引きずり込むよ、皇帝会議
「今、僕はソドム帝としてではなく、運営側の手先としていると思ってくれて構わない」
と、ソドム帝サトが告げると。
全員が「いつもお疲れ様」と返してきた。
アムリタの中の通信で繋がっていて、集まっては居ない。
いろんな星系にちっているので、時差もある。
里「御前がさあっ、触手の島、やるそうな」
腐「懲りないね」
里「懲りなかった。っていうか、人の話聞かないから。参加者少ないと『海』のバージョンアップを出すとか」
傭兵「ユーザー減らす気か」
帝1「叩き込んだら、もう逃げないからいいんじゃない。男爵だまして落とせば」
帝2「一回味わっちゃえばね」
教授「学生を隔離せんといかんな。好奇心で取り返しのつかないことにならないよう」
帝3「筋力でなんとかなるイベントですか?」
里「最初にドアノブと目覚まし時計がレイプしてくるから、ドア蹴破ればレイプされないようにしておくけれど」
腐「目覚ましは」
里「時間になる前に、窓からぶん投げればいい」
帝3「回避可能なのか。海とは違うんですね」
里「そこらへんはね。まじめに全部に捕まると、触手の海と大差ない絶頂地獄だから、今回も。仲間を生贄に、逃げられるイベントもおいてある」
傭兵「禍根が残りそうな。今回は海同様パスで」
里「んんっ。なんと、海の小島の祠に、大海獣を設置したよ。倒したくない? 4回制覇すると、小島を好きに遊べる権利が貰える」
傭兵「サバゲーの舞台にしても良いということか。敵は鯨とかなのか」
里「貸し切り代は年一回無料、2回目以降は通常の貸し切りの半額。敵はまあ見てのお楽しみ。ちゃんと海のほ乳類系だよ」
傭兵「だが、うーん、エロだからなあ。男でも容赦なしにレイプしてくるタイプの」
里「そうだよ。嫌なら無理しなくて平気」
傭兵王は唸りだした。貞操と新しい安いサバゲー舞台、天秤がぐらぐら揺れる。海獣を倒す、というのも未知だ。鯨かトドとかのタイプか。
帝1「うちも参加は見合わせ。あんまりそういうエッチなイベントはちょっとね」
風俗なのにな、アムリタって。
里「ここに四つの神社があって、全部回ると、新しい植物、硝子の花(の球根)をゲットできるんだけれど」
帝1「えっぐい」
仮面帝1、園芸同好会グループの長は与えられた資料を読み出した。
帝2「私たちは、嫌だから」
帝2グループは女所帯であるから、拒否感がすごい。
里「天女の羽衣という、神社4つを巡ったのちに、山頂で貰える、うすーい絹みたいな生地が」
仮面帝2は諦めたように資料を見始めた。お着替え、コスプレ、人形愛の集まりに刺さってしまった。
教授「プレゼン、とはこういうものだな。しかしながら、学生はいかせないよ」
里「学生さんはいいんですが、教授には新しいミゼルで山頂で、触手に敵対する虫神として君臨して頂きたい」
教授「ほーお。ミゼルはむろん」
里「こちら持ちでございますれば」
教授「運営の手先め(褒めてる)」
里「海だけは阻止したいんです」
皇帝が参加表明さえすれば、人は来るのだ。
里「姉さん」
腐「身内の始末だから、いくけど。触手に犯される美少年でも愛でましょう」
里「触手はバリエーション豊富で、一回に一種類だけ、捕まえられれば持ち帰り可能」
触手姫「やるじゃない。クレームを聞いてくれたのね。うれしい。参加する」
あなたのクレームしか聞かなかったというか。
里「よけられるけれど、わざと全部に襲われると、海並だから、ね」
鉄処女「エロだから、見送ったけれど。海の、強制連続絶叫って楽しそうかな」
里「絶頂ね」
鉄処女「苦しいの(わくわく)」
里「ろくでもないぐらいに」
帝2「うぐ(泣いてる)」
里「どうしました、帝2さん」
帝2「何この、透けるほど薄いのに、七色光沢で肌触り絹の上に、暗いとほんのり発光って。なんでこんなイベントにぶちこむのよぉ。シンフェスとか、星の瞳イベントにしてくれればいいじゃない」
里「本気出したので」
帝4「なにか楽しい動物とかペットとか出るなら参加するけれど」
里「新規ペットはいません。が、小島の祠に、リリースされている人魚の、待望の拡張機能があります」
帝4「今、水から頭や手を出すぐらいしか出来ないけど、もしや全身出られる?」
里「一日に1時間程度、足が生えて、陸で活動できます。拡張機能は4つまで入手可能。つまり最大4時間」
帝4「ぶちこむねえ」
里「御前を制御できるなら、あらゆるものを出し惜しみしない所存」
傭兵「さっきから4回、4回、っていうが。あれだな、一度のイベントで回りきれないようにしてあるんだな」
里「そうですよ。リピートしてもらわないと困るのでっ」
帝2「え、羽衣」
傭兵「よく見ろ、神社4つ制覇してからだろ」帝2「こんな島に四回も来たくないのに」
この時点で、全員落ちていた。
帝3は何故に、といえば。
ここはマッスル教信者の集まりで、トライアスロンをするためにアムリタにいた。
現実でトライアスロンをすると、故障したりいろいろ差し障るが、ここならそれがない。
怪我をすると、マッスルの神に捧げる筋トレができなくなるので、成果は見せたいが怪我は嫌なのである。
ついでに、教祖の妻のマッスル副教祖が『化け物から命からがら逃げる』プレイを好むため、この手のイベントは餌が無くても行くのである。そして妻がいくなら、心配なので帝3もゆくのである。美しき夫婦愛。触手が絡むけれども。
海、山、化け物。
まあ好みのイベントだ。エロだけれど。
触手に捕まったら、マッスルへの信仰が足りないので、筋トレを増やそう。
そんな感じである。
説明されても理解できない?
それはそうだろう。
他人の欲望なんて、理解しきれるわけがない。
さて、帝2さんの受難を皆さんは想像できるだろうか。
羽衣をもらうためには、新ミゼルをまとった、先の戦争の勝者であるプロフェッサーに会うわけだが?
帝1「帝2さん」
帝2「帝1さん」
二人の皇帝は手を取り合った。
「ご一緒しましょ」
この二組は神社四カ所回る。
傭兵王「じゃあ、帝4、くるか」
帝4「祠組だしね。お尻はもう処女じゃないから守り切らなくても良いけれど」
傭兵「あ、負けてた、な(震え声)」
帝4「戦で腐女帝相手だったからねぇ」
腐「やさーしくしたじゃない」
帝3「島の外回りを一周してみようか。自転車借りられるなら、トライアスロン設定してもいいかもしれないな」
腐「てきとーに巡る、かな」
教授「私は山の上でどうしたら」
里「触手神社4つから敵が送られてきますから、倒してください」
教授「神社を倒してもいいのかな」
里「いいですが、山のてっぺんの羽衣の置かれた倉庫が差し押さえられると」
教授「と?」
里「一回ごとに、新規ミゼルのメンテナンス無料チケットを差し上げる予定でしたが、それがなくなります」
教授「誰か、呼ぶか。学生でないやつで。守り切れそうなやつか、攻め込むのが得意そうなやつか、どっちかを」
里村はほくそ笑む。
プロフェッサーは好戦的だった。彼は戦争イベント最多勝者である。
里「あ、皆様にはどうでもいい情報を一つ。触手は色や形で味が違います。海の物を食べるというのに、抵抗がある人も多いでしょうが。美味に仕立ててますよ」
傭兵「俺たちはまあ、うまうまと島に行くことにした。が、お前のところはどうすんだ、雑多な趣味の集まりだろう」
里「触手美味しいよ、で幹部が動きますし、大海獣、プロフェッサーの新ミゼル、等々で、撮影系は乗り込むから、残りの連中(野球つながり)は付き合いがいいので、なんか参加しますし。僕が触手と戯れにいくので、見に来たい人もいますから、半分は動員できるかと」
自分も餌にする里村を、敵に回さないようにしたいなと思った皇帝達だった。