201X年 prepare I
「詳細は追ってメールにて送信しますね。では、一緒に活動するメンバーを紹介します」
この時点で舞凛は話についていけていなかった。ただ、喜びの感情が胸いっぱいに広がっていくのを実感するしかなかった。
「一番合戦アキト、星野すてら、ジャックと佐藤さん、牛乃ミナミです」
一緒に活動するメンバーは四人らしい。男二、女二だったら意外にバランスもいい。
電話が終わると、さっそくメールが届いた。
配信用のモデルの発注は今週中にしないといけない。納品まで二ヶ月はかかるとして、他もいろいろとしないといけない。
初期費用の予算は五十万。この中からやりくいして収まるようにしないといけない。イラストと2Dモデルか3Dは三十万ぐらいでおさえたい。その他機材含めて五十万は少ない気もするが……。
最初の配信までは二ヶ月二週間と三日だ。初配信の一週間前に会社に行ってリハがある。初配信のやり方は最初の十分に全員で会社のチャンネルからはじめて個人のチャンネルにその後引き継ぐ形だ。
少し前から会社に所属しているライバーもいるしどんな風にデビューしたか見てみよう。イラストの方も誰に依頼するか決めないと。
調べてみると、2Dのほうが全体的に安いらしい。Vtuberというモノが一般的に知られていないせいもあり二十万は必要のようだ。イラストは絵師の人たちは沢山いるから自分好みで安めの人を選ぶことにした。
会社に所属しているライバーたちは個人デビューも多い。
さて、一緒にデビューする他三人はどんな感じなのだろう。ジャックという人は二次試験のゲームの時に同じチームの人だと思う。少なくとも、他三人ともチャットか何かはつなげていたい。
他の三人とSNSか何かをつなげたいとメールを会社にすると、すぐに返信された。「チームのチャットを作っておきます。ボイスチャットや直接会うことは絶対にしないように。」とのことだ。会社で作ったアカウントで連絡するらしい。
会社用のアカウントをいくつ作ったのだろうか。動画投稿等で使う『ValueTube』情報発信用SNSの『crAze』会社とやり取りのためのメールのアカウントなど。その中の一つに個人同士のチャットアプリが入っていてそのアプリでチームを作ったそうだ。
翌日、新しいチームができていて通知が来ていた。
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