異世界 異世界
「らみ 起きるミュー」
みゅうの声で私が目覚めるとそこはどこかの路地裏のようなところでとなりにはまだ目覚めていない小さなアスモが横たわっていた
(みゅうが話しかけられるってことはここはまだ異世界のようね)
「アスモ アスモ 起きて」
私がアスモを優しくゆするとアスモはゆっくりと目覚め私の顔を不思議そうにながめた
「アスモ 大丈夫?」
「うん・・ 大丈夫・・」
なにかがおかしい
私はもう一度アスモに尋ねる
「アスモ 大丈夫?」
アスモはじっと私の顔をみながら話しだした
「アスモってだれ? お姉ちゃんだれ? ここどこ?」
アスモは私を見上げたまま今にも泣き出しそうな顔をしたため私は即座にアスモを抱きしめた
よくわからないがアスモは記憶がなくなってしまったのだろうか、そんな考えが頭の中をよぎった
アスモが分からないと言っている以上ムリに今、昔の記憶を掘り返すのは得策ではないと思う
「こんにちは アスモ 私はらみ こっちがみゅう あなたはアスモっていうお名前 ここがどこだか私にもわからないの 私とアスモは仲良しさんで一緒に旅をしてるの」
私は自分の不安と戦いながら必死でアスモと話していた
「おーい あんたあ どっからきただぁ」
ふいに路地の入り口のあたりから声が聞こえた
見上げるとそこには長い耳をもったショートヘアーの美少女が野菜のたくさん詰まったかごを持って心配そうな顔をして立っていた
「ここなぁ 兎人族以外の人がおらんけぇちょっとめずらしいだがぁ あんたらぁ どこのひとだぁ」
兎人族の少女は少し距離をとりながら私達を観察していた
「わ 私達はキッチン王国から来ました どうしてここに来てしまったのかがわからなくて困っています」
「キッチン王国かぁしらんわぁ そうかぁ こまっとるだかぁ じゃあなぁ 長老に聞いてみてあげるけぇ ちょっとついてきんさい」
「ちなみに私はナバっちゅう名前だけぇ ナバちゃんってよんでえな まぁたのむっちゃ」
少女はニカッと笑うと手を差し出してきた
「わたし らみ こっちがアスモ この頭に乗ってるのがみゅう よろしくね」
私はみゅうとアスモを紹介すると少女の手をとってはにかんだように笑った
「うわぁ なにこれ なんだこれ なんでこんなもんがうごいとるだぁ かわいいわぁ ええなぁ ええなぁ 」
ナバちゃんはみゅうに興味津々で私の頭の上ばかり見ている
「それに なにい この子 天使みたいだがぁ ほっぺもぷにゅぷにゅ ええなぁ 」
今度はアスモをみてほっぺをつんつんしだした
「うさぎさん 僕のほっぺ いい?」
アスモはナバちゃんに愛でられちょっと元気を取り戻しているようだ
「うーん ええわぁ アスモちゃんだったかいなぁ いいわぁ すげー いいわぁ お姉ちゃんちにきんさい」
(むっ アスモを連れて行かれてなるものか)
「ああ ナバちゃんそれで ここってどこ?」
私はナバちゃんにわからないようにアスモの腕を引っ張り返して自分に近づける
「だけぇ ここは兎人族の村だでぇ なんかなぁ 他の種族の村とごっちー離れとるっちゅうけー うちもここが世界のどこらへんにあるのかしらんだっちゃよ だけぇ 長老ならなんか知っとるかも知らんとおもってなぁ」
ナバちゃんは私達を連れて長老の家に入っていくそこは少し大きめの民家といったところであった