作戦
「そこで僕達はザルたちを追跡して 敵の更に上層部を知る必要があるとおもってるんだ」
アルミさんはフリップのザルの名前が書いてあるところをポンポン叩きながら説明する
「知っての通り僕たちは今商人触鬼のコミュニティーの中に潜入している だからこのままザルたちに怪しまれず同行することができると思う ただインキュバスの街へ入ってからはどういった能力を持った触鬼が出てくるのかわからないから場合によっては素性がばれてしまって戦闘になったり拘束される危険があると考えているんだ」
アルミさんが説明しているとタマさんはそうにゃそうにゃとうなずく
「だから ナベちゃんやサキちゃんは僕らの後ろに待機していて僕らが危なくなったら助けてほしいんだ」
アルミさんは額にある目をぱちくりさせながらなべちゃんやサキさんのほうを向く
「アルミ ごめんねぇ わたし おしごとあるから いけないわぁ ねぇ」
サキさんは動くたびにお付きの人(触鬼)などがはりついているのでこの作戦に同行できない事を伝える
「アルミ あと危なくなったらなんていってるけど どうやって連絡をとるんです 難しいですわ」
ナベちゃんは眼鏡をなおしながらアルミさんに聞いた
「ふふふ そこで これにゃ 魔力レシーバってものにゃ この魔力レシーバはらみの父ちゃんがこっちの世界にいたときにタマといっしょに触鬼狩りをしていたときに開発したものにゃ 10台あるにゃ これは魔力を与えている限り声を他の魔力レシーバに伝えることができるってものなのにゃ」
横入りしてきたタマちゃんが青いペンダントをジャラリと手に持って見せる
見た目は青く光る美しいペンダントでこれを通して双方向の送受信が可能になるようだ スマホやトランシーバと違うのは声が直接脳内に受信されるため魔力レシーバを付けていないものには声が聞こえないことらしい
(らみ どうだ すごいだろう お父さんをほめてくれ はっはっは)とどこかでお父さんの声がしたような気がした
「サキ 帰ったら 一応タマ達がインキュバスの街へ行くことをアガレスに伝えておいてほしいにゃ」
「わかったわぁ タマちゃん アガレス様に 伝えて おくわ ねぇ」
サキさんは前髪をかき上げながら足を組み直した
「決行日は3日後にゃ 魔力レシーバはタマ達以外にナベちゃん、アスモ、らみに一つずつあとはサキにわたしとくにゃ それじゃあ これで今日の集会は終わりにゃ」
そしてタマさんはしばらく考えて私を手招きする そしてアルミさんに目配せするとニヤッと笑った
「アルミ!」
「お おう」
アルミさんはタマさんの意図を察したのかぱっと表情が明るくなる
「我ら 魔王直属 美少女戦隊!」
「タマ」
シャキーン1カメ タマさんは獲物を狩る鷹のポーズを決めた
「アルミ」
シャキーン2カメ アルミさんも獲物を狩る獅子のポーズを決めた
そして沈黙の後私にみんなの視線となにかのポーズを決めろという重圧がのしかかった
「.......」
「らららら らみ」
シャキーン3カメ 私はついに重圧に絶えられなくなってポーズを決める
(うひゃー なに なんだこれ 恥ずかしー わわわたしにどうしろと)
なんだかおかしなガッツポーズみたいになってしまった
「らみ ありがとにゃ やっぱり 親子ニャ」
タマさんとアルミさんは口元を手で押さえながらプププと笑っている アスモまでプププと笑っている
「あ あの タマさん アルミさん い 今のはいったい」
私がそう切り出すとタマさんは私の口元を人差しゆびで押さえてチッチッチとという
「らみ これでタマ達は本当のにゃかまににゃったにゃ らみ あとタマたちのことはちゃんづけで呼んでくれたらいいからにゃ らみ またたのむにゃ」
(え え たまちゃん これまたやるの 事あるごとにさせられるの )
謎のポーズを華麗?に決めたタマちゃんたちは私たちに別れをつげサキさんの隠れ家から去っていった