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降臨2

「人間よ 我を降臨させし人間よ 我に・・・・・・ 」


 眼の前で宙に浮き神々しい光をまといながら両手を広げ私達に語りかける女神はそこで言葉を止め皆を眺める


「あれ らみ たまちゃん? 」


(へっ? )


 あまりの神々しさであっけにとられていたがよく見るとミカエルちゃんだ


「にゃあ ミカエルちゃんにゃ 実はうすうすそうではニャイかと思ってたにゃ」


「ミカエルちゃん ど どうして? 」


 私は率直な気持ちをミカエルちゃんにぶつける


「いやいや らみ らみ達が呼んだんでしょ あと ちょっと疲れるからエフェクトオフするよ」


 なにかちょっとげんなりした感じのミカエルちゃんが手を叩くと今まで数々の神々しい演出を行っていたエフェクトがオフされる


「なんか久しぶりに下界に呼ばれるって言うんで2日位かけておしゃれしたりさ・・・・・・ なかなか大変だったのよ」


(もしかして儀式が2日もかかったのそのせい? )


「えーっと まぁ いいわ 気分転換にはなったかも それでなに? 」


(フレンドリーな神様だなぁ)


 私達はミカエルちゃんをテントに招きお茶をのみながら今回の儀式について説明する


「そうだったの うん でもまぁ ゴメンねらみ 結論から言うとアスモはもうこの世界には蘇生できないわ アスモは元魔王でこの世界で業を重ねすぎたの」


 ミカエルちゃんの言葉になにかハンマーで頭を殴られたような感覚を覚え脱力する


「そう かぁ 」


「ああ らみ らみ そうそう 元の世界への帰還用チケットのバグ直ったから板さんのところに取りに来て 残念だけど今日は持ってきてないの」


 ミカエルちゃんは落胆で壊れそうな私を取り繕うようにチケットの話をする


(ああ もう 元の世界に帰ればいいかぁ)


 打ちひしがれた気持ちの私は投げやりにそんな事を考えていた

 涙は知らないうちに頬をつたっていた


「らみ 残念にゃ ミカエルちゃん わざわざ降臨してくれてありがとうにゃ」


「ありがとう」


「ありがとうなぁ」


 ぼんやりしている私の代わりに3人がミカエルちゃんにお礼を言う


「ありがとうございました」


 私は皆につられるようにミカエルちゃんに深々と頭を下げた

 その後テントで膝を抱えてしまった私を気遣いながら皆はマナボードへ向かう為の計画を話し合ってくれていた


「らみ そろそろ帰るね」


 ミカエルちゃんは私の肩にそっと手を添えるとテントを出た

 私達は降臨のときのような神々しさもなくただ天へと帰っていくミカエルちゃんを見送った


 その後私達は祭壇を後にしマナボードへ向かうこととなる


「タマちゃん アルミちゃんついてきてもらっていいの? 」


「にゃあ らみ 気にすることはないにゃ タマやアルミは冒険しながら触鬼のドロップ品を稼いでいけばいいにゃ 冒険者の予定はあってないようなものにゃんにゃ にゃっアルミ にゃはは」


 タマちゃんは問題ないといった風に胸をはりアルミちゃんの方を見てニッコリと笑った

 アルミちゃんは右手を顔におおいうんうんと頷いている


「なぁ タマちゃん うちもそれ教えてもらってええかぁ? 」


「ん 触鬼の狩り方にゃ? おう ナバ いいにゃ 今日からタマはナバの先生にゃ 心して修練するがいいにゃ まずは尻文字の練習にゃにゃんてにゃ にゃはは」


(セクハラ猫娘か? )


 ナバは近いうちに私がこの世界からいなくなることを察してタマちゃんに冒険者としての生計の立て方を教えてもらうようだ

 そして後にこの3人が美少女冒険者として大成をなすことになろうとはこのときの私には知る由もなかった


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