身分証明書
顔面蒼白になった私に空を飛ぶ少女が近づいてくる
よくみるとこの少女は非常に美しいが何か少し意地の悪い顔にも見え恐怖がつのる
「みゅー どこ?」
さっきまで私のそばにいたみゅーがいない
なかばパニックになりかけた私の目にうつったのは鞭をもつ長身の女性のくるぶしの上のあたりをぽんぽんと叩くみゅーの姿だった
「みゅー だめ」
私がみゅーを止めようとしたときにはもうおそくみゅーは長身の女性にとらわれてしまった
「なべちゃん 元気にしてたみゅー」
「まぁ みゅーちゃんですの」
さっきまで殺気だっていた長身の女性の雰囲気がガラリと変わった
「ねぇねぇとりあえずラミスとリストのメッセージがあるからきいてみゅー」
みゅーの目が怪しく光り声色の変わったみゅーが喋り始める
「やぁ 元気にしてるかい 僕たちはそちらから見た異世界で元気にしてるよ」
みゅーからお父さんの声が聞こえる
「ふははは わがなはラミス みなのもの聞くが良い」
(おかあさん急にどうしたの)
「(あ お父さんどう?私どう?お母さん それじゃあだめだよ)」
みゅー越しに小さなやり取りが聞こえる
「ゴホン あーあー 聞こえてますかー このプログラムが起動したということはらみは四天王の誰かにあったってことだよね 誰がそこにいるかはここからはわからないけれど
らみは僕らの娘なんでよろしくおねがいします」「お願いします」
「らみ 聞いてる?そこお母さん故郷よ わからないことがあったらみゅーに聞きなさいあと帰りにジェムラートお願いね」
(ええ ここどこ? ジェムラートってなに? 帰ることができるの?)
「ラミス様・・リストちゃん無事だったんですね」
なべちゃんはジタバタするみゅーを抱きしめながら涙を浮べている
「まぁステキで魅力的 この娘の子はラミスのリストの子供の勇者の魔王なのですね」
アガレスと呼ばれる少女は紫色の光のデコレーションを部屋に撒き散らし喜んだ
「へぇー あなたがー ラミス様とー リストちゃんのー こどもなんだー」
空飛ぶ少女は私の顔をまじまじと眺めた