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最終話 私達

「ちょっと らみ どこ行くの? 」


「あー ちょっとコンビニまでいってくるー」


 自宅から出ようとする私を母が止めようとするが私は軽く流して家を出る

 明日都の住んでいるところは隣駅の周辺だということであったため私はその駅の近くの公園を待合に指定した


(いたっ)


「おーい」


 私は少し大きめな声を出しながら手を振った

 明日都は待合の公園でベンチに腰掛けスマートフォンを見ていたがこちらにきづくと手をふってくれた


「おうっ らみぃ こっちだ」


 明日都は座ったベンチの開いてる方をポンポンとたたき私に座るように促す


「あー なんか飲むか? 」


「今はいい」


 私はじっと明日都の顔を見た

 いろいろな想いが湧き上がり頭の中が真っ白だ


「あーちょっといいかなぁ 変な話をさせてくれ」


 私のほうが誘ったにもかかわらず会話の口火を切ったのは明日都のほうだった


「らみ 実は俺 らみにあったことあるような気がしてる てか らみは昔から俺の夢によく出てくるんだ おかしなことに俺は子供だったり大人だったり ものすごく強くなったりしてさ でもいつもらみといっしょにいる夢を見てた だから俺 らみに会った時よくわからないけど泣いちまったんだとおもう 恥ずかしくてアレルギーなんていっちゃったけど」


 明日都は少しうつむき加減で話した


「明日都 聞いて 」


 私は明日都に信じてもらえないとおもうけどと前置きをして異世界であったことをゆっくりと話した

 ともに薬草をとりにいき ともに触鬼と戦い そしてともに丘の上の家で暮らしそして魔気の根源でアスモに助けられたことを

 話が終わる頃には私と明日都は涙をながしていた

 明日都にとってそれは不思議な夢のストーリーが1つにつながった瞬間だったのだろう


「あー らみ 思い出したって感じ わりぃ ちょっと 抱きしめていいか? 」


「あー どうしようかな」


 私はすぐにでもその腕の中に飛び込みたかったが少しだけ明日都の困った顔をながめた

 そのあとゆっくりと明日都の胸に顔をうずめた

 そして抱き合ったまま2人で長い間泣いていた

 その後明日都と別れ帰宅したあと両親に異世界であった話と今日アスモにこの世界で出会った事を話した


「らみ 大変だったのね」


 母はそう言って座った私の頭をなでてくれた


「アスモ討伐すべし」


 父はなぜだか少し向いているベクトルが違うように感じる


 そして十数年が経過した


「らすと 今日はおじいちゃんとおばあちゃんのところに行くんだから早くご飯食べちゃって」


「かあちゃん ちょっとまってよ もうちょっとでボスやっつけられるんだから」


 私と明日都の子供 羅磨都らすと はゲームのボス戦に夢中な様子で私の声が耳にはいっていないらしい


「こらぁ 羅磨都 かあちゃんのゆうこと聞かねえとそのゲームの新しいタイトル買ってやんねぇぞ」


 明日都は羅磨都にそう言っているが自分もまだ下着姿だ


(ああ なんというダメおやじ)


「あなたたち! 」


 私は2人に雷を落とす


「だってぇ」


 2人そろって怒られた時の猫のように上目遣いで私を見ている

 明日都は私の実家は少し苦手らしい なんでも母には封印されそうだし父には討伐されそうなオーラを感じるらしい


「じいちゃん 来たよー」


「おおお 羅磨都ちゃん よしよし」


「なんだ 明日都お前もいっしょだったのか? 」


 お父さんは孫の羅磨都にメロメロだ

 そして振り返り勇者のオーラを全開にして明日都を威嚇する


「ほらほら おじいちゃん おやつ出したわよ 羅磨都ちゃんつれてきてー」


 不穏を感じた母が即座にフォローをいれて父と羅磨都を奥の部屋へと誘導する


「さ 私達も行こう」


 明日都はあははと力なく笑いながら私にしたがった

 そして良くも悪くも普通の時間がすぎていく

 私は窓から空をながめながら 平和なこの時間に感謝したのだった




読んで頂いた皆様 なろうスタッフの皆様 ありがとうございました


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