再会
「ふーん そんなことが あったのね ナバちゃん よろしく ねぇ」
旅館に戻った私達は客室の一室で話をしていた
サキさんに今までの経緯を話し別の世界でナバにあったことやアスモの記憶がなくなってしまったことを伝えるとサキさんはアスモの顔をじっと見た後アスモを抱き寄せた
「アスモ様 なにも おもいだせない?」
アスモはサキさんの胸のあいだでジタバタもがいているが変化はない
「うーん 本当に 記憶が なくなってる みたい ねぇ」
サキさんは少しだけ悲しそうな顔を見せたがすぐにアスモに自己紹介をはじめた
「こんにちは アスモちゃん よろしく ねぇ」
アスモはサキさんの胸からの脱出に成功し顔を真っ赤にしながらうつむき加減に答えた
「サキさん よろしく です」
その後ミカエルちゃんに聞いたアスモの記憶を戻す方法についてサキさんに説明するとサキさんは思案顔で髪をかきあげ
「魔気の根源に 近づくなんて 考えられないわ ねぇ」
とポツリとつぶやきその後すぐに窓を開けアガレスちゃんに自分の使い魔を放った
数分後私達の魔力レシーバに反応がありアガレスちゃんとの通信が始まった
「ラミ 帰宅して帰っているのですか? 一体なにがどうなってこうなっているのですか? 」
アガレスちゃんの問に対して最初から丁寧に説明するとアガレスちゃんは魔力レシーバの向こうから少し怒りを滲ませた声でぼやく
「もう ミカエルちゃんは神は こんな欠陥のオンボロな転移チケットを使用して使わせるんだから 素直に生贄をささげて生贄にすればうまくいったかもしれないのに」
(アガレスちゃん 魔王的思考こわい)
そして私はアスモの記憶を取り戻すために魔気の根源へ近づきたいことをアガレスちゃんへ伝えた
「ラミ 魔気の根源は地下の最も深層の深いところに位置しているのです そして魔気が濃くなればなるほど分別のないわからずやの魔物たちがたくさん出てくるのです 魔王である私はアガレスはそんな魔物にも負けない自信はあって満々なのですがただ・・・」
そういってアガレスちゃんは少しだまりこんだ
もしかしたら私達が魔気の媒体になることがなにかしらのネックとなっているのではないかと私は頭の片隅で考えていた
「ラミ とりあえず 落ち着いたら一度魔王城にやってきて訪問するのです あと ナベちゃんとカンナちゃんがお話しを話したいって」
そういってアガレスちゃんは魔力レシーバをナベちゃんに渡す
「ラミちゃん ラミ どうして帰ってきちゃたの んもうっ 体はなんともないの ご飯は ご飯ちゃんと食べてるの?」
(おかんですか)
内心ではツッコミをいれたが久しぶりに聞こえてきたナベちゃんの声に涙が出そうになった
私はナベちゃんにも今の状態を簡単に説明して後日会う事を約束した
そのあとカンナさんとも話しナバの魔法の解放もしてもらえることになった
「さあ ラミ 今日は ゆっくり やすんで ねぇ みんな 添い寝が いる かしら ねぇ」
サキさんが妖艶な微笑を浮べ意味深なことをいってきたが丁重にお断りした
私達は次の日当初の予定を変更し魔王城へと向かうこととなった