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大きな黒い影

 空を見上げた私に見えたのは一匹の巨大なドラゴンであった


「おはよう らみぃ すぐ おりるわ ねぇ」


 2人の若者に前後挟まれた格好でドラゴンに乗っているのはサキさんだ

 前の若者はドラゴンの手綱をにぎっている

 その胸を鷲掴みにしているビキニスタイルのサキさんと背中になにか棒のようなものを担いで申し訳なさそうにサキさんの腰に手を回している若者の3人が地上に降りてきた

 ドラゴンの巻き上げた砂埃が落ち着くと2人の男たちがサキさんをドラゴンから丁寧に下ろす

 そしてサキさんはしなやかに歩きこちらへ近づいた


「サキさん ど どうしたんですか これ」


 ドラゴンはおとなしそうにしているがやはり近くで見るとすごい迫力である


「ふふふ これ すごいでしょ ねぇ このドラゴンちゃん うちのグループでも 重宝してるのよ もうたくましっくって ス テ キ  

 ねぇ」


(サキさん 言い方)


 サキさんはそう言うと2人の若者に目配せを送る


「らみ ちょっと この竜車 動かすけど いいかしら ねぇ」


 サキさんが私にそういうので私は客車で寝ていたナバとアスモを起こし外に出した

 御者席で寝ていたおじさんはドラゴンの咆哮で御者席から転げ落ちあたふたしていたがそのあと若者になにか説明を受けているようだった

 その後おじさんはまた竜車から竜車証を取り出し若者が背中に担いでいた棒のようなものと竜車証を交互に見返していた

 私達は少し竜車から離れるよう指示を受け危険のなさそうな位置まで下がり若者達がてきぱきと行動する様を見ていた


 一人の若者がドラゴンに乗り上空からロープのようなものを垂らして下にいる若者はそれを受け取ると竜車にくくりつけ上がれ上がれと手で信号を送っている

 ドラゴンは若者の合図に従いホバリングの微調整をしているようだ

 そして地上の若者が停止の合図をしたあと背中にもっていた長い棒のようなものを手に持ち換え片方だけ車輪を浮かせた竜車の下へもぐりこみ

 修理を始めた


「ほえー らみぃ すげーな あれ」


「うん うん」


 ナバも私もアスモもおじさんも若者2人の手際のよい立ち回りにただ呆然と修理の様子を見守っていた


「サキさん 終わりました」


 修理をしていた若者は真っ黒になりながらもさわやかな笑顔でサキさんに報告にやってきた

 もう一人の若者はドラゴンを地上に降ろした後おじさんになにやら説明している


「いいわぁ あなたたち かわいいわよ 帰ったら ボーナス あげるわね ねぇ フフ あと あなた達 2人ここで 帰って いいわよ」


 サキさんはそう言うと私の方に方向を変えやってくる


「しかし」


 若者はそういったもののサキさんが後ろに手にあげて帰ってと合図すると渋々と言った感じでもう一人の待つドラゴンの上へと登っていった

 おじさんの竜車はこれだけの大きな修理をしたにもかかわらずサキさんの一言で部品代だけですんだらしくサキさんに何度も頭をさげていた

 おじさんは私達になおった竜車に乗るように言ってきたがサキさんにここにとどまるようすすめられた為おじさんとはここでお別れということになった


「おじさん ありがとう」


「いや こっちこそ世話になっちまったなぁ まぁ大概マナの森で屋台出してるからあっち方面に用事があるときには寄ってみてくれ じゃあな がっはっは」


 おじさんは御者席から私達にいつもの豪快な感じで大きな声で私達に別れの挨拶をすますと

 竜車の竜を撫でた後竜車をゆっくりと動かした

 私達はサキさんとともに温泉旅館に向かった

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