魔獣狩り2
「サキちゃん ちゃんと魔獣狩ってくれよ」
こんどの魔力レシーバから声はアルミちゃんだ
アルミちゃんは双剣で魔獣を狩りながら安全なところでその様子を眺めているサキさんに訴えているようだ
「あらぁ 私の魅力 触鬼や魔獣に 効かないの 知ってるでしょ アルミ ねぇ」
サキさんは魔獣と戦闘中で必死のアルミちゃんを横目にゆっくりとそんな事を言っている
「タマ タマ 至急応援を頼む サキちゃんはポンコツ サキちゃんはポンコツ オーバー」
アルミちゃんからの通信を傍受したタマちゃんは結界の穴を簡易な魔法で塞いだ後私に向かって
「らみ ここはしばらく魔獣は出ないにゃ らみもアルミの応援にいくにゃ」
私達は急いでアルミちゃんが魔獣と戦っている西口へと走った
「あらぁ いやん もう こっち こないでって ねぇ」
私達が西口についた頃群れで出てきた魔獣たちに対しサキさんはセクシーな声をあげながら水魔法で魔獣を追い払うので精一杯な様子だった
アルミちゃんは見事な剣さばきで一匹ずつ魔獣を討伐していくものの数の多さに圧倒されつつあった
「おそいぞ タマ 僕はもうヘトヘトだ」
「すまんにゃ アルミもう大丈夫にゃ いくぞ 我ら 3人美少女戦隊! 」
(3人?)
「紅蓮のタマ! 」
「青藍のアルミ! 」
(? ・・・ )
完全なポーズを決めた2人の目線がはやくやれと私に注いでいる
「え え あ 茶色のらみ!」
(しまったぁ よりにもよって茶色の...とは...)
ポーズも一応決めてみたがボディービルダーでよくみるようなポージングになってしまった
(マタ ワタシ ヤッテシマッタ)
数秒の沈黙が走る 私はみる間に真っ赤になる
(・・・なによ なにか? )
「タマ式分銅 一斉攻撃! 」
(おおい つっこんでって)
仕方なく私も魔獣と戦うことにした
「マヨネー・・・」
「ちょーっとーまっってーなー うちも やるでー 白磁のナバ! 」
駆けつけてきたナバが後ろから大声で叫びながらポージングする
「あー あー 待って 待機するのです! 私もアガレスもやるのです 漆黒のアガレス! 」
ナバと一緒に駆けつけた魔王のアガレスちゃんまで腕を組んでポーズを決めた
(あははは なんだこれー?)
「茶色のらみぃ なにニヤついてるにゃ さっさと魔獣をやっつけるにゃ」
ちょっといじわるなタマちゃんの声にハッっと我に返り魔獣に向けて魔法を連打した まわりのメンバー達も余裕で魔獣を駆逐していく
(美少女戦隊は置いといて確かにこの戦力は凄まじいわ)
群れで出てきた魔獣の討伐には思ったほどの時間はかからなかった
「さて ここもオッケーにゃ」
タマちゃんは結界の穴を手際よく埋めると私達に魔獣から落ちた魔石を拾っておいたほうがよいと教えてくれた
旅の後ギルドに売るとよい金になるそうだ
私達はその後アガレスちゃんが魔獣を壊滅させた南口となにも出なかった東口にいき結界を調べ補修した後宿屋に帰った
魔獣は2日目に群れからはぐれたであろう個体を一匹駆除した後は目撃情報がなくなった為3日目見回りをすませミッションの終わりとした
4日目午前中私達は村の公園で魔獣討伐の知らせとタマちゃんの結界講習を兼ねて村人に公園に集まってもらった
村人たちはひどく喜んでいて
私達が旅立つときには村人の中から精鋭の3人の若者が選ばれ私達のサポーターを引き受けてくれた
人見知りなエルフ族がサポーターを買って出てくれるということは本当にめずらしいことらしい
ダンジョン10階層までの道のりが格段に楽になったことは言うまでもない
「フウ さて じゃあ この辺をベースキャンプにするにゃ」
私達はエルフ族のサポーターのおかげもあり難なく10階層にたどり着いた
ナバとタマちゃんはこの階層の魔気の濃さでも少し苦しそうに見えた