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♯2

「どうしてにげるの?」

走って逃げる俺に対してかなでは早歩きで追ってきた。

恐怖のせいか身体に力が入らず、上手く走れない。

「来るな!」

「くるな!くるな!くるな!」

必死に叫ぶ。

怖い…死にたくない…食べられたくない…

恐怖がまとわりつく中、俺は走り続けた。




フノチカラ

 ♯2

          作:おれんじじゅ~ちゅ



「はぁ…はぁ…」

ひとまずかなでをまいたのか来てはいないようだった。

とりあえず家に着いた俺はさっき見たことを思い出していた。


この目に焼き付けられた先ほどの光景を…


「うわぁあああああ!!」

忘れたいのに…。

なぜ忘れられないのだろう…。

額から流れる汗を拭いながらベッドに寝転ぶ。

それからすぐ俺は眠りについた。



翌日、学校では噂がたっていた。

「な、なぁ…沢田が行方不明なんだってさ」

「らしいわね…」

俺のクラスでも皆この話題ばかりだった。

俺は知っている。沢田がどこに行ったのか…

それは“かなでの腹の中”だ。

かなでは…沢田を食べたのだ…。




放課後、俺は忘れ物がないか念入りにチェックをして早々に学校を後にした。




時刻は20時33分。小腹が空いたので近くのコンビニに肉まんを買い、帰る途中の公園で事件は起きた。





「いやぁああああああ!!」

最初に聞こえてきたのは女の悲鳴だった。

俺は遠くから様子を見た。


チェーンソー二台を両手に一代ずつ持ち、それを気の弱そうな男が狂った目つきで女の両腕にあてがっていた。

刃は勢い良く周り、女の二の腕の皮を巻き込み、次第に肉を巻き込む。


“ウィイイイイイイイイン!!”


辺り一面に女の血で染まり、飛び散った肉。

そして…切り落とされた女の右腕が落ちていた。

「うぷっ」

吐きそうになったがなんとかこらえた。



「や、やめて…い、痛いってば…」

怯えた表情で男を見つめる女。

「お前がいけないんだ!いつもいつもいつも僕をいじめるから!!」

「だ、だから謝ったじゃん!!」

痛みで今にも気絶しそうにも関わらず女は必死に命乞いをしていた。

「許すものか許すものか許すものか…」

男は延々と繰り返す。

そして、しばらくボーとしていたが突然女の足にチェーンソーの刃をあてがった。

「あぁあああああああああ!!」

女が叫ぶ。

先ほどまで綺麗だった生足は血まみれになり、やがて膝から下が切り落とされた。

「くぁ…おぁ…痛いよ…」

もはや女の声は言葉ではなくなった。

「おいおい。死ぬなよ!」

男は笑い出した。どこか楽しそうにも見える。

「お前たちは僕がやめてといってやめたか?やめなかったよな?それと一緒だよ。僕はやめない!!」

そう言って今度は女の左腕を切り落とした。

「あぁあああああ!!」

再び叫ぶ女。

その時ちらりと女の服がみえた。

それは俺が通う学校の制服であり、リボンが黄色…つまり二年であることを示していた。

おそらくあの男も二年で、彼は女と同じクラス。

そして彼はいじめにあっていた。その復習と言ったとこだろう。



「手が…足が…なくなっちゃったよ…」

大粒の涙を流しながら女は地べたに転がった。

無様にも左足だけが残り、女は完全に身動きができなくなっていた。

「はははは!」

男は笑い続けた。

それにしても…俺はどうしてこの光景を見続けているのだろう…。

こんなもの見たくもないのに…。


「…」

生きているようだが、女はもう何も言わなくなっていた。

「くくく。これで一人目か…これから楽しくなるな~。くくく」

その後、男は高笑いを続けた。

「さて…そろそろこいつをどうにかしないとな…」

男は再び女の脚を切り落とした。

「…」

しかし女は何も言わない。

「くそ…何も言わないんじゃ意味がないんだよ!」

そう叫んだまさにその瞬間、男の足元から魔法陣のようなものが現れた。

そして、チェーンソーが光り出した。

“お前は復習をこれからも続ける気があるか?あるのなら叫べ!お前に力を与えよう!”

いつの間にか黒い人影がいた。

そいつは確かにこういった。

「はははは!するよ!だからくれよ!フノチカラを!」

男は叫ぶ。

するとさっきまで持っていた。チェーンソーが腕と同化した。



男の両腕はチェーンソーになっていた。

そしてその刃の勢いは先ほど持っていたもの以上の回転を店いていた。

男は女に近づきそっと抱きかかえた。

そっと呟く。

「ハグミキサー…」

男の体のいたるところからチェーンソーの刃が飛び出し

「ああいsかsげwjごいjgt@jぽgじぇj@wtjぽえwgふぁfj@gwgjp@gじぇwp@いgjs@gp@jgjgs!」

わずかに意識を取り戻した女は言葉にならない悲鳴をあげ…スープのようにどろどろになった。



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