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わかれ

「らみ それじゃあ アガレス様に薬草の採取許可をもらっておきますわね」


 ナベちゃんはそう言うと魔力レシーバでアガレスちゃんに連絡をとると使い魔を召喚し魔王城へと飛ばした

 貴重で高価なフンニャリ草のある毒霧の森と更に貴重なメンドゥ草のあるインキュバスの街のキタにそびえる山の管理は魔王であるアガレスちゃんが行っている

 一般の冒険者にはこの2つの薬草はほぼ採取不可能といわれておりこの薬草を使ったポーションが市場に出ると高額なものになると言われている



「らみ じゃあ タマたちはいったんお家にかえってくるにゃ なにかあったらすぐ魔力レシーバで連絡するにゃ」


 そう言ってタマちゃんアルミちゃんナベちゃんカンナさんは手を振りながら竜車に乗り込んでいった

 そして笑顔でそれを見送る私とアスモ...


(私とアスモ?)


「おーい あんんた みんなといっしょにいかないの?」


「らみー なんでだよう ここに2人ですむんだろー なっ なっ 女の子の一人暮らしは危ないぞー こわいぞー 俺様がいっしょにいれば安心だぞー なっ」


 アスモは子犬のような目をして私を見ている

 私はアスモに封印状態でなら一緒に住んでもいいよということを伝えると有無も言わせずアスモを封印した

 だがこの選択は間違いだったらしく私は事あるごとにアスモの封印を解いていく事となった

 そして私とアスモは薬草を採り調合してはそれを売ったりして生計をたてるようになっていった

 そしてその間にも仲間との交流があり楽しい日々を過ごしていた


 私はこれ以上ここにいれば元の世界に帰れなくなってしまうのではないかと感じ始めていた


「アスモ 私 そろそろ 帰るね」


 精霊飛ぶ丘の上で私は封印を解いたアスモにそう告げた


「そうか」


 アスモはただそれだけ言うと少しだけ優しい顔をしてくれた


 そして私は気づいた ああ 私はこの人を好きなんだと


 そして力を入れていなければ零れ落ちそうになる言葉を必死に押さえたが涙はあふれた


 数日後 仲間との別れを済ませアスモと2人で儀式の用意をした

 儀式と言っても魔王城で逆召喚するような大規模な魔法陣や明確な時刻が必要なわけではなくゴッドミカエルちゃんにもらったチケットを用意して教えてもらった呪文を唱えるだけで効力が発生するらしかった


「アスモ さよなら 元気でね」


「お おおう らみも元気でな」


「じゃあ いくね」


 私は呪文を唱え光りだすチケットを見ていたがふいにこみ上げてきた感情に自分をおさえられなくなっていた


「アスモ アスモ」


 私は思わずアスモの腕にしがみついてしまった

 その瞬間チケットの光が私達を飲み込んだのだった


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