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冒頭
私は記憶を管理する仕事をしている。
いろんな世界の人々の記憶は全てここにきて、それぞれ分担される。
それは自分がここに来る前のことに関係があるみたいだけど私にはよく分かっていない。
分かっている社員は多分いないと思う。
一部のお偉いさんは知っているだろうけどそんなことに興味はない。
そもそもそんなことを考えてはいけないと思っている。
考え始めると頭がそのことでいっぱいになり、上手く仕事ができなくなってしまう。
叱られるのは嫌だし面倒なので考えない方がいい。
これは私の物語ではなくとある少女の物語だ。
私が見た中で一番印象に残っている少女の話だ。
この子の記憶が一番印象に残っているというと皆私のことをおかしいというのだがそんなことは些細な事で、私には特に関係ない。
取りあえず私の中ではとても素敵な話だ。