神の加護
神を前にして青ざめているナベちゃんに向かってミカエルちゃんはゆっくりと話しだした
「ナベちゃん そんなに怯えないでよ 私あなたが魔族だからといっていきなり襲いかかったりしないわよ 板さんお茶頂戴」
ミカエルちゃんは一番端の席にすわるとほほえみながらぼやきはじめた
「そもそも下界の人たちは私のことなんだとおもってるのよ そりゃこの世界を管理してるの私だけど私だって暇じゃないのよ 神は拝んだり信じたりしたら個人の願い事を聞くなんて言ったのだれよぅ 神様はさぁ自然の摂理が狂わないように見てるだけ、そして壊れてしまったバランスを修正するスイッチしかもってないのよ 板さんお茶」
(そんなお茶ばかり)
「ミカエルちゃん あんまり飲むと体に毒だぜ」
板さんがミカエルちゃんを気遣いながらお茶を出す
「板さんはやさしい なぁ 私板さんといっしょになってここに住んじゃおうかしら」
「てやんでえ うれしいこといってんじゃねぇよ ミカエルちゃんが天界にいなくなったら誰が神の仕事するってんだ」
「なんでよぅ 神の後継者ならいくらでもいるじゃない ほらここにも2人いるわ」
ミカエルちゃんはカウンターにうつぶせながら私とアスモの方を見ながら指を指したかと思うとガバッと体を起こした
「いや だめだわ 私がんばれ がんばれゴッドミカエル そうよ私は神よ 神なんだから 板さんお茶」
(あ たちなおった)
「ナベちゃんそれでさぁ 知っての通りあなたたちの世界は触鬼の勢力によって生態バランスと輪廻のバランスが著しく悪化してるの
このままいけば間違いなく私はリセットボタンを押すしかなくなるわ でもあなたたちはこのタイミングでここに来てくれた 触鬼と戦う為に便利な加護をラミスの娘に与えることにしたわ 加護 触洗よ 目に見えているすべての触鬼を元の姿に戻すわ ただし3回限定、一回はお試しよ そして大好評の触洗をさらにもう一つ さ ら に 成功報酬としてラミを元の世界へ戻すチケットを一枚つけて な な なんと無料 無料でのご奉仕になってます 」
(ミカエルちゃん なんかどっかのテレビショッピングみたいになってますよ)
「お さすがはミカエルちゃんだ ふとっぱらだね 」
「だれが ふとっぱらじゃーい」
板さんのほめことばにツッコミでかえすミカエルちゃん、いつのまにか場はなごみ私達は板さんのお店で楽しい時間を過ごすことになった
「板さん ミカエル様 長居してしまいましたわ わたくしたちはそろそろ帰りますわ」
ナベちゃんがそう言うと板さんはちらっとミカエルちゃんをみやり仕事をしながら私達にかえす
「おうっ そうか まぁ 気をつけてかえりな 」
「ナベちゃん 帰ったらアガレスちゃんによろしく伝えといてね 私もなかなか下界に降りることができなくてね らみちゃん大変なお仕事になっちゃうけどがんばってね ちっちゃいアスモちゃんらみちゃんをたすけてあげてね」
ミカエルちゃんはそういうとみんなに握手ををしてまたカウンターに戻った
板さんとミカエルちゃんに手短にあいさつをすませ私達は店を出た
そして元のマナボードのところまで帰ってきた私達はマナボードからの無事帰還の手紙をアガレスちゃんに飛ばしたのだった
「さぁ らみ サキちゃんのところまでいきますわよ まずは王都で買い出しよ 」
マナボードの森 駐竜車場から竜車に乗り込んだ私達はゆっくりと王都へと動き出したのだった