千夏さんの職場
Ep.17です!
ごゆるりと!
週末。夜ご飯の準備を進めていると、インターホンが鳴る。
インターホンには、父親が出てくれる。
「あゆむー!千夏さんだぞ。」
「え?」
約束はしていないはず。
俺は、手を洗ってから玄関に出る。
「こんにちは。」
千夏さんは、とてもラフな格好をしている。
「……こんにちは。」
「ごめん、急にお邪魔して。……忙しい感じ?」
エプロン姿の俺をみて、千夏さんは察したようだ。
「今ちょうどご飯作ってて。…何かありましたか?」
「今日、仕事のイベントでぜんざい作ってるの。よかったら食べに来ない??」
せっかくだが、ご飯を作ってる最中だ。断ろうとしたところで、父親が言う。
「行ってきたらいいじゃないか。煮物と魚を焼くのは俺がやっておくから。…れんも寝てるしな。」
俺は、少し考えて、父親の言葉に甘えることにした。
千夏さんに誘われて向かった先には、施設のワンフロアが開け放されていた。
「私の仕事場の1つなの。」
その場所には、地域の人たちが集まっていて、みんな楽しそうにぜんざいを食べていた。
俺も、温かいぜんざいを口に運ぶ。
ーー甘くて優しい味を感じる。
「美味しい……」
言葉が溢れる。
「よかった。」
出入りする人が少なくなったところで、千夏さんが声をかけてくる。
「私今社会福祉の仕事をしててね。地域の居場所づくりをしてるの。また、遊びに来てよ。」
「はい。時間があれば。」
辺りを見回すと、ピアノを見つける。
「…ピアノもあるんですね。」
「うん。再来月はクリスマスパーティーをするよ!」
「へぇ……。」
「弾いてみる?」
千夏さんの提案に、俺は小さく頷く。
鍵盤に、指を置く。連続して指を動かしてみる。
……懐かしいな。
俺は片手で、簡単なメロディーを弾いてみる。
その音色の余韻に浸る。
「もしかして、ピアノ久しぶり?」
千夏さんは問う。
「はい。……ピアノを弾くと、母がうるさいと怒るので。」
ぽつりと言う。
「おばさん、お上手だったじゃない。なんで??」
不思議そうな表情の千夏さんに、俺はどう返答していいのか困る。
「……ね。何か力になれるかもしれない。よかったら、話してみて。」
千夏さんは、優しく諭すように俺に言ったー。
ありがとうございました!
これからも、よろしくお願いします!




