【毎日投稿のメリット・デメリット】〜約5カ月間毎日投稿を続けて50万文字作品を完結させた感想〜
先に結論を言うと……
【毎日投稿について】
・毎日投稿は百害あって一利くらいしかない
・毎日投稿はオススメしない
(条件付きでオススメする)
【毎日投稿のメリット】
・エタらない
・執筆の習慣化
・追い込まれた先の閃きはある
・好感度アップ?
【毎日投稿のデメリット】
・デメリットは計り知れないほどある
・時間に追われて文章や構成が雑になる
・文章力は上がらない
・四六時中小説のことで頭がいっぱい
・読書時間が無い
本題に入る前に、まずは作品について簡単に紹介します。
【作品紹介】
・タイトル[追放から始まる『異世界“純愛“物語』]
・投稿期間:12/3〜5/5(約5ヶ月)
・文字数:47万8000文字(約50万文字)
・非テンプレ作品
生まれて初めて書いた短編小説が全く評価されないまま不発に終わってしまい、なんか悔しいので連載化して汚名返上を図ってやる!
そんな感じで書き始めた作品です。
『総合ポイント』
・2pt(短編作品)
・136pt(連載作品完結時)
どちらもポイントは微妙です。5ヶ月間毎日投稿を続けましたが一度もランキング入りしませんでした。
ですが、それでも満足はしてます。
初めての連載小説にしては、むちゃくちゃ良い作品を書き上げられたと思ってます。
【投稿前のストックは?】
・約7万文字(第三章の中盤くらいまで)
・連続投稿ですぐストック切れ
・プロット作成は約一ヶ月(おおまかなプロットは最後まで出来上がってた。詳細は都度作成)
約7万文字のストックは十日ほどで尽きました。その後は毎日執筆、毎日投稿。合間に詳細プロット作成。
【目標】
・毎日投稿
・完結させる
・心理描写をしっかり
私は初心者です。あれこれ考えても始まらないので『まずは書く! そして完結させる!』この二つを達成させることを念頭に置いて執筆を続けました。
文章に関しては、『心理描写』だけはしっかりと書くことにしました。
情景描写などは気にしない。
もちろん、情景描写もしっかり書きたい気持ちはありましたが、私は初心者です。
書きたくても書けないと言うのが現実でした。
初心者は無理をして背伸びしないことが大切。
情景描写って思っている以上に難しい。良い感じの言葉が全く出てこない……。
自身の未熟さを痛感されられますね。
とにかく、初心者は『出来ることだけをやる』、これが大事です。
自作品に関しては、こんな感じです。
それでは本題です。
毎日投稿を猛烈にオススメしている作家さんは、チラホラ見掛けます。
では、『毎日投稿』って実際のところどうなのか。
各項目ごとに感想を述べていきます。
【毎日投稿のメリット】
・エタらない
・執筆の習慣化
・追い込まれた先の閃きはある
・好感度アップ?
(余談)締め切りに追われる書籍化作家さんを疑似体験できる?
『エタらない』
毎日投稿の最大のメリットはエタらないことですね。
連載小説の執筆は何よりも「モチベーションを維持する」ことが大変です。
ランキングに乗らない、評価してもらえない、とにかく読者からの反応が無い等々、凹む原因はたくさんあります。
(自作品の場合だと)
物語の中盤、20万文字を過ぎたあたりが苦痛でした。
(第五章〜第七章あたり)
書いても書いても全く評価されません。読者の反応がゼロなのです。
「オレは一体何をやっているのだろう……」こんなことを何百回も考えましたね。
でも毎日投稿することだけを考えていれば、目先の事に気を揉む時間すら勿体ない。
毎日投稿はそれくらい時間に追われます。
毎日投稿にこだわっていたからエタらなかった。下手に考える時間があったら執筆は永遠に止まっていたかもしれません。
今となっては、毎日投稿最大のメリットだったと思います。
[教訓]
ポイントを気にしている時間があるなら書け!
『執筆の習慣化』
これは小説に限った話ではありませんが、初心者は何よりも「小説を書く習慣」を身につけることが大切。(スポーツも、ダイエットも、勉強も……)
習慣化の一番の近道は、とにかく毎日続けること。
初心者があれこれ考えても始まらないのです。
(自作品の場合だと)
本編完結までは、とにかく文字を書くことが苦しかったですね。
当然です。慣れないことをやっているのですから。
本編完結後、少し休みを取ってから変化を感じられました。
そのため、バックストーリー編(1と2)や最終章は、思いのほかスラスラと書く事ができるようになっていました。
投稿開始時は2000文字書くのが大変だったのに、物語終盤では4000〜5000文字は余裕でした。
作品を完結させた今も、何かを書きたくてウズウズしている自分がいます。
毎日投稿によって書く習慣は必ず身に付きます。
(まあ、毎日投稿じゃなくても、毎日書いていれば身につけられますが……)
[教訓]
ぐだぐだ考える暇があるなら、毎日書け!
『追い込まれた先の閃き』
毎日投稿は、とにかく時間に追われます。
良いアイディアが浮かばない日もあります。苦痛です。
ですが、ギリギリまで追い込まれた先にキラリと閃くアイディアもある。
(自作品の場合だと)
ケレスやヒサトモはそんな閃きの中から突発的に登場したキャラです。
・ヒサトモは第五章後半に初登場
・ケレスはBS1のメインキャラ
[日本刀の登場]
・作品に日本刀を出したいな!
・でも、異世界で日本刀は無理がある。
・板バネを導入させよう。
・馬車も発達するし、良いことだらけじゃん……。
という流れで日本刀を無理なく登場させました。玉鋼とか無理だし。
[空を飛ぶ設定]
・最終決戦ではモビルスーツのような戦闘シーンを書きたいな。
・じゃあ空を飛べる設定にしよう……。
・作品内の戦闘は、剣はビームサーベル、魔法はビームライフルのイメージで。
・最終決戦ではZガンダムのワンシーンをパクってますw(分かるかな?)
当初から最終決戦のことを色々考えていたからこそ、物語前半でこれらの設定を導入できたとも言えます。
もちろん、毎日投稿しなくてじっくり考えていても、これらの良いアイディアは出てきたかもしれませんが。
[教訓]
自分を追い込むのも悪くはない。
『好感度アップ?』
私は知名度ゼロの初心者作家です(しつこい……)。
何かしらの方法で注目してもらう必要はあります。(良い作品を書くのが一番なのでしょうが……)
「毎日投稿を続ける作家」「しっかり作品を完結させる作家」だと知ってもらえれば、多少なりとも好感度は上がるはず(と、思っている)
仕事が出来ない新社会人が、元気に挨拶して好感度をアップさせるのと似ています(実力が無い人でも評価は上げられる)
もちろん、評価を上げる方法はいくらでもあります。毎日投稿にこだわる必要はありません。
[教訓]
初心者であっても読者のことは意識する。
好感度は大事。
『(余談)書籍化作家の練習?』
プロの作家さんのことは詳しく知りませんが、「毎日投稿すること」で締め切りに追われる作家さんの気持ちを疑似体験できるかもしれません。
プロの場合のプレッシャーは、アマとは比較にならないでしょうが。
将来書籍化を目指すのであれば、自分なりに締め切りを設定するの良いかもしれません。
[教訓]
プロの世界は厳しい。
以上が、毎日投稿を続けて感じる事ができたメリットです。
次に、毎日投稿のデメリットについて感想を述べます。
【毎日投稿のデメリット】
・デメリットは計り知れないほどある
・時間に追われて文章や構成が雑になる
・四六時中小説のことで頭がいっぱい
・読書時間が無い
『デメリットは計り知れない』
小説を書く上で、毎日投稿はデメリットだらけです。
オススメはしません。
前述したように毎日投稿のメリットは確かにあります。条件付でならオススメかも。
例えば、一ヶ月くらいなら毎日投稿を続けてみても良いかもしれません。
目安としては10万文字くらいの中編作品でしょうか。
もしくは長編作品の一つの章だけとか。
[教訓]
毎日投稿はやめとけ
[条件付き]
初心者で、執筆を習慣化させたい人で、10万文字以内(期間1っヶ月くらい)の作品ならばアリかも。(それでも毎日投稿はオススメはしない)
『時間に追われて文章や構成が雑になる』
毎日投稿の最大のデメリットです。
とにかく時間に追われます。追われ続ける日々です。
毎日投稿のために文章が雑になります。構成をゆっくり考える時間もありません。
これは「手段と目的が逆転」しています。ハッキリ言って最悪です。
毎日投稿のために作品自体が雑になるなんて、小説を書く意味が無いw
初心者に限りませんが、小説家は「良い作品を書くこと」を最優先させるべきです。
当たり前のことですが、初心者だと色々な事を考えてしまってついつい忘れがちな事でもあります。
文章や構成が雑だと読まれません。離脱率がハンパない。
私のように折角書き上げた作品が読まれない・評価されないなんて勿体無いことです。
(自作品の場合だと)
30話、60話あたりで9割の人が離脱してますね……。
30話:第一幕終了(主人公とヒロインの出会い編)
60話:第二幕後半(ほのぼの日常編)
30話で離脱する読者はテンプレ展開を期待していた人たち(だと思う)。ここで大きく読者を裏切る展開にしていますから。
タイトルあらすじでテンプレ作品っぽさを匂わせていた事が失敗なのかもしれません。
60話あたりで離脱する人は、ほのぼの展開が合わなかったか、そもそも話が面白くなかったか。
最後まで読んでもらえれば分かるのですが、ほのぼの日常編は本作品で一番核となる部分なのです。
(読者を楽しませる為の)面白い構成を考えても分からなかったので、とにかく思いついたエピソードを片っ端から盛り込んでいったのが第二幕です。
もう少し工夫があれば……と思ってしまいます。
とにかく読んで貰えない事が残念。もう、作品内のキャラたちに申し訳ないです。
文章の雑さと構成力のショボさが物語中盤までで離脱する原因でしょう。(今は、そう分析しています)
最後まで読んでもらうためにも、時間をかけて丁寧に書くことをオススメします。
[教訓]
毎日投稿はやめとけ
(読まれなかったら意味がない)
『四六時中小説のことで頭がいっぱい』
苦しんで苦しんで執筆して投稿したと思ったら、すぐ次のエピソードの執筆に取り掛からないといけません。
毎日投稿は脳みそパンクします。
私は自営業なのである程度は自由に時間配分が出来ましたが、それでも仕事を後回しにして小説と向き合ってた時期もありました。
仕事よりも優先させる趣味ってなんなんでしょう……。
(自作品の場合だと)
「第三幕」がとにかく大変でした。
第三幕:新女王誕生編(第七章〜第十章)
物語が大きく動いて、ヒロインがどん底に突き落とされて……、という展開。
マラソンで言うところの30km地点ですね。
夢の中にまで出てきます。うなされます。ゲーが出るほどに苦しみます。
今となってはいい経験をしたと思いますが、それでも毎日投稿はオススメしません。
[教訓]
毎日投稿はやめとけ
(うなされるぞ)
『読書時間が無い』
断言します! 「毎日投稿で文章力は上達しません」
前述しましたが、時間に追われまくるので文章は雑になりがちです。
文章力を向上させるには読書するしか無いです。
同じジャンルの作品、過去の名作、全く別ジャンルの作品などなど。
書くだけでは上達しない。読まなければダメ。
(自作品の場合だと)
約4ヶ月間も毎日投稿を続けて本編を完結させた後に、十日前後の休みを貰いました。
その間、ゆっくり脳みそを休ませて、軽く読書もしました。
その結果、バックストーリー編(1と2)と最終章の仕上がりがグンとレベルアップしました(と、思っている)
今読み返してみても、バックストーリー編以降の約10万文字はいい感じに書けているなと思えます。
書きながら読む、読みながら書く、これが文章力上達の近道(今の所、そう考えてます)
でも、毎日投稿をしていると読書をする時間が無い。
心の余裕もない。読む時間があるなら寝たい休みたい。
小説を書くなら、小説を読むことも大切です。
[教訓]
毎日投稿はやめとけ
(たくさん書いて、たくさん読め)
毎日投稿のデメリットは以上です。
ここまで毎日投稿のメリット・デメリットを書き連ねました。
最後に、簡単にまとめます。
【毎日投稿について まとめ】
・毎日投稿は百害あって一利くらいしかない
・毎日投稿はオススメしない
(条件付きでオススメする)
おかしな話ですが、初心者である私から初心者へアドバイスですw
【これから小説を書き始める人へ】
・とにかく書く
・1万文字前後の短編をたくさん書いた方がいい
・慣れてきたら10万文字前後の中編を
・長編作品は、短編・中編の組み合わせ
・必ず完結させる
・日本語って難しい
『とにかく書く』
書いて作品を完結させないと、何も見えてきません。
うだうだ考えるよりも、まずは書くことをオススメします。
かと言って、いきなり長編作品は無謀です。
・まずは1万文字前後の短編小説を書く。
短編で読者を楽しませる方法を学びます。
ちなみに、ショートショートで有名な星新一作品は4000文字が多いです。
短い文字数で読者を唸らせるテクは大切(だと確信している)
「短編を書けるようになると、エピソード単位で話の密度が上がります」
・次に、10万文字前後の中編作品を書く
短編を組み合わたものが中編です。
登場人物を増やした中編で、一つの大きな物語が書けます。
なろうのランキング上位作品でも10〜20万文字の人気作品はよく見掛けます。
中編作品で、読者を楽しませるための構成力を身に付けられるはずです。
「中編を書けるようになると、章単位で話の密度が上がる」
・その先に長編がある
短編・中編の組み合わせが長編です。
いきなり長編は色々苦労するの確定です(心が折れたらエタる)
各話を楽しませるために短編小説を。
各章を楽しませるために中編小説を。
それらを組み合わせれば、面白い長編作品が出来上がります(多分、これで間違いないと考えてます)
(自作品の場合)
作品中盤までで多くの読者が離脱するのは、この辺りが未熟だったからでしょう。
ダラダラと書き連ねるだけで、読者を楽しませる要素がかけていた。(多分……)
読者を楽しませるための構成力が未熟だと離脱率が高くなります(自戒)
[教訓]
初心者はとにかく書け
順番は、短編→中編→長編がオススメ
『必ず完結させる』
完結させるメリットは計り知れません。
短編でも、長編でも。
エタは百害あって一利なし。完結させてこその小説です。
(自作品の場合)
完結させる上で苦労したのは、物語の中盤(第三幕)ですね。
あまり語られていませんが、今まで広げてきた風呂敷を「たたみ始める段階」でむちゃくちゃ頭を悩ませます。
結末は決まっていますが、そこまでの行程は無数に存在するわけです。
「どういう畳み方をしようか」を決める工程は意外と難しい。
そういう意味でも完結に向けて書き進めることは大切です。
あと、完結後に最終話を読み返すのはやっぱり楽しい! 完結させないと得られない達成感でもあります。
長編作品を完結させると自信にもつながります。作家としてレベルアップもします。(多分。でも断言もできる)
本来、小説とは「最後のエピローグまで読み終わってから評価するもの」だと思ってます。
書き始めた作品は、何がなんでも完結させましょう。
[教訓]
必ず完結させろ
(書き始める段階で、結末を決めておくことがポイント)
『日本語は難しい』
小説を書くにあたって色々と調べ物をしましたが、一番調べたのが「日本語」でした。
とにかく日本語は難しい。英語が簡単に感じる。
(一番簡単なのは数学・物理などの数式かな……)
小説を書いて理解しました。私は日本語が苦手です。
学生時代、なぜ国語が嫌いだったのか。なぜ文学に興味がなかったのか。日本語が苦手だからだと気付きました。
文章力とは、日本語を巧みに使いこなすことですね。(今は、そう思ってます)
[教訓]
日本語は難しい!(日本語、嫌い)
アマチュアと言えども日本語の誤用は恥ずかしいので、こまめに調べよう。
(誤字報告ありがとうございましたw 誤:高感度 正:好感度)
以上、五ヶ月間毎日投稿して50万文字作品を完結させた初心者作家の感想でした。
「小説家Lv1」だった私も、連載作品を完結させることによって「Lv5」くらいには成長したはずです。
みなさんも、自分のレベルに見合った目標を見つけて執筆してください。
(初めからLv99の作家・作品を基準にすると、確実に心が折れます。そしてエタります)
次回作は10万文字前後の中編小説を予定しています。
タイトルは【女勇者は公爵令嬢】
お楽しみに!
(合間に短編を挟むかもしれない)
地獄少年
PS
今回紹介した完結作品[追放から始まる『異世界”純愛”物語』]を読んでみませんか?
人と人との繋がり、家族をテーマにした作品です。
テンプレっぽい始まり方をしますが、非テンプレ作品です。
ハイファンタジーとしていますが、異世界ヒューマンドラマ的な作品です。
50万文字作品を気軽読めとは言えませんが、お時間あるときに是非「最後まで」読んでみてください。
損はさせない仕上がりになっています(初心者にしては完成度は高いと自負してますw)
本エッセイで語ったことを思い返し、アラを探しながら読んでみるのも楽しみの一つかもしれませんw
それでは!
本日は5月6日。
ベルセルクの作者である三浦健太郎さんが亡くなられてちょうど1年です。
私が小説を書こう思いたったきっかけです。(ガッツみたいな中年のオッサンが活躍する作品てもう無いよな……。だったら俺が書こうか……。こんな流れ)
このような日に、このようなエッセイを書いたのは……ただの偶然ですよね。
今日はベルセルクを読み直して、面白さを研究したいと思います。