
「心の中にいるってどういうことなの…?」
「そのまんまだよ!私は姿は消えても未来の心の中に住み続けることができればずっといるの!!!」
「そんなこと言ったって辛いよ…もう会えないでしょ?」
「会えないけど会うだけがすべてじゃないでしょ?未来は人の顔を見ないと喋れない?そうじゃないでしょ?むしろ逆だよね?だったら姿なんてなくたっていいじゃん!!」
「不安になるんだよ。いつか消えちゃうんじゃないかって」
「いなくならないよ。未来が望むならね」
「ずっと一緒にいてよ」
「いいよ。いつまでも一緒にいるよ。姿はなくなるけど…心配になったら和音さんを見てよ。そっくりだしおんなじ場所にいる気がするでしょ?」
「それじゃ嫌だから言ってるのに…」
「あはは…相当好かれちゃったねー去りがたいな…でも上が決めたことだからさ。従わないとね」
「上って何?誰なの?」
「記憶を管理するサーバー。そこの職員なんだ実は。救いのない記憶に救いを与えるのも私たちの役目なの。パラレルワールドってわかるかな?行動次第で未来が変わる。その枝分かれした世界が無数にあるって話なんだけど…別の世界では未来が死んでる未来もあって。それに救いを与えたくて、私たちが働いてるの」
「世界に干渉しちゃいけないんじゃない?」
「少しくらいなら許されるよ。神様だってそこまで見てないって」
「そうかな…?」
「そうだよ!!」
鈴音はそう言うと今日は疲れたでしょ?少し眠ったらと言って私に睡眠を促した。
私は別に眠くはなかったけど寝ることにした。
布団に入るとなんだか幸せなような気がした。
冷たい布団がだんだんあったかくなっていく。
私はいつのまにか寝てしまい、気づけば夕方だった。




