僕のお嫁さん
「いってー なにしやがんだー」
らみの裏拳によって真っ赤になった頬をさすりながら起き上がる大人版アスモ
「あ あんた わ わたしに キキキキキス」
私は寝ているままの体制で腰にある鞭を取りふりあげようとする
「ままま まてって 俺だって少しは考えたんだって 魔王にとってキスは伴侶との契約 らみは触鬼に腕を食いちぎられちまって死
んじまいそうになってたから俺のマナを直接らみに分けたんだよ 腕 ちゃんとつながってんだろ なっなっ」
そういって上目遣いで私を見てくる大人版アスモ
(ああ そういえば私触鬼に襲われてそのあとわからなくなって
あ でも気絶する前に俺の嫁になにするんだーって叫んでいたような・・・むむ 確信犯だな)
「助けてくれたの?」
私はちょっととぼけてみせた
「苦しむらみをほっておけないだろ 触鬼はぜんぶ倒したぜ なべちゃんも無事だ 治療しなくちゃ治療しなくちゃ」
(む 今度はなべちゃんに向かうつもりだな)
大人版アスモは舌なめずりをしながら指を触手のように動かしながらナベちゃんに向かっていく
「うふっ ア ス モ」
私は誘うような声でアスモを呼び止める
「ん な あ に」
アスモと私の目が合い一時の優しい時間がながれた
「トゥクローズ」
「えー えー そんなー そんなー またねー らみー あいらーびゅう」
小さくなってパタリと倒れたアスモを抱き起こし反対側の席に眠っているナベちゃんの様子を伺う
「うっ」
ナベちゃんは小さくうめいた後目を開けた
「ナベちゃん大丈夫?」
「ああ らみ 触鬼は・・」
なべちゃんはゆっくりと額に手をやりながらあたりの様子を見回した
「みんな アスモがやっつけちゃった」
「そ そう アスモ様がたすけてくださったんですの」
「代わりに治療の為とか言ってファーストキス奪われちゃったけどね」
「まぁ アスモ様がらみにキスを・・・・」
なべちゃんは起き上がると身なりを整え始めた
「らみ ここは危険だわ インキュバスの街へ急ぐのですわよ」
ナベちゃんはカバンから3つ取り出した一つの水の塊を頬張り残りの2つを私の手ににぎらせ御者席に戻っていった
そして竜車が動き出すとアスモが目を覚ました
「おねえちゃん 僕悪いことしてない?おねえちゃんに嫌われない?」
アスモの心配そうな眼差しに私はノックダウンだ
「んー 大丈夫 アスモちゃんはいい子よ いい子いい子」
私は水の塊をアスモに一つほおばらしたあとアスモをだきよせ んま んま いいながら アスモの頭にキスの嵐だ
わたしたちは戦闘地帯をよこぎったがナベちゃんの竜車さばきにより、その後触鬼におそわれることもなく無事にサキュバスの街へと入ることができたのだった