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お仕事

「らみー これからー どうするー」


 丘の上の家についた私にカンナさんがふわふわ浮きながら人差し指を自分の顎にあてながら聞いてくる

 私はとりあえずこちらの世界を少し楽しみたい気持ちがあるのでおすすめスポットをカンナさんに聞いてみた


「らみー それならー このカンナおねいさんにー まっかせなさーい」


 カンナさんはそう言って右手を上げるとどこからともなくアミューズメント施設や居酒屋、名所に観光スポットなど私が興味ありそうな場所の描かれたチラシのようなものを山のように取り出して目の前にドカッっと置いた


「おお これはすごいにゃ カンナこれをどこで手に入れてきたにゃ」


 キラリと光る猫の目


 賢者タマちゃんは興味深そうにその山を眺める


「ふふん すごいでしょうー いいでしょうー これねー 冒険者向けにガイドの練習したいってギルドの観光課にいったらもらえたんだー」


(ギルドの観光課って役所の観光課みたいに...)


「にゃ そうか それでカンナはガイドさんが上手にできるようになったにゃ」


 タマちゃんはフムフムと腕を組みながら納得している


 私はそのチラシを見ながらとある事実に愕然とした


(NO〜)


 そう私にはゴールドがないのだ


 私は青ざめながらおそるおそるその事を皆に打ち明けなにかアルバイトのようなものがこの世界にあるのか聞いてみる


「ああ らみ 僕サァ 彷徨ってた時に 商人の下でちょっとだけ働かせてもらったことがあったんだけど 正直かなりつらいね」


 珍しくアルミちゃんが話に入ってきた

 アルミちゃんは青色の美しく長い髪をかき上げ額の3つ目の眼をパッと開いて話を続けた


「奴隷だよ 奴隷 朝はやくから 夜遅くまで働いて雀の涙ほどのゴールドを手にすることができるのさ 僕らが働いたほとんどのゴールドは

 商人たちが笑いながらすいとるんだよ ははは」


 アルミちゃんは苦笑いをしていたが額の眼が笑っていないことに私は気づいた


(アルミちゃんいったいどんなブラック企業で働かされてたんですか?)


「むむ タマのアルミをいじめる悪い商人は タマが分銅でせいばいするにゃ すぐいくにゃ」


(タマちゃん・・アルミちゃんちょっと困った顔になってますよ)


「でさ 最近身辺ちょっと落ち着いてから考えたらさ この世界なら自分でなにかやったほうが稼げるんじゃないかってね それから色々やってて今はドロップ品だけで儲かるようになったよ」


 私はこのアルミちゃんの話を聞きこの世界では誰かのもとで働くことはきっと辛いことなんだろうと感じた


「あ そうそう らみ この家にも薬草を調合する部屋がありますのよ ラミス様とリストちゃんはここで作った薬を売ることでゴールドを得ていたのでございますのよ」


 ナベちゃんがそういうと頭の上のミューが話しだした


「らみー 調合の仕方は リストがミューの中にインプットしてるみゅー 興味があったら やってみるみゅー」


 ここには出来上がった道がある。誰かに親の七光だと言われようとこれはれっきとしたチャンスであることに間違いない

 私はそんなおもいからお父さんお母さんに感謝し薬の調合を始めることにしたのだった


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