魔獣狩り
当初村を抜けたダンジョンの一角で野営を計画していた私達は予想外の村の反応をみて用心しながらも村の宿屋を利用することに決めた
エルフの村の村長へはタマちゃんとアガレスちゃんが挨拶をし次の日から3日程度かけて魔獣を狩ることとなった
「それでは皆さん 魔獣狩りをたのんでお願いするのです 今村に潜んでいる魔獣を殲滅してやっつけるのです 魔獣をおびき寄せるのに昨日魔気をたっぷり練り込んで混ぜ込んだ魔王印の撒餌を作成して作っておいたのです イヒヒ」
(アガレスちゃん 悪い顔)
私達は4組に別れアガレスちゃんに貰った餌を村の東西南北に撒き様子を伺う
パーティーの内訳は私とタマちゃん、アガレスちゃんとナバとナベちゃん、サキさんとアルミちゃん、そしてカンナさんとアスモいう少し変則的なパーティーとなった
これはタマちゃんの持っていた魔道具乱墮見の結果である
魔道具乱墮見はラミス魔王時代にタマちゃんとうちの父勇者リストが共同開発した子供用のおもちゃであり設定した数字の間でランダムに選ばれた数字の数だけ氷の棒が落ちてくるというシンプルなおもちゃだ子どもたちはこの乱墮見で様々な遊びを生み出したといわれている
驚いたことに簡単に氷が生成できるこの魔道具は子どもたちの母親の間でも大流行となり今では王国の一家に一台はあるだろうといわれているメジャーな道具となったそうだ
「北口 魔獣餌セットOK にゃ オーバー」
「南口 魔獣餌セットしてOK なのです」
「西口はぁ いい感じ なのよ ねぇ ふふ」
「えーっと 東口はー 餌をー おk−」
魔力レシーバからみんなの準備ができた旨の連絡が入った
魔獣を目撃次第魔力レシーバで皆に連絡を取り討伐するという算段だ
「にゃるほどにゃ これじゃあ 魔獣が入り込むのはしかたないにゃ」
タマちゃんは北の撒餌ポイントから離れて岩陰に戻ってくると私に言った
「結界にところどころ小さな穴があるにゃ エルフ族も最近結界を作れるような魔道士が育ってにゃいって長老ぼやいてたからにゃ 後で結界の作り方を売り込んでくるにゃ にゃはは」
(タマちゃん抜け目ないわね)
「こちら南口 さっそく魔獣達がよってきて集まってきたのです 討伐してやっつける行動を行うのです」
数分後南口にいるアガレスちゃんからの静かな口調で緊張が走る
南口の方の上方が赤く一瞬光ったかと思うとその後ゴーという遠方の雷によく似た音が降ってきた
「こちら南口 一網打尽にして皆殺しにしてやったのです イヒヒ」
(アガレスちゃん 魔王)
「らみ あそこにゃ」
タマちゃんがさっきの音に驚いて飛び出してきた魔獣を指差す
私はとっさに魔法マヨネーズを発動するが敵をとらえることはできなかった
「タマ出ますにゃ タマ式オート分銅秘技 監獄に咲く赤い花 にゃあああああ」
タマちゃんが開いたコートの中から鎖付きの分銅が魔獣のまわりにドーム状に降っていき魔獣をとじこめる
「フフ にゃっ」
不敵な微笑を携えながらこちらを向いたタマちゃんが立てた親指を下に向けるとドームの中の魔獣に向かって複数の分銅が一斉に襲いかかり
魔獣を駆逐した
「らみ らみ どうにゃった タマ かっこよかったにゃ」
私はタマちゃんに合わせ親指を立ててニカッと笑っておいた
「あらぁ ネェ こっちも 来ちゃったわ いやーん」
と魔力レシーバからサキさんの声が聞こえてきた