201X年 Chat Streeming
「えー。次の審査は雑談です」
その場がざわめいた。驚きの表情が隠せていない人も少なからずいた。
そして、舞凛も心の中で驚いていた。
「だれと? 誰とですか?」
一人の女性がそう言った。ぽかんとしている顔。
「くじで決めます。ランダムということです」
くじが入っている箱を両手でからからと振りながら全員にくじを引くことを促した。
列をつくり、くじを引いていった。
ミナミは「3」と書かれているものを引いた。
――だれとだろう?
「それぞれ番号が書いていると思うんだけど、この二つの部屋に一人ずつ順番に入ってきてください。だから、左が奇数で右が偶数。試験時間は十分です」
もしかしたら、一人で話し続けるのかも……。
注意事項が書かれたプリントが配られた。テーマは自己紹介。それ以外は普通のマナー的なことについてだった。
1番の面接が終わり、ミナミの番になった。
コンコンとノックをして扉を押して中にはいる。
「失礼します」
「ご着席ください」
「ありがとうございます」
「それでは試験開始」
思っているよりも早く試験が始まった。
「こんにちはー! 牛乃ミナミです! 私は0期生で採用されたミナミです」
自己紹介で十分ももつのだろうか。
「えっと私は牛と人間のハーフっ。もちろん牛乳が大好きだよ。ミナミに何か質問ありますか~?」
試験官が応えてくれるとも思わず発した言葉だったが、答えてくれた。
「何歳?」
「十五歳です。だから、私は牛系美少女だね。」
自分が言った言葉に驚いていたが、まぁ可愛らしくできたらいいやと思い気持ちに任せて言葉を垂れ流した。
最後になってくると、ネタが切れてきたが最後までギリギリで耐えれた。
「今回はこれで終わります。じゃあね~! 牛乃ミナミでした!」
「試験終了です」
「ありがとうございます」
勢いよく立ち上がることで、緊張が一気に消え去った。
時間は刻一刻と過ぎ、全員分の試験が終了した。
「合格者の発表です」
思っているよりも早い結果発表にびっくりした。そして、また緊張の波に襲われた。
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