表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風俗枠ですから  作者: 無夜
触手の島というイベント
9/57

目覚まし時計とはなんぞや

目覚まし時計、一般には売られてませんね。ハイウイングにはありますけれど



 頭に直接通信機が入っている(ダイレクト、と通称される)ので、ほとんどの人間が目覚まし時計というのがよくわからない。

 共通宇宙歴と日時。

 星系歴と日時。

 その二つは数字として、視界の隅にいつもある。

 だから時計自体がわからない。

 公共施設でさえ、時計は設置しておらず、時報がなる、ぐらい。ごく希に、デジタルの時計はある。

 目覚ましアラームは個人の脳にだけ響くので、他者には聞こえない。

 なんでもアナログなハイウイングでは当たり前にあるが、やはりガラパゴスの産物であった。


 ジリリリリリリッと鳴った音とともに、時計の硝子フタと文字盤がぱかっと外れて、中から赤黒い触手があふれ出した。

 それを手で掴むと、窓から投げ捨てたのは、里村が操るサトである。

 少年、十一才の時の身長を模したミゼル。銀髪に紫の瞳は、本体のままだが、伸ばせなくて剃るしかなかった髪をこうして伸ばせた。

 本体の髪は、弱くて、伸ばすと縮れ、どうにも始末が悪いのだった。

 基本に貰えるロイドAからFの、E型を基準にして作られた顔と形。

 元々はセクサロイドとして販売していた6種、長身(百八十五センチ)男性的なA(細身)マッチョ、平均身長(百七十センチ)中性的なC(和風)D(洋風)、小柄(百五十センチ)可愛い弟タイプのおとなしめやんちゃ

 これらはロイドとしても転用されている。三百年以上、売ってきたので肖像権でもめない。

 基本身長から三十センチ足したり引いたりできるので、一等小さくして、作った。

 顔も髪の長さも違うけれど、殺されかけたあの日の姿。

 家族に未練はない。

 未練は、死にかけたあの日、虐待されていると気が付いて家に押しかけて自分を見つけて、助けてくれた『先生』だった。

 恋をした。

 だが、いろいろ問題のあった里村はハイウイングに隠されて、二度と先生に会えなかった。

 大学を卒業して、USA星系に戻ったのは、先生の足跡を知りたかったから。

 でも、会えなかった。

 くすぶたままアムリタで『先生』を作り出した。

 まあ、それはそれ。これはこれ。

 本体は処女で童貞で、このまま純潔を初恋に捧げる予定である。御前が結婚して子供作ってよーと泣くけれど、無理なものは無理。

 ドアを蹴り破って、ドアノブくんを回避したあと、そういえば玄関だけの設定にしたから、ここは平気だったと思い出す。

 どうせ快楽と絶頂を味わうならば、こんな量産されたギャグみたいな陵辱は嫌だ。

 学校の体育倉庫で、あれやこれやのお道具たちが襲いかかるというシチュエーションがあるので、それがいい。ちょっぴり、いやだいぶ楽しみだし。バスにのっていると、ふっと気が付くと営業所まで連れて行かれ、バス内がイソギンチャクの中のように触手まみれになって、延々犯されるというシチュエーションもあるらしい。そういうのがいいんだよっ。

 ドアノブとどこが違うのかと?

 非日常的なところが良いのだ。

 自室の延長、自宅もどきでやられてたまるか。たち悪いことに、里村アスレイの養父母の家と、ほぼ似た家具配置。まあ、オーソドックスなハイウイングの家、なので連想されるのだろう。自分の部屋は10年以上暮らしたその養父母宅の自室と、酷似している。本気で、嫌だわっ。

 ということで、トイレもキッチンも拒否して、サトは学校へと走り出した。

 道路も危険が一杯だ。

 ドアノブさえ襲いかかってくるのに、電信柱が安全なわけもなく、ユーザーが捕まっていた。

「企画に参加させられたけれど、狂ってるな」

 そもそもが風俗のアムリタを任された御前がエロで連想したのが『金瓶梅』『ソドム百二十日』という由緒正しい古典なので、せめてもっと近代のポルノを上げてほしいと里村以下企画担当の連中は思ったものだ。あと、人を殴り殺せる厚さの本を二作品も読まされる身にもなってほしい。

 そんな男がまじめに、ひたすら『絶頂させる』ことを目的に考えたのが、これである。

 これだから頭の良い馬鹿は・・・と言いたい。

 回想しながらも、学校に向かって走るのをやめない。

 え、電信柱の生贄の人?

 頑張ってほしい。

 壁もうねうねしていて危ないし、マンホールからはいっぱい触手が溢れてくる。

 走っているサトの真横にバスが併走して、入り口が開いた。

「ぼうや、乗ってがないか」

 異形の運転手が誘ってきた。

 蕎麦が制服を着ている、ようなうねうねしたものの集まり。ピンクなのが淫猥。

「はにゃうw」

 と、奇妙な声をあげて、サトは軽いステップで、バスに乗った。

 自分から。



 違うの、先生。先生のことは好きだけれど、大人になったから、もう三十五年も生きてると、あれこれしたくなるのです、ごめんなさい。貴方が助けてくださったいたいけだった生徒は、淫らな悪い子です。


 ソドム帝サトは本体の操を捧げた先生へ祈るように贖罪しながら。

 今日のイベントはバスの中でぬぷぬぷっとされ続けて終わるようだ?

 いやいや、そんな無事には終わらないよ。




 帝4グループはペット愛好会で、悪食同盟と仲が悪い。

 悪食同盟、なんでも食い過ぎるのである。人魚を食べたせいで、帝4以外からも嫌われている。

 そんな帝4グループと傭兵王グループが海岸を目指している。

「とりあえず、目覚まし時計なるものは確認できたんだ」

「あれって動力がなくなったら」

「停まるよな」

「え、朝、停まったらやばいだろ」

「昔の人間、不安じゃなかったのか」

 複数設置する、という解決案に思い至らないぐらい、馴染みのない存在である。


 意図しないところで、目覚まし時計への興味爆上がりであった。

 双方、会わせて四十人弱。

 こんないかがわしいイベントに参加するのは、帝4側は人魚飼い(と、海獣見学者)だけだし、傭兵王の身内は『海獣退治したい、から』としぶしぶ来ている連中のみ。

 だってこのイベント、どう考えても、失敗したり捕まると、知り合いの前で連続絶頂とかするはめになりそうだったから。

 そんなの見られたり、見たりしたあと、どうやって付き合い続ければいいのだ?

 ということで、まともな人間なら、ソロで遊ぶか、そもそも来ない。

 まあ、ここ、本来風俗枠なので、そういうまともな羞恥心を持っている人の多さが不思議だけれど。

 

「それにしても」

 と、帝4は呆れたように周りを見た。

「ここ、本当に用意されたんだろ。本当に、高石、怖いな」

 二万世帯の町、山を造形し、植林もし(生き物はいられないので疑似樹木)、山には虫がいる島だ。

 海には貝や貝殻が落ち、蟹が横切り、クラゲが打ち上げられて、美しい白浜と、海水がある。味はちゃんと塩辛い。

 ここは不毛の、太陽光もろくに届かない、何もない凍えた惑星であったはずだ。

「十年遊んでて、なんだけれど。アムリタって、高石にとって、なんのメリットがあったんだ? どの企業も追随できない技術力の披露と牽制?」

 傭兵王も周囲を見ながら、

「サトやサーヤにでも聞けば答えるんじゃないか。あいつら、高石だ」

 企画に噛んでた悪食同盟も、知っているようだが、と思い出した。





「人魚を海で遊ばせるイベントほしい」

「運ぶの大変じゃないか」

「うちの娘が喜ぶならどんな苦労も厭わない」

 娘とか当たり障り無いことを言っているが、ペット枠の人魚に課金しまくって、伴侶機能を与えている連中も多く、帝4も実は人魚が嫁である。

 水中で、交わるのもいいけれど、ベッドの上でしたいじゃないか。


 今回の参加者は、そういう業の者ども。

 獣姦愛好者もアムリタには多い。でも、そういった者達は、帝4には属していない。

 マイホームで完結しているから、お外で交流しないのだ。もしくはそういうグループでのみ集まり、ひそっと遊ぶ。

 人型のペットなら、初期配布されるロイドに猫耳や尻尾をつければいいわけで、がちでお犬様とあれやこれやしたい人たちは、大型ペットを購入するわけだが、これもロイドになる。

 人魚がリリースされたとき。

 妖精がリリースされたとき。

 彼らは煩悶した。

 妖精はイベントの景品だったが、その後まったく運営がユーザーに入手させなくなったので、幻の種族である。

 いやあ、「性交するのは無理ですよ」と注意書きしたのに、無理にして握りつぶし、己でしでかしたのにトラウマになってアムリタから出て行ってしまうユーザーがけっこう出たので。

 注意書きは読もうぜ。自分なら加減して出来る、とか何故自分を過信した?

 そんなことをふまえ、企画運営サイドは有る程度大きいのしか出さないようにしようと決めたのだ。



 さてはて。

 人魚シリーズの中でも、『姫』という格上の上級人魚がいる。

 初期バージョンのままだと会話もできない、水槽を泳ぐでかい金魚、みたいなものでしかなかった。

 会話できる知能と声帯を与え。

 水の中で美しく揺らぐドレス(別売り)を身に纏わせ、下半身の鱗が美しく輝けるよう栄養剤を与えて。

 ユーザーがイベント賞品アイテムで、さらには課金して、機能を上げまくった人魚。

 人魚持ちが目指す、最高ランクだった。

 だが、今回の拡張機能を加えると。


『海の寵姫』


 となり、専用の冠が手にはいるという。

 なので、帝4に与していない人魚持ちも、当然参加している。

 人魚は雄もいるのだが、なんか人気がない。

 雄は拡張されると、王子なのだが。

 まあ、いらん情報らしい。

 女性ユーザーも、圧倒的に人魚姫をほしがるから。

 そして海で天敵同士が出会う


 帝4グループと悪食同盟が邂逅した。

 悪食同盟は、むろん、自前の鉄板を、石を置いて作った簡易の竃の上に載せ、海鮮と触手を焼いているところだった。

 同時開始で、待ち合わせがないぶん、初動が早い悪食同盟。

「一番、話がわかる、マリア(盟主の妻で女大公)さんがいないな」

メダカの雑誌の編集を長くしてきたマリアには、帝4グループはリスペクトがあった。

 ついでに、人魚愛好家仲間でもある。

 横のつながりの広さは、さすが元やり手編集者である。ちなみに本名はアマーリアで、編集者名とこちらのユーザー名はマリアである。

 夫はリアと呼んでいる。

「リアなら、ここのパンフレット作ったの、あいつだから、『もういい』そうだ」

「あ、道理で。コラムとか、画像配置とかうまかった。読みやすい、わかりいい」

「里村は広告屋だから、パンチ効かせて興味持たせるのはうまいけれど、ほしい説明を齟齬無く読ませる文書かせたら、まあ、うちのだよな」

 もういい、というのはつまり。

 堪能し尽くした、というか。

 犯され尽くした、というか。

 マリアは今、ミニバラなどの小さめの花が上品に咲き誇るイングリッシュガーテン風のホームの庭で、執事に給仕させながらアフターヌーンティーを用意させて、ひたすらまったりとしている。対面に娘として育てた海の寵姫(ユーザーでは初の陸上稼働人魚)を座らせて、きゃっきゃっうふふと母娘ごっこしながら。

 そんな報酬がなければ、やらないって。

 リアルなお金も振り込まれたけれども。

 実質十五日間で、三千万yen。

 金惜しみしないのが、アムリタの良いところだが。

 十日間、触手にぬぷぬぷされ続けた人妻である。その後、それらの体験を昇華して、五日間で画像と動画を選んで、文章作成。構成。表紙・サムネイルもほぼ一人でやり遂げた(里村がデザインで少し噛んだぐらい)。

 校正・検閲は高石にお任せしたが。

 目が虚無っていた。触手相手よりパンフ作りで疲れた。

 夫は、妻の持ち物は食べないので(当り前じゃないか?)、食べた人魚は野良で、日本の昔の妖怪図的な、怖い顔したやつである。食べるように別枠で作ったのだ。彼は人魚の企画に参加していた。

 2杯目のお茶は香りは甘いが味はすっきりとしつつやや渋め。甘いケーキやゼリーを食べた後に、口直しによい。

 本体ならば、もうこんなに食べられないだろう。食べてしまったら、胃がもたれて、二日ぐらいつらい。

 だから、ここは本当の意味で夢の国だ。

「母様、おいしいね。いつもいつも、お茶会、うらやましかったから、私もできて、うれしい」

 本当に。

 夢の国だ。

「私も一緒にお茶出来てうれしいわ。ここに至るまで、アレ四回とか。各愛好家達の人魚姫への忠誠心と愛情度が、試されるわねぇ」

 くっくっくっくっと、海の魔女のように笑って、目に光りを取り戻した。




 で、旦那である。

「火が通ったよー」

 と、仲間達が言い、酒を出した。

 日本酒。波打ち際で冷やしておいた。

 帝4と傭兵王のグループも、こちらに合流していた。

 曰く。

大公「海鼠触手に聞いたら、昼に潮が引いて祠島までの道ができるそうだ。道出来るのは、昼と夜中の二回な(聞き出すために仲間二人ほどぬぷぬぷされた)。海の中を無策にそのまま進むと、入れ食いだわ」

 公爵がばさっと海から上がってきた。

 したたる海水より、気になるのはまといつく蛸や烏賊、様々なもの。

大公「入れ食いっつーか。入れられ食いっつーかな」

公爵「こいつは、触手。ほか、海産物。焼こう」

 ぽいっぽいっと、体にしがみついてぬぷぬぷしている生き物を鉄板に放り投げる。

傭兵王「え、海、平気なのか」

大公「あいつはな。喰う、ためなら、ありとあらゆる快楽もねじ伏せられる男だ。そこまでの芯があれば、海の中、いけばいいし。まあ、船探せ。船から引きずりおろされると触手の海と変わらないっぽいが」

帝4「潮引くの待つか。あのレベルに達せない。ってか、強制絶頂ってねじ伏せ可なのか?」

公爵「いや、イっちゃいるけれど、腰砕けにはならないから」

 帝4たちは唸り、悩んだが。

 やはり無理だろう、と結論を出し。

 潮が引くのを待つ方針は変えなかった。

 潮と醤油だけで、素材を生かした仕上がりを待つ。

 鉄板で、苦しげに触手がうねって、縮んでいく。

 悪食同盟はアムリタで海産物の布教もしているので、どうぞと、天敵にも知り合いにも皿を渡す。

 天敵、と思っているのは帝4だけかもしれない。悪食同盟は基本的に、食の快楽しか見ないのだから。

傭兵王「ん? アレだ、アレの味に近い。蛸じゃないやつ」

大公「お前の女房じゃないから、アレじゃわからん」

傭兵王所属辺境伯「あれでしょ、アワビの壺焼きっ」

悪食同盟一同『サザエなっ』

 それほど興味ないものにとって、貝の名前などわからない。

 蛸じゃないのだから、烏賊になりそうなのに、ずいぶん雑な表現をするが、本当に、その程度の感覚なのだ。そもそもアムリタで遊ばなければ、彼らは海産物の味を知らないまま人生を終えただろう。



 食事が終わり情報を整理する。

傭兵王「まさか。いったら、帰るのは夜中の引き潮時か」

大公「リポップするのか」

帝4「いや、そもそもが、バーチャルでないということは、敵ボスが早い者勝ちとなる?」

公爵「祠にたどりつくと大きなトドが何百もいて、襲いかかられて種付けされる、という展開な気がする。でないと、ユーザーが一気にきたら、対処できないだろうから」

 なぜトドだと思った、と問われて公爵は言った。

「鯨はもう捕鯨できるし、イルカとかもね。海獣で見かけないのは、トドぐらい。アシカは食べたし。トドの獣肉、臭いらしいから、普通に焼くと食べにくいかも。どうしよう」

傭兵王「これが正解かもしれないな。トドとアシカとアザラシは違いがわからないが」

帝4「アシカは可愛い。悪食同盟はなんでも喰うなよ。愛でろよ、少しは」

大公「妻のペットは食わないし、食わせてないぞ」

公爵「食べたら離婚だよね、さすがに」



 答えをいうと、待ち構えているのはセイウチである。

 公爵、惜しかった。

 撮影好きユーザーの餌なので、見栄えで選ばれた。立派な牙がチャームポイントで、倒すと手に入る。

 むろん、大きくしただけではなく、動きも何もかも、セイウチである。しかし、大きい。

 そして、皆が想定したとおり。

 いっぱい配置した。三百頭。倒されても、一日千頭までご用意。

 体長ではなく、地面から頭までの高さ3メートル。下手な簡易倉庫が襲い掛かってくるより、でかい。

 ちなみに、シミュレーションとしてアムリタでヒグマ(むろんロイドだが)と戦わせた結果、このセイウチがだいたい勝利したので、お察し。

 がんばれ、みんな♪

 普通の人間には勝てないんだよ。

 エロイベントのボス的配置なので、そういうのもある。


里村「あそこ、調整がどうにもならなくて。セイウチに輪姦されてエンドすると、人魚拡張機能一つもらえるようにしたんだよねぇ。マリアさん、4回がんばって、最後のは倒したけれど、目が死んじゃったもの。ごめんね」


 倒したんだよね、彼女。

 さすが大公である。

 倒して自力で解体すれば牙2本、毛皮、肉油等々手に入る。

 牙2本と交換で、人魚拡張アイテムをゲットできる。このとき、牙は1本加工されて返還される。根元に金の台座と、討伐日時と討伐者の名前の刻印を牙本体に刻まれて。

 マリアはマイホームの玄関に飾っておくことにした。玄関は人魚の水槽が置かれていて、つまりは、その中に。

 セイウチの肉は執事がよきにはからってくれており、夫がイベントを終えたら、食べる予定である。

 ちなみに、終わっても目が死んでいるのは、パンフ作成で、死んだからである。セイウチに襲われるより締め切りがしんどかったようだ。




 帝4グループは天敵が多い。

 獣姦好きグループも天敵である。

 動物を虐待するグループも天敵である。

 悪食同盟以外にも敵は数多いのである。

「獣姦の匂いを嗅ぎつけてっ」

 『けだものを愛する会』とバッティングした。まんまな名前だね。

 祠に出向く前から乱戦だらけである。

「お前らはマイホームにこもってろよっ」

「人魚とヤってる、魚類姦で仲間のくせに」

 実に汚らわしい言い合いのさなか。

「性癖とは、狭く深くこだわるほどに敵が増えるんだそうな」

 と、大公が呟き。

「みんなで分け合えばいいのに」

 と、公爵が答えた。

 もぐもぐと、触手をかじりながら。

 醤油が一番合うが、ワサビを少しつけても美味である。ゆでたら辛子もいいなと思う。辛子忘れてきたのが痛い。

 今、鉄板では目覚まし時計が焼かれていた。

 ・・・もってきちゃったんだね。


 実は一番、敵の少ないのが、ソドム帝のところのマリア女大公と、傭兵王グループであった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ