当主
みゅーになべちゃんと呼ばれた女性はあいかわらず手の中でジタバタしているみゅーを
私に連れてきた
「びっくりさせてごめんなさいですわ あなたがラミス様とリストちゃんの子供ならなにも心配することはないですわね なによりもこのみゅーが証明ですわ
」
そういうと私をそっと抱きしめて
「ようこそ こちらの世界へ」
と落ち着いた声でささやいた
「らみ- なべちゃん カンナ アガレスちゃんみゅー」
みゅーは私の肩に登ると小さな手でこの部屋にいる人たちの紹介を始めた
「らみちゃんってゆうのですわね さぁこっちに来てアガレス様にご挨拶しましょう」
なべちゃんはさっきまでの鞭を振っていた人と同じ人と思えないほどやさしい目をして私の手をひく
「挨拶なんか 固くて緊張していやでいやだから他の別の部屋で一緒にご飯でおやつにしましょう あと みんなまわりの人たちがアガレス様って言っていうけどアガレスちゃんっていってみてほしいのです」
祭壇のようなところにいるこの少女は照れた様子で私に言った
「らみちゃん こちらが魔王アガレスさまですわ」
(魔王?)
「よろしくね アガレスちゃん」
私は言われた通りにアガレスちゃんと呼んだ
「らみ よろしくでおねがいしますなのです」
アガレスちゃんは嬉しそうに私に声をかけた
石畳の部屋から出た私は薄暗い階段をおりていきナベちゃんが開けた重厚な扉をくぐる
とその豪華な作りの家に驚いた
そこには赤絨毯にどこまでも続いているかのような廊下と部屋そして歴代の当主であろう
人たちの絵画が飾られていた
そしてその絵画のつらなりの一番最後には自分の母親によく似た少女が指で狐をつくりにやりと笑っている
(え お母さん?人違いよね....この人すごい目張りだわ)
「ねぇ みゅー ここどこ この人たちだれ?」
私はみゅーに小声で聞いてみる
「簡単に説明するみゅー ここは異世界みゅー この人たちはらみのお母さんやお父さんととっても中のいい人たちだみゅー ちなみにらみのお母さんは元魔王みゅー お父さんは元勇者みゅー」
「・・・・」
(さっぱり意味がわかりません)
みゅーとそんなやり取りがあった後私達は大きな長い机のある部屋で食事をすることとなった。