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板さん おまち

「しかしアスモ様が自分で封印が解けるようになってるなんておどろきですわ まぁ自分に危険が迫ってるときだったからでしょうけどね」

 私とナベちゃんは横たわる小さなアスモに服を着させ目覚めるのを待った


 触鬼を倒した私は板さんにあうためナベちゃんからマナボードに触れるよう言われた

 マナボード前の看板に書いてある伝説では勇者の資質があるものだけが

 板さんの住んでいる場所への扉を開くことができると書いてある

 前回開かれたのは勇者リストが魔王ラミスの魔気を封印するための力を板さんから授かるために開いたということだ

(うちのお父さんとお母さんなのよねこれ)

「さ らみ いくのですわよ」

 ナベちゃんとアスモが私にしがみつく

 私はナベちゃんに言われるがままおそるおそるマナボードに触れた

 マナボードは私が触れた瞬間青白い光を発し私たちの眼の前はホワイトアウトしていく

 モヤが晴れると私達は一軒のお店の前にいた

「さすがは リストちゃんの娘ですわ ちゃんとマナボードにアクセスすることができるのですわね」

 ナベちゃんはそういうと私に触れていた手をそっと離した

「さ この中ですわ」

 この世界には不釣り合いな寿司屋ふうなお店の暖簾をくぐる

「へいらっしゃい 適当に座ってやんな おうわけえの 開けた入り口は閉めときな さみいじゃねえか」

(ああ この人が板さんなんだね それっぽいわー)

「ああ ごめんなさい す すぐ閉めます」

 そういって私はお店の入り口をピシャリと閉めカウンターの席に座った

「おう たしかナベちゃんだったけか こんなとこまで子供連れで今日はどうしたってんだ」

 ナベちゃんは少し顔を引きつらせたあと眼鏡をなおし板さんに話しかける

「板さん この子たちは私の子供じゃありませんですのよ こっちはらみ、ラミス様とリストちゃんの子供、こっちはアスモディウス様ですのよ」

「おおうおう なんてこってい こりゃていへんなお客じゃねえか 元魔王に魔王の子供だってえのか 」

 少しだけ板さんの手が止まる

「そうなのよ 最近触鬼があれでしょ アガレス様が困ってラミス様の娘を召喚したのですわよ それでちょっとマナの解放を板さんにお願いしたくってね」

「おうおう 触鬼の話はミカエルちゃんから聞いてるぜ ずいぶんと威勢がいいそうじゃねえか、もう世界を作りなおしちゃおうかってミカエルちゃんもぼやいてたぜ」

 そう言った板さんの話でナベちゃんは少し顔をくぐもらせる

 このあとのナベちゃんと板さんの話からこの世界は輪廻の世界であり強者は弱者を必要以上に殺したりしないことにより世界のバランスを保ってきたことがわかってきた

 しかし絶対的弱者であり強者により守られてきた触鬼が力を付け他の種族を無差別に襲うようになると輪廻のバランスはくずれ触鬼ばかりが増えつづける悪循環をなすことになった

 気がつけば今やまさに触鬼以外の種族は駆逐されようとしているとのことだった

 やっかいなことに高レベルの触鬼は気づかれることなく他種族の国の経済の中枢に入り込み内側から経済を疲弊させその後その国を襲うというのだ

「さて ほんじゃ あれだ じょうちゃんちょっとごめんよ」

 そう言うと板さんは私の額に二本の指をあてる

「おうおう こりゃたいしたもんだ よっし わかったぁ 」

 板さんはそう言うとカウンター越しになにかをつくっている

「へいおまち じょうちゃん これくいな なんにもいわねえで これくいな」

 私は差し出されたお寿司風のなにかを手にとった


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