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指令

 私達がインキュバスの街に入ろうとしていた頃タマちゃんとアルミちゃんは敵の拠点へと到着したようだ

 場所はタマちゃんの独り言と言う形で景色が逐一魔力レシーバに報告されインキュバスの街に詳しいサキさんによって場所が特定されたものを私達が受け取っているため精度が高い

 突然 竜車が止まる

「らみー いれてー もーだめ しぬー はぁはぁ」

 外から声がするので客車の扉を開けるとそこにはボロボロになったカンナさんの姿があった

 そしてその後ろからゆっくりと制服のスカートをひらひらさせながら降りてくるアガレスちゃん

 2人共飛ぶということに関しては同じなのだが羽を持っているアガレスちゃんと違いカンナさんは魔力オンリーで飛ぶため高速飛行になるとひどく体力も魔力も消耗するらしい

 カンナさんは客車にやっとのおもいで乗り込むとアスモに抱きつく

「アスモちゃーん 魔力ー アスモさまー」

 そう言いながらカンナさんはアスモの顔を自分の胸におしつける

「うもももも」

 アスモは真っ赤になりながらジタバタしている

(がんばれ アスモ 負けるな アスモ)

 アガレスちゃんは客車に乗る前にクルクルと回転し私にほれほれと触鬼フライパンダ模様のパンツをちらちらと見せつける

(ア アガレスちゃん わかりましたから・・・)


 私達が客車の中で落ち着いた頃 タマちゃんからの送信の雰囲気がガラリと変わった

「ザルよ 貴様の連れてきた従者の中の中に 反逆者がいるのではないかと考えて指摘する」

 魔力レシーバから聞こえてくる女の声はひどく冷ややかで落ち着いた声でそういった

 私達はその言葉でタマちゃんとアルミちゃんの潜入が失敗したことを感じ取ったため急いで現場に向かいながら戦闘態勢を整える この直後からなぜかアガレスちゃんの様子がおかしい

「そこの2人 前に前進せよ」

「ザルよ オマエにはこの2人が触鬼に見えて見えるのか?」

 触鬼のリーダーらしきその女は怒りに満ちた声でザルを叱咤している

「ウグ ウググ ギガレス サマ」

 ザルは口ごもる

「失敗は許して許容できない ザル 死をもって償って死ね」

 バシュッ 何かの爆ぜる音がした まわりの触鬼達はざわめいているようだ

「それで そこの2人 いきなり殺めたり殺したりはしない フードをとって顔を見せて見せろ」

「ほう 3眼族に猫人族か 貴様ら ラミスの四天王アルミと賢者タマで間違いなく相違ないな アガレスのような甘い魔王にはもったいなくて触鬼にマナというものであろう どうじゃ こちら側に味方につかんか 」

 タマちゃん アルミちゃんに返事はない

「ほう 私に歯向かって戦って見るというのか 良いだろうどれだけの実力か試して試験してやろう 触鬼どもこの2人を殺せ」

 ギガレスの号令によりまわりの触鬼たちのざわめきが一斉にとまったかとおもうと 大きな怒声の混じった奇声がきこえてきた

「タマ」

「にゃ」

 アルミちゃんの声にタマちゃんが返事をしたあとタマちゃんのコートの中に隠しこんであった魔法分銅がジャラジャラと音を立て鎌首をもたげた音がした

 どうやら戦闘が始まってしまったようだ



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